甲辰年十一月初一。1.9/17.2度。快晴。行楽日和で家人と出かける。
水府のお城、三の丸のお濠の銀杏もいまが盛り。
JRは鉄道切符のチケットレス化を進めて「みどりの窓口」すら縮小でまだ/\合理化を進める。
JR2026年春をメドに往復乗車券、連続乗車券の割引廃止へ:朝日新聞
青春18きっぷもさうだが国鉄時代からの面倒なお得な切符は廃止の方向で割引ならネットでの早割とかでどうぞ。今朝のアタシはチケットレス化に逆らふかのやうに自動券売機から予約済みのテケツの発券で14枚とは。今朝の水戸駅は職員が何だか忙はしいと思つたらこんな水郡線全線開通90周年イベント会場をつなぐ臨時列車の運行(こちら)であつた。
気温が下がり常磐線で利根川を渡るさいに雪を被つた富士山が眺められた。上野駅のホームには音撮り君たち。同じ鉄ちゃんでも、この音撮りはよくわからない。なにせ自動音声なのだ。まだこれが肉声で独特の節回しだつたりブルトレ最盛期とかならわかるのだけれど。
上野。上野公園の銀杏も見事に黄金色。十二月になつて、やつと秋。何だか国立博物館の方にとんでもない多くの人の流れ。国博「はにわ展」の事前購入の入場券を持つてゐるのだけれど日時指定なしなので会期末も近い日曜日で今日は混雑確保だつたが入場券持参でも会場どころか敷地内にも入れず門外に長蛇の列が芸大の方に伸びてゐる。午前中の参観諦めて本郷に向け歩きだすと国博の行列は東京芸大との角まででやつと折り返してゐた。谷中を千駄木に向けてゆっくりと散歩。本駒込で低層の個性的な集合住宅があつた。メゾンド楼蘭。設計はChristopher Alexandarで1988年の竣工ださう。
やはり谷中から千駄木あたりは歩いてゐて、ほんとこんな下町にのんびりと暮らしたいな、と思はされる。千代田線があればだいたいどこにでも出やすいし。日常生活では自転車がほしいけれど坂や谷も多いので電動ぢゃないと大変だ。「本郷も兼安までは江戸のうち」といはれたが千駄木あたりで少し郊外感が出て駒込に入ると住宅地の敷地の広さが当時にしては新興住宅地でこれだけの土地単位での分譲ができたのだらう、と思はされる。
上野から駒込の東洋文庫まで歩いたけれど気候もよく絶好の散歩日和。
知の大冒険 - 東洋文庫 名品の煌めき- | 東洋文庫ミュージアム
いぜんから一度訪れてみたいと思つてゐた東洋文庫は開設百周年で、この特別展が終はると一年近い改修工事に入るさう。
岩崎久彌(1865〜1955)が当時のマックス=ミューラー蔵書、モリソン文庫など購入し戦争での焼失も回避して東洋文庫として後世に遺した功績。富豪に公共性と見識があつた時代。
折角このあたりまで来たので巣鴨ももうすぐそこ。巣鴨のときわ食堂でお昼ごはん。何年か前から働いてゐるミャンマー出身の青年が下っ端だつたのが今はもう行列客の人数を確認しながら混雑するフロアで見事に仕切りをしてゐるのがまことに頼もしい。家人母の墓参。染井霊園も宮武外骨とか著名人の墓少なからず一度ゆっくりと探索してみたい。巣鴨から都バス(浅草寿町行き)に乗つて一瞬の熟睡で西日暮里駅まで。
西日暮里から諏訪台通りを歩いて日暮里駅。この駅に今どき伝言板があつた。ビルマ文字だとかインドネシア語、タイ語だとか。
午後3時すぎに国立博物館に戻る。さすがに正門外に行列はない。表慶館ではハローキティ展とは。平成館に行くと館外で長蛇の列。1時間待ちといはれるが実際には40分ほどで入館。午後5時閉館だが入館者は急かすことなくきちんと見る時間がとれるさう。
この「はにわ展」は大当たりで2ヶ月で20万人が参観なんだとか。入場料収入で4億円。
東京国立博物館(日本の考古・特別展) 挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」
「挂甲の武人」の国宝指定から50周年記念なのださうだが「挂甲の武人」5体が初めて一堂に集結。
今回の展示は(最近さういふノリは珍しくないけれど)説明などがどこか遊びがあつてキッチュだつたり可愛らしかつたり。あまり専門的な説明より面白可笑しさの方が良いらしい。
入場前売券が日時指定ない上に、まぁみなさん撮影禁止ないからスマホでよく画像撮影をするわ、するわ。埴輪を見に来たといふより埴輪の大撮影会の如し。
可愛らしい表情の人物や動物の埴輪が多いなか和歌山の両面人物埴輪(大日山35号墳出土品)はちと怖い。相撲とりの埴輪は誰が見ても正代関だらう、これは。
もうすっかり暗くなつて上野公園から上野駅跨ぐ大桟橋(パンダ橋)を渡れば東上野のコリアンタウンまで歩いて10分ほど。海雲台でサムギョプサルを頬張りメニューにはないけどオムニに「冷麺ある?」と尋ねて冷麺を供してもらつた。焼酎は昔の眞露が本当に恋しい。