富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

中国の特色ある執行猶予つき死刑判決

農暦九月十五日。早晩にFCCで年内に帰国されるA嬢と会食。仕事でお会いする他、かなりマイナーな映画上映で何度かお遭ひする機会あり。先方はあたしが厭世の実は富柏村であることご存知だつたさうだが(誰かに聞いた由)あたしの方はかなりの映画通の彼女があたしも時々拝見する、Googleで「香港 ブログ」とか引くと十数番目くらゐに出てくる香港映画サイトの書き手だとは今日お聞きするまで知らず。Googleといへば香港では中共の「百度」などと違ひGoogle中共の毒牙に侵されてをらぬと思つてゐるが実はかなり赤化してゐるさうで同じ単語でGoogleとYahoo香港で引いてみると後者は基本的に香港内の結果なのに前者はかなり大陸の情報が被るやうになつてをりGoogleが本土化してゐること窺へる。今晩は赤葡萄酒が飲みたかつたがA嬢がお酒飲まないので一人で一本は多いか、と思ひつゝ残つたらお持ち帰り、のつもりがZonin Chianti 2010年を結局一人で一本飲んでしまつた。但し炭水化物とデザートは無し。帰宅途中のバーSでハイボール
▼紐育時報の温家寶首相資産疑惑、温首相側から名誉毀損で紐時訴へた弁護士は北京君合律師事務所の白濤弁護士と國浩律師(北京)事務所の王衞東弁護士。前者は
白濤在北大法律系畢業,後又在美國康奈爾大學法學獲博士學位,曾在美國通用汽車公司法務部工作。2002年成為北京君合律師所合夥人,曾為多家跨國公司、國際組織及國內企業打知識產權、反傾銷、企業兼並收購等訴訟。她現為北京市律師協會副會長。
といふかなりの学歴と職歴(こちら)。後者は
衞東律師則畢業於公安大學法律系,後獲美國明尼蘇達大學法學碩士;自1993年即開始專職律師工作,主要從事電力、能源、供水等基礎設施建設項目、項目融資、外商投資、收購與兼並的法律業務。曾任美國通用汽車、美國南方電力、英國電力、香港中華電力、香港長江基建集團等的法律顧問,並為香港滙豐銀行、BNP銀行、東京三菱銀行在中國境內融資借款任法律顧問。
と、こちらもビジネス界相手にかなり叩き上げ(こちら)。二人とも偶然か米国でGM社の法務経験あり。ちなみに中共幹部の家族がどれくらゐビジネス牛耳るか、といへば

  • 中共總書記 江澤民 兒子江綿恆為中國網通前董事長、上海聯和投資公司前法人(公司名下擁上海汽車、上海機場、中芯國際、上海微創軟件等股份)
  • 中共總書記 胡錦濤 兒子胡海峰曾任清華大學威視股份有限公司總經理、清華控股黨委書記;女婿茅道臨為新浪網前CEO
  • 中共儲君、國家副主席 習近平 姊姊齊橋橋、姊夫鄧家貴投資稀土、地產、電信等行業,坐擁3.76億美元
  • 國家總理 溫家寶 家人被指坐擁27億美元財富,兒子溫雲松是中國衞星通信集團公司董事
  • 全國人大委員長 吳邦國 女婿馮紹東為中廣核產業投資基金總裁、上海百聯董事;長兄吳邦傑生意遍佈內地藥業、汽車、投資管理等領域;弟弟吳邦勝為上海三峽實業董事長、上海旗忠實業副董事
  • 中共政治局常委 李長春 兒子李慧鏑為中移動集團副總經理
  • 中共政治局常委 周永康 兒子周斌財富及投資遍及石油、大型工程、酒業等
  • 中共政治局委員、十八大熱門常委人選 劉雲山 兒子劉樂飛為中信產業基金董事長兼CEO
  • 中共政治局委員、十八大熱門常委人選 張高麗 女婿李聖溌為香港聖絀集團主席、匯科系統董事長、深圳浩天公司董事
  • 前國家總理 李鵬 女兒李小琳為中電國際董事
  • 前國家總理 朱鎔基 兒子朱雲來為中金公司行政總裁
  • 前國家副主席 曾慶紅 兒子曾偉為石油巨亨

と枚挙に遑無し。日本で政治家の息子でも所詮、二世議員になれる程度は一応は有権者の選択次第。一族郎党といふだけで利権得ることはかなり困難。さすが中共一党独裁と呆れるばかり。

「中国の特色ある執行猶予つき死刑判決」について東京新聞十月三十日に加藤直人論説委員の記述が参考になる。今回この重慶騒動で薄熙来に対して温家寶は死刑実刑求め胡錦濤は執行猶予つき死刑判決を求めてゐるといふ。この執行猶予つき死刑論浮上には昨年の刑法改正の影響あり、と加藤氏。執行猶予つき死刑判決では従前は「二年の猶予期間中に改悛見られゝば無期懲役に、改悛で功績あれば15〜20年の有期懲役に減刑可」。それが昨年「減刑後の有期懲役は25年」と見直し。取調べ中の収監や二年の猶予を含めれば最低でも30年近くなり薄熙来の年齢考へれば事実上は「政治的に死刑と同じ」といふ理屈。薄熙来に仮に死刑執行すれば左派の支持者多く社会に動揺や中共現執行部には不利な影響もあり猶予つきでも死刑なら党の威信保たれる、といふもの。「執行猶予つき死刑判決」は中国で事実上の死刑廃止につながりアムネスティ的には改善だが「刑事裁判すら党の政治判断に左右される危険性がある」といふ点では所詮、一党独裁の怖さ。