富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

香港「民主化」の終焉

昨日の全人代常委で決定した香港の選挙制度改革を意気揚々と報じる大公報。 もはや民主派に安定を破壊されることもない完ぺきな制度改革である。愛国万歳。実は愛党。これに哀悼。香港民主派排除、制度改変が決定 直接選挙枠減、全人代可決(朝日新聞) 毎日…

農暦二月十九日

中国内地に比べ内地と香港間往来の防疫不便を昨日叱つた大公報、今日は早速、内地からの航路による帰港では隔離免除と。もう何か叱ればすぐに思ひ通りになることで効率よい社会が実現するわけだ。蘋果日報のトップ記事は三聯書店(中聯弁資本)が2015年に出…

直実と直侍

「香港商人が中国各地をビジネスで容易に往来できるのに最も困難は帰港」と大公報が香港市役所を叱る。香港政府が内地との往来を制限してゐることへの不満。「国内」なのだから中央政府の防疫基準に従へば良いわけである。地方は中央政府に隷属すべきは民主…

ドバイと高松宮

中国でのワクチン製造は日産600万本ださうで既に1億人の接種だといふが香港は接種が未だ6.6%で遅々とした接種を「市民が接種待ち望む」と叱る大公報。市民が待ち望むのか、中国製ワクチンのPRなのか大公報の真意はわからない。蘋果日報が報じるのは香港警…

農暦二月十五日

民主派人士の豪州逃亡を叱る大公報。中共が欧米での対中制裁の見返りに欧米組織や個人に見返り制裁で香港司法の非常任の海外裁判官も含まれると報じる蘋果日報。その蘋果日報の1面右にある記事はかなり嗤へるが中共による欧米ブランド排斥に呼応してみせる…

抵制洋貨!

香港の地場野菜が農薬用ゐて有機どころか有毒と大公報。とにかく叱り続ける大公報。民主派弾圧に始まり香港市役所を叱咤して次は地場農業。かつて大陸産の野菜が毒入りと厭はれ「本地」つまり地元の野菜が好まれたが最近は中国も「段ボール餃子」など出てこ…

「貫徹人大決定 全港共同責任」

大公報は蘋果日報社主ジミー黎智英が台北郊外の陽明山で豪邸建造で土地獲得に疑惑と報じる。台湾を介して米国政府との密通もありださうな。蘋果日報は芸人の酒酔ひ運転での裁判について。大公報で黎智英の台北豪邸云々より目障りなのが、そのトップにある「…

農暦二月十二日

西九龍の美術館М+での艾未未の写真作品、それは天安門前広場で天安門に中指を立てゝゐるのだが、その作品の収蔵に関して大公報=中央政府が香港政府を叱り林鄭市長は文化事業従事者が国安法に抵触する行為があつた場合は厳重に対処と明言。かつての本来の一…

小澤征爾音楽塾特別公演2021

西九龍に開館する美術館M+の収蔵作品を館の運営方針から含めて叱る大公報。たかだかアート作品と思ふが共産主義の独裁政権で音楽、美術、映像に対する確執はかなりのもので逆にそれを何うプロパガンダ的に利用するか、は中共にとつては自家薬籠中のもの。欧…

だぼう

大公報が叱るのは香港島南で香港仔(アバディーン)と狭い海峡を挟んだ対岸の鴨脷洲(Ap Lei Chau)のウォーターフロント開発について。鴨脷洲の沿岸にある旧市街に続く一帯は海浜公園として整備され鴨脷洲の外海沿ひはSouth Horizons(海怡半島)といふ集合…

コジコジ

(大公報)コロナ禍で外来家政婦不足となつてゐる香港。彼女らは通常の雇用ビザをもつ外国人居住者とは異なる括りで滞在許可も「暫定」で雇用ビザの延長は本人が申請できず香港の選挙権がない等、所謂「二等市民」扱ひ。彼女らの奉公明けでの帰国、新人の来…

東海村に火灯る②

深圳に「免税天国」建造で商機到来!って、んなのできたらコロナ明けでも余計に香港に買ひ出し客来なくなるだらうに。さらにいへば、もう買ひ出しぢたい数年前のやうにもう千萬の人が消費場所に押し寄せるといふ経済行動は再来ないのでは。藁にも縋るやうに…

東海村に火灯る

民主派を弾圧するばかりか反政府組織「民陣」をなぜ19年も取り締まれなかつたのかと香港市役所を叱る大公報。民陣を放置しなければ2003年からの、あの十万人単位の大規模な抗議デモは起きなかつた、といふわけだが果たしてさうかしら。アラスカでの米中交渉…

及時雨

“完善选制及时雨座谈会达五共识”といふ大公报の見出しで“時雨”の意味がわからない。よく見たら“及時雨”で“Rain in Time”の意(副詞的)。提灯会議で5つの、何うせ“愛国者による治港”なんてことで共識を確認……といふやうなことなのだらうが、この场合での“タ…

游方之外

香港で映画『十年』を見たのは2015年の年末。雨傘運動の翌年。10年後のディストピアとなつた香港を描く5人の監督によるオムニバス映画。悲観的ながら少なくとも「最悪の仮定」であつて「さうならないよう」といふ戒めのやうな少しでも希望が残されてゐただ…

康復香港 時代抗疫

香港の選挙制度改革が香港市役所ではなく中央政府によつてなされるだけでも、もはや一国両制など不存在でもはや党政府がどれだけ優れた判断をするかにしか望みもないが中央が香港の民意を寛容に受け入れるといつても相手は親中派だけであつて、それを香港の…

水戸を離れて東へ三里 波の花散る大洗

反政府抗議組織「民陣」の分裂を願ふ大公報。民陣リーダー格の逮捕、起訴で「手足」が「跳船」(脱却)と。香港で増えるホームレス(蘋果日報)。北角は糖水道の歩道橋とかも昔からホームレス多く九龍観塘の埠頭なども小屋を建ててきれいに住んでゐると感心…

国鉄の名随筆家・藤島茂

大公報は香港でのワクチン接種の遅れで全市民接種官僚は再来年待たねばならぬのか?と嘆いてみせるが香港ではワクチン接種での死亡例に(因果関係は明確ではないが)それを恐れて接種断念の市民も少なからず。蘋果日報は反送中活動家のうち3名の保釈に希望…

片山杜秀さんを水戸芸術館館長に

香港の選挙制度変更でに余念のない大公報。中央政府的には排除したのはあくまで国家体制揺るがす乱暴派であつて穏健民主派を取り込みたいところだらう。1997年までの青写真でも穏健民主派育つ前提での普選実施であつた。だがそんな余地などなく土共体制派か…

零度のエクリチュール

行政長官選出の選挙人が1,200人から300人増やされ立法会の議員数も20増えて90議席になるが何うせ親中派枠。そもそも非国民は立候補もできなぬ事前審査あるのだから。もう完全に骨抜き。腐臭漂ふばかり。これが「发展适合香港实际情况的民主制度」なのださう…

311から10年

全人代では今日、香港選挙制度改革案可決。可決「する模様」とかぢゃないのが一党独裁の強み。中共で進む習近平「一強」。 抜き出る習氏 全人代で礼賛次々、入場も「絶対的」演出? 来秋再任は――指導部の若返り見据える:朝日新聞 なぜ、かういふ「一強」が…

モラルと経済のメルトダウン

全人代で香港選挙制度改革が確定することを受け林鄭市長は1年内に香港で選挙制度改革の法整備進めると明言。一昨年は反送中で行政長官辞任すら仄めかした林鄭も今では開き直り、どれだけ顔に泥を塗らうと中共の僕べとして来年6月の退任まで粛々と任務遂行…

水戸納豆

香港の大手映画館チェーンのUAシネマが倒産で即日休館。香港といへば香港映画だつたが香港映画斜陽でコロナ禍祟り高い家賃では資金繰り悪化は必然。香港市役所の持続化給付金などなかつたことも痛手。 香港で中国製ワクチン接種者から3人目の死亡あり。因果…

先考十七回忌

大公報は全人代で決定する香港の選挙制度「改正」につき香港で立法作業に尽力するやう鼓舞。蘋果日報は囚われの身の民主派運動家たちが留置所内でもお互い五大訴求+1の意思表示で励まし合ふと。 本日、先考命日で十七回忌。母と家人と真言宗豊山派神崎寺。朝…

Les aveux de la chair : Histoire de la sexualité, vol. 4

王毅外相が相変はらず怖い顔で記者会見に応じてゐるが香港や台湾、ウイグルやチベットなど中共の弾圧が続くが、それらの地域が中共にとつて「核心的利益」としてゐるだけでも正直かもしれない。これらの地域が不安定になれば中共の存続すら危うくなること。…

播磨屋〈須磨浦〉

中共全人代開幕。香港で民主派活動家が五十数名も逮捕起訴されたのは、この全人代への景気づけのやうなもの。全人代開幕早々に关于《中华人民共和国全国人民代表大会议事规则(修正草案)》的说明( 王晨) が発表され香港の大胆な政治制度改革が今回の全人…

全人代有権有责完善香港选挙制度

香港の反送中と逆権運動は一昨年春から民主派と中共背景の香港市役所の間で攻防が続き民主派にとつては送中条例撤回の成功と区議会選での圧勝が最大の戦利であつた。結果論ではあるが林鄭が条例撤回したところでそれを一先ず目的成功として休戦とすれば後々…

斎藤美奈子『中古典のすすめ』

ワクチン接種後に死亡例(昨日の蘋果日報)はワクチンには無関係と大公報。蘋果日報は譚文豪・立法会元議員(公民党)逮捕で家族の悲しみ。反送中の抗争で占領中環など実力行使に出た運動のリーダーなどは不満あつても逮捕覚悟であつただらうが譚文豪など元…

ウンコはどこから来て、どこへ行くのか

香港でのワクチン接種、大公報は安全を宣伝し蘋果日報は糖尿漢がワクチン接種後2日で死亡隠しと叱る。 湯澤規子『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』(ちくま新書) 読了。「人糞地理学ことはじめ」と副題の通り、我々にとつてのウンコを語る。子ども…

春の嵐

「愛国者による香港統治」の大事。香港政治研究の倉田先生(立教大学)がきちんと分析されてゐたが、今回の民主派逮捕は予備選実施が罪状でさすがに香港警察も起訴に値するまともな証拠もなく及び腰だつたのだが中共は北京で夏宝龍・港澳弁主任がジミー黎智…