富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

JR東日本【大人の休日倶楽部】現地体験文化講座「城下町水戸の魅力」

(昨日の追記)競馬はジャパンカップ開催。断然◎イクイノックス(ルメール)で単勝1.3倍。これが1.1倍にならないのは三冠牝馬◯リバティアイランド(川田)にも期待かゝるからでこちらは3.7倍。さうなると◎と◯で3着になにが来るか、でアタシは5番人気のスターズオンアース(ビュイック)を▲とする。ビュイック騎手って誰?と思つたら英国のリーディングジョッキーの出稼ぎであつた。▲の単勝は26.6倍で、これが3着に入れば複勝の配当は間違ひなく◎単勝(130円)よりオイシイだらう。▲複勝でワイド▲軸に◎と◯に流して三連単◎◯▲とする。レースは予想通りパンサラッサ(吉田豊)先行だが1000mを57.6秒といふ時計で4角をすぎてもラスト3ハロンでイクイノックスとの差は20馬身。単勝46.4倍で今ごろ京都B君はパンサラッサに声援を送つてゐるのだらう。さすがに先行逃げ切り?もうダメかと思つたら◎にスイッチ入りパンサラッサを余裕で差して、追ふ◯に4馬身差つけてゴール。ルメール騎手は鞭も打たず最後は後続を振り返るほどの余裕で2.21.8の時計。これマジに走らせたらコースレコード、2018年にアーモンドアイの2.20.5に匹敵だらうが、まだ馬に余計は負担はかけず楽しませればよいのだらう。3着に▲が入り見事に予想的中。▲は新馬戦から全て入賞で末脚も冴え期待に応えてくれた。アタシも天皇賞(秋)からエリザベス女王杯マイルCSと今日まで見事4連続的中である。

癸卯年十月十五日。気温摂氏6.8/15.3度。晴。

f:id:fookpaktsuen:20231127225254j:image

水戸城三の丸の空堀の銀杏も数日前に比べるとだいぶ落葉してしまつた。

自動車の運転席からの撮影でアングルは悪いが2日前は本当に葉が繁つてゐた。本日は午前10時半み水戸駅に集合でこちらの企画に家人と参加で末席を汚す。

JR東日本【大人の休日倶楽部】現地体験文化講座「城下町水戸の魅力」

講師は茨城大学名誉教授で歴史地理学の小野寺淳先生。午前中は駅ビルで座学。水戸の江戸時代の武家屋敷だつた敷地は今でもオカメザサの垣根が残つてゐるのださう。午後からの散策は水戸駅(北口)から東照宮に行き奈良屋町に下り梅香に上つたかと思へば鈴坂を紀州堀に下り……と水戸台地の南崖を上つては下りの連続で備前町から釜崎町を西の谷に下り常磐神社の急坂の階段を上り偕楽園までのかなりハードなウォーキング。大人の休日倶楽部の企画であるから高齢の参加者ばかりで(実際にアタシらが最年少だつただらう)途中で脱落者もあり。こゝまで谷の上り下りをしなくても大地の上から谷を見下ろすで千波湖まで何度も俯瞰できるのだから、それで良かつたのでは?なにせ崖で地層を眺めるとかブラタモリ的な「発見」があるわけでもない。偕楽園からは市街地に戻り歩きは平坦となるが正直なところコース取りでいくつか「かう歩かなくても」の疑問もあり*1大工町から裡信願寺、鳥見町から泉町の商業地の説明ではアタシは地元なので説明を聞いてゐていくつか「ん?」といふ椿説や明らかに誤解されてゐる点も散見された(ご専門でもない明治大正の今昔話的なネタだつたからだらう)。それと今日の20数名の参加者のうち半数が県外からで県内でも水戸以外からの参加者もゐただらうに説明が水戸の地理に明るい前提で話されたこともいくつかあり、それも遠くからの参加者には何のことを話してゐるのか、それが何う面白いのかもわからなかつたかもしれない。一寸残念である。

十五夜の月を愛でる。

尾形&望月のArc Timesは何だかちょっと素直に楽しめない気がしてゐたのだがゲスト中森明夫「ジャニ ーズの功と大きな罪/アイドル論の明日」これは白眉。中森明夫が自分は少女アイドルが専門で男性アイドルは、と謙遜してゐるが兎に角、戦後の日本の芸能についての包括的な視点から見事な分析。日本の芸能界と米国の関係、そして沖縄の関係。そして宝塚から創価学会学習院ホモフォビアまで日本社会的なるものについて。後半はテーマが散漫になり雑談的になるが2/3くらゐまでの中森明夫のほゞ一人語りが秀逸なのであつた。

*1:偕楽園近くまで来て常磐神社から偕楽園の東門にも行かず、市民会館に寄つても芸術館に抜けず、大町通りに出て三の丸の旧県庁に出て弘道館に向かふのかと思つたら仲町通りから大通りに出てしまひ主催者側のスタッフも「えっ?」といふ表情であつた。

癸卯年十月十四日

気温摂氏5.1/8.4度。曇。夕方から霧雨(0.5mm)。昼の気温上がらず冬のやうな寒空。晩は鍋で燗酒。アラヂンのストーヴで鍋にふざけてタニタの水温計を入れてりろり京都三条國島器械で入手の酒燗計もつけてみる。アラヂンのストーヴは熱量が横に逃げるので蓋上にかけた鍋は摂氏80度以上に上がらず(メーカー側は鍋やヤカンなどかけることを禁じてゐます)。

f:id:fookpaktsuen:20231126200801j:image

大相撲九州場所千穐楽。琴乃若が熱海富士を下し大関霧島の優勝決定。霧島は大関貴景勝破り2敗。

ピーター=バラカンのラヂオ(InterFM)でNHKの朝ドラ(ブギウギ)で笠置シズ子役の趣里が歌つて評判の服部良一〈ラッパと娘〉が取り上げられ、その原曲である“Hit the Road Jack”がレイ=チャールズの演奏でも流れた。確かに同じ曲には聞こえないが服部良一の妙。それにしてもなぜ「ドジダジデジドダー」なのだらう。あの時代にまだLSDもなかつたのに。ピーター=バラカンが、そのノリを今で言へば民謡クルセーダズと喩えて大漁節を流してみせた。民謡クルセーダズと小坂忠にはもう食傷気味。ピーター=バラカンといへばラヂオのリクエストで匿名希望は拒み所謂「ラヂオネーム」も好かず本名でのリクエストに自信を持てといふ。だが本名だと思つても裏付けもないわけで。

テレビでBS12(トゥエルビ)なる放送局(三井物産系)があることも知らなかつたが、そこで今年早春に放映されたハコちゃん(岩下尚史)と葵太夫さん出演の番組(船越英一郎の昭和再生ファクトリー)再放送の録画で拝見。歌舞伎座前から演舞場、尾上松也君の祖母にあたる清元のはる寿姐さんあたりから木挽町を新橋に散歩。このあたりが新橋といはれると今の感覚だとピンと来ないが鉄道の新橋駅が新橋の外れなわけで「新橋」がかかつてゐたのが今の銀座八丁目の博品館からの首都高下。鉄道線路寄りから土橋、難波橋、新橋で次が今の昭和通り蓬莱橋で、その先がこのへん。

水府の秋

癸卯年十月十三日。気温摂氏4.4/12.2度。晴。家人が昼前まで所用あり先に寺で掃墓済ませ西の谷の駐車場で会ふことにして自動車を泊めて散歩に。偕楽園東門前の門の前で早めの昼餉のつもりが改装中で休業。このあたりで他に食肆もなく偕楽園の外を御成門から県歴史館の方に歩き県青少年会館のココリコ食堂に。偕楽園ユースホステルも併設の施設の飲食施設なのだがかなり常連客あり。野菜カレー。県立歴史館。

f:id:fookpaktsuen:20231125161555j:image

府中(石岡)松平家を出自とするこの松平頼則といふ作曲家について恥ずかしいほど何も知らずにゐた。

音楽家・松平頼則とその時代 -時代を切りひらいたマエストロの軌跡- | 茨城県立歴史館

伯林でカラヤンにまで取り上げられ世界的な数々の賞を受けた作曲家。父の松平頼孝は明治期の鳥類学者として名を残す。母の治子は徳大寺実則公爵の四女で大叔父が西園寺公望


f:id:fookpaktsuen:20231126200654j:image

f:id:fookpaktsuen:20231126200657j:image

かなり念入りな展示だつたが何せなら展示室で頼則の楽曲を流してくれてゐても良かつたのでは?……展示室のパソコンの音源をヘッドフォンで聴けるはしたのだが。頼則は戦前から作曲を続けてゐたが終戦を待つかのやうに戦後その才能を発揮する。欧州ならレジスタンスもないのか?と思はれるところだが。手書きの楽譜のまぁきれいないなこと。


f:id:fookpaktsuen:20231125161848j:image

f:id:fookpaktsuen:20231125161851j:image

歴史館の敷地内で黄金色の銀杏や崖を下り紅葉を愛でる。常磐線を岩間街道で渡り所謂「護国神社」の横を抜けて水戸徳川博物館との間の谷に位置する紅葉谷へ。


f:id:fookpaktsuen:20231125161913j:image

f:id:fookpaktsuen:20231125161916j:image

こちらも紅葉が盛り。この紅葉谷がいつ頃からこんなに紅葉の名所になつたのかアタシは知らない。昔は整備もされてをらず。

手入れされた公園の紅葉も見事だが自然に廃屋に蔓延つた蔦の紅葉もまことに味はひがある。

▼大相撲九州場所ハ2敗同士デ大関霧島ガ熱海富士下ス

伊集院静「大人の身だしなみについて」

癸卯年十月十二日。気温摂氏5.8/22.0度。晴。

大相撲九州場所は贔屓の大賀君(幕下47)勝越しめでたいが兄を番付で追い越した弟の丹治君(幕下29)白星1つのみで負越し。今場所好成績なら十両に上がれた琴手計(幕下5)も2勝ち4敗と負越しが残念だが今日の深井(幕下4)との同じ星取りの対決は2度も物言ひで同体と見做され両者へと/\で3度目の勝負で琴手計の勝ち。

伊集院静さん死去 享年七十三:朝日新聞

本当に佇んでゐるだけで素敵なオーラを放つ紳士だつた。

アタシが香港から戻り山の上ホテルに宿泊のときは601号室をとることができた。月本裕さん夫妻と「近藤」での天ぷら。バーで飲んでゐたら月本さんが「あっ!」と立ち上がりロビーに走り普段運動など全然してゐない月本さんの小走りなんて見たのはこの時が最初で最後で月本さんは逝つてしまつたがロビーに走つたのはそこに伊集院静氏がゐたからだつた。

この伊集院静らしさが出てゐるのは、このエッセイだと思ふ。

伊集院静「大人の身だしなみについて」愛煙家通信Web版 - 喫煙文化研究会

そんなダンディズムのかけらもない我らがキシダは昨日、祝日で午前中は公邸で過ごし早晩に皇居で帰国の記帳済ませ*1新嘗祭神嘉殿の儀に参列。その後、公邸に戻つたが21:40に唐突にキャピトルホテル東急に投宿。突然の休暇?、謎の整体師による施術?と猜疑のところ今朝は07:29に官邸に出勤で閣議衆院予算委。何があつたのか?だが官房長官は「公邸の不具合」と説明(詳細は警備上の配慮で披露せず)。何うやうら水回りの問題だつたさう。

14:02 自民党党下水道・浄化槽対策特別委員会の山本有二委員長。

都心中枢の水回りの問題についついて党の責任者を叱つたのかしら。

*1:かつては首相ら羽田から皇居に直行で帰国の記帳済ませてゐたと記憶するが最近は形式的で数日後でも良いらしい。

勤労感謝の日

癸卯年十月十一日。気温摂氏49.2/20.6度。快晴。夜明け前に雨音で目が覚める。天気予報は晴れのはずだつたが雨雲レーダー覗いたら日本全国でこのあたりだけに通り雨。午前中に籠絡の片付け←趣味なのだが。ゴミを出すにもボール紙の芯棒は取扱ひ面倒で小さくしたら小さくなつた。これなら燃えるゴミで出せる。


f:id:fookpaktsuen:20231123184531j:image

f:id:fookpaktsuen:20231123184534j:image

先週まで九月から秋のお能など続いてゐたがお終ひでしばらくのんびり。

特別展 中村光哉の染色 黒の時代―蝋の仕事 | 水戸市立博物館

この方自身は東京は青山の生まれだが父(友禅作家の勝馬)の祖父迄は水戸藩藩医の家柄だつたさう。そこで水戸の私立博物館も光哉の作品をそれなりに収蔵。

光哉の楽器や遊園地をテーマにした臈纈染めの見事。何よりもアタシが興味深かつたのはテーマ(遊園地)のための遊園地の現場でのデッサンで円形遊具の描き方一つとつても何とも見事。遊具がまるで回つて踊りだしさう。

こちらも招待券があつたので散歩の途中で、と思つて昼食(カフェアルコイリス)のあと水戸芸術館へ。想像のレベルを凌駕して今村源といふ造形作家の世界に嵌りこむ。一つ/\の作品がとても哲学的なのだけれども、それを饒舌に説明もせず視覚で飽きぬことなく見せる。一つ/\の作品を見ながら自分はいつたい何を根拠に存在してゐるのか、と思はされる。それでゐて恐怖とか恐れに苛まれることもなく、むしろ無情の向かふの蓮界に浮かぶやうな安らぎすら覚へるから。何なのだらう、この安定感は。芸術館のロビー(パイプオルガンの間)にまで今村源の作品がリゾーム化して侵食してゐた。フロアから浮いて宙吊り。ロビーの左右の柱に協力なベルトでワイヤが嵌められてゐるのだが、そのワイヤの留め金部分だけでも作品のやう。


f:id:fookpaktsuen:20231123184728j:image

f:id:fookpaktsuen:20231123184725j:image

水戸芸術館から水戸八幡宮まで歩く。境内の大銀杏も今が盛り。後づけの七五三に家族の姿が微笑ましい。常磐共同墓地側の回天神社の銀杏も美しい。


f:id:fookpaktsuen:20231123184747j:image

f:id:fookpaktsuen:20231123184744j:image

紅葉の民家の壁にまでじつに盛りで美しい。


f:id:fookpaktsuen:20231123184819j:image

f:id:fookpaktsuen:20231123184811j:image

保和園公園も紅葉がきれいだが今年は記録的な猛暑で樹々はかなり暑さに痛んでしまつたのだらう、全体としては紅葉が稀少なほど。


f:id:fookpaktsuen:20231123184839j:image

f:id:fookpaktsuen:20231123184835j:image

保和園公園の鳥舎解体工事中。アタシが子どもの頃は熊がゐて鳥舎の孔雀も賑はつてゐたが最後の一羽が半年以上前か?に見当たらないと思つたら亡くなつてゐたのだらう。その鳥舎が壊されてゐて、やはり寂しさを感じ入る。

癸卯年初十日

小雪。気温摂氏4.0/19.8度。朝はさすがに寒いが小春日和……といひたいところ、いくら今日が陽気でも連日この暖かさでは今日の何を以てして秋の寒さの合間なんていへるかしら。


f:id:fookpaktsuen:20231123184412j:image

f:id:fookpaktsuen:20231123184409j:image
 
銀座松屋(LeCent)よりベストが届く。画像(デジタル)でみるとかなり濃赤色だが実際にはもつと色は淡い。台所に観賞用の鷹の爪を馴染みの花店でわけてもらふ。
馳浩舌禍。内田樹曰く「何一つ質問に答えないで「日本語が理解できない人間」のふりをすると政治責任は回避できると信じている人たちが要路の政治家であるという事実の前に日本の有権者はもう少し「愕然」としてよいのでは」。御意。

https://twitter.com/levinassien/status/1726026972793549228