富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「去中国化」について

農暦九月十七日。午後に湾仔の公立病院で糖尿病の定期診断。今日は心電図と足の触診。前回の血液や眼底の検査結果をもとに臨床ナントカ師による助言指導。血糖値と膽固醇はほんの少し数値は高いが検査の結果「今のところ」合併症のリスクはかなり低く体重や…

中國有未來嗎?未來有中國嗎?

農暦九月十六日。ハリケーンが襲ふ紐育から来襲直前のフライトで中学のときの同級生T君来港。紐育でフリーのジャズベーシスト。兄貴も紐育在住でパーカッション。中学生のときには同級生のあの年頃のバンドブームとは一線を画しT君は確実に「自分はベーシ…

中国の特色ある執行猶予つき死刑判決

農暦九月十五日。早晩にFCCで年内に帰国されるA嬢と会食。仕事でお会いする他、かなりマイナーな映画上映で何度かお遭ひする機会あり。先方はあたしが厭世の実は富柏村であることご存知だつたさうだが(誰かに聞いた由)あたしの方はかなりの映画通の彼女が…

農歴九月十四日。午前中、西環のホテルにH氏お迎へに往きタクシーで(ってH氏にとつてタクシーは下駄かはり)西隧道潜り九龍站の圓方。ICCの超高層ビルの101階だかに飲食店街あり食肆「龍吟」は夜のみの営業だがH氏がマネージャーと懇意でご挨拶兼ねて見…

甘健成先生ご逝去後、の鏞記

農歴九月十三日。昼すぎに香港空港。信州よりH氏来港。空港よりタクシーでH氏投宿の西湾にあるホテルに向かふ。九龍の運転手でホテルの場所や道路に明るくないのも解る、が「よくわからないから道を教へてくれ」と言はれ道案内してゐるにもかゝはらず交差…

草蜢森巴大戰軟硬FANS演唱會

農歴九月十二日。早晩に散髪。紅磡の香港体體館。草蜢森巴大戰軟硬FANS演唱會。一人でかうした歌謡演芸のコンサートに行くとかなり孤独感あり。席で両側の者が「なんでこの人、一人なの?」といふ視線。しかも一人で麦酒をロング缶で二、三本飲んでゐるし。…

石原新党、党名は「国家の存亡が第一」

農暦九月十一日。核禍で「こんな事態に陥ったのは、物事の隠蔽を可能にさせている国民性である」と福島の双葉町町長(朝日新聞で高橋源一郎さんが紹介)。民主主義について町長は 代務者、代議員にすべてを任せるのとは違うものと考えます。……任せられる者と…

香港一国両制の矛盾を矛盾としないこと

農暦九月十日。陋宅のマンションで上階の夫婦の痴話喧嘩が夜中に時々キチガイじみた口論となり六、七歳の子どももゐて嘸や可哀想だが、夜中に起され迷惑なので本当に我慢ならぬ時は天井=相手には床下を棒でどん/\と叩き抗議。まだ怒り心頭で相手先まで乗…

Fidel Castro está agonizando

農暦九月初九。重陽。霜降。天気は良いが乾燥して大気は塵多し。喉が乾き痛む。出先仕事。祝日で午後遅くには帰宅。ゆつくりと入浴。湯船でうと/\。夕餉は野菜ばかりのコンフィ。葡萄酒はAlbenza 2007 Barolo飲む。晩九時に寝るのはちょっと早すぎるが眠い…

武蔵野の府中の秋に馬奔り御幸に民も草もはしやぐ

農暦九月八日。整理した本が小さなトランク一つほどになり銅鑼湾の古本写楽に持ち込む。かなり値踏み上手の主人(香港人)は山上たつひこの『喜劇新思想大系』上下巻はかなり丁寧に確かめてゐたがアトは二束三文で、でも結果一束HK$150也。捨てるには本に惜…

農歴九月初七。この季節ありがちな鼻っ風邪だと放つておいたら鼻水、嚔に喉痛とひどくなり朝イチで近所の年中無休C医師の診療所に診断請ふ。バンコクでの健康診断の結果見せ香港では公立病院での高血圧と糖尿の処方薬のこと話すと公立病院の薬など本当に安…

中上健次没後廿年か

農歴九月初六日。朝早く目覚めて「あれ、バーSでお勘定済んでた?」と気になる。店で二杯目の途中から店を出たところだけ記憶がない。結果的にやはりお勘定してをらず。店もお愛想忘れたそうで飲み逃げではないだけ良かつたが。風邪気味。胃痛。別冊太陽「…

どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?

農歴九月初五。昨日の診察に続き今朝は血液検査のため採血。「検眼もあるから」といはれ何かと思へば眼底検査でアトから知つたが糖尿病の合併症検査では必須項目。「今のところ異常なし」は良かつたが「今のところ」といふのは止してくれないかしら。で検査…

橋下の出自問ふ朝日の愚劣さ

農歴九月初四。悪寒。喉痛。午後、三ヶ月に一度の湾仔公立病院。糖尿病の専門医にバンコクのブムルンラード病院での健康診断の結果をばお見せするのも今はiPadでDropboxで。血液の糖分除けばほんと数値は問題ないですね、でも合併症の検査はしませうね、と。…

台湾蘋果

農歴九月初三。朝イチで届いた新聞開くと蘋果日報が一面トップで肥黎社主が「我要回家了」で、つまり「壹傳媒の台湾撤退」と特ダネのスクープ!って蘋果日報は傘下か(笑)。少し涼しくなつたが乾燥して雨もなく市中煤塵甚だし。厭な喉痛。完ぺきに風邪をひ…

映画『美容天后』

農歴九月初二。香港で数年前、蘭桂坊の横丁に出来た「豚王」といふラーメン屋(こちら)が「行列が出来る」「スープがなくなつたら店終ひ」と評判で今では尖沙咀と銅鑼湾の三店舗体制の由。新宿で「凪」といふ店が母体で多店舗戦略。いつも混雑してゐてアタ…

農歴九月朔日。早晩にしばらく前から一飲といつてゐたO氏誘なひ観塘。それにしても寂しいのは観塘市街の古い町並みが再開発待ちで風前の灯。すでに雑居ビルの楼上の住人たちは九割方退去済み街頭の店も一つ、二つと廃業してシャッター街に。来年には再開発…

iTunes Matchの二重国籍問題

農歴八月廿九日。珍しく朝七時半まで朝寝貪る。未明に朝日新聞ニュースメール速報で「戦い続けた文学者」の物故消息あり「誰がっ?」と思つたら丸谷才一さん。この方は戦ひ続けてゐたのか、知らなかつた。Z嬢と一緒にはかなり久々に裏山に上がりぐるりと歩…

由森山大道到皇后大道

農歴八月廿八日。狭い部屋で書籍が棚から溢れてゐるのは、もう数年前からのことだが自分でどの本がどこにあるのか、どころかどんな本があるのか、もやはり本といふのは未読でもせめて背表紙の書名くらゐは眺めてゐないと、どんな本があるのかすら忘却するか…

作家的写作不是为了哪一个党派服务的

農暦八月廿七日。晩に山頂。某氏邸の夕食会に招かれ末席を汚す。款語三更に至る。庭に虫語愉しむ。 ▼司法の鬼婆と化したか梁愛詩刀自に対して裁判官、弁護士らが刀自の「香港特区と中央政府との関係を考へて司法判断を」といつた発言に対して抗議。これに対…

農暦八月廿六日。晩に帰宅してぼーっとしてゐると午後七時でiPhoneに一斉にあちこちの特報で「ノーベル文学賞に中国の莫言」が入る。亦たハルキムラカミは外れ。世界の注目をハルキムラカミご本人はこの喧噪をまるで他人事のように(本心はわからないが)毎…

雀仔威念成哥

農暦八月廿五日。晩に中環。ほんとうはもう少し早く来て久々にFCCに寄りたかつたが時間なし。市大会堂の美心MXで快餐してZ嬢と待ち合せ香港ショパン協会=Andrew Freris博士主催の毎年秋恒例 The Joy of Music Festivalあり今晩はIlya Rashkovskiy君(写真…

鏞記甘健成先生急逝、哀悼

農暦八月廿四日。晩六時には暗くなる。ガキばかり目立つ旺角のMTR站でZ嬢と待ち合せ。旺角で待ち合せは初めて鴨。雰囲気的に苦手な(って若者相手だから当然お呼びでない)朗豪坊の池記で雲呑麺。同じ池記でも経営元がいくつかあるやうで昔の銅鑼湾の時代広…

風や陽光も国家所有制(笑)

農暦八月廿三日。寒露。臥床するまでは眠かつたがいろ/\考えだすと寝付けずまんじりともせぬまゝ朝の四時すぎ。養命酒飲んだら少しリラックスして二時間半寝る。もつと早くに、といふか寝るときはいつも養命酒とすべき。この拙い日剩が40万ヒット。誰が当…

dîner à bord CX première classe

農暦八月廿二日。朝五時半気象。薄曇り。朝のうちに日記整理。十時に退房して荷物預けBig Cまでホテルから裏道抜けて、このショートカットあるのをすつかり忘れてゐてここ数日ずつと自動車の排ガス厭ひ乍ら大通り歩いてゐた!でBig Cのフードコートで早めの…

糖尿病ですよ。

農暦八月廿一日。朝食抜きで朝七時にブムルンラード病院。恒例の健康検査(アタシはあの「人間ドック」といふ言葉が嫌ひ)。前回は2011年の12月にチェンマイマラソンの帰路。相変はらず朝から国連*1の如し。施設の拡充は進み新館11階にあるこの健康検査フロ…

曼谷でもんぢゃ焼き

農暦八月二十日。昨晩は九時くらゐに寝てしまつたので起きたら夜中の三時半。まだタイの坊さんたちも寝てゐる時間。昨日の日剰上網するが山間のこのリゾートはテレビすら客室に置かぬのだから立派だが当然、部屋にネット回線もなく、辛うじてネットがWi-Fiに…

日中「島争ひ」荒島化!

農暦八月十九日。朝四時半に目覚め夜明けまで読書。朝食に粥といふか正確には泡飯を啜る。昼前に派手なスコール。今日の昼はチャーハン。村上斉『宇宙は何でできているのか』冬幻社新書、読む。晴れたり雨が降つたり、のなかバルコニーでぼんやりと毎日この…

「遊」

農暦八月十八日。「遊」の意味は、移動すること、逍遥して楽しむこと、自由な境涯を生きること、と白川静『字通』にある由。まさにこれがアタシには人生の理想。自然のなかの山間の宿で池なども多く遠くには田圃が広がり朝はカエルの大合唱で目覚めるかしら…

Phu Chaisai Resort

農暦八月十七日。The Chediといふこのホテル、建築家の哲学と美学がこゝまで徹底された建築も珍しい(こちら)。豪州のKerry Hillといふリゾート建築では著名な建築家(こちら)の作品。それは建物の設計から調度品、カフェの小皿から蝋燭立て、フラワーアレ…