富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

dîner à bord CX première classe

fookpaktsuen2012-10-07

農暦八月廿二日。朝五時半気象。薄曇り。朝のうちに日記整理。十時に退房して荷物預けBig Cまでホテルから裏道抜けて、このショートカットあるのをすつかり忘れてゐてここ数日ずつと自動車の排ガス厭ひ乍ら大通り歩いてゐた!でBig Cのフードコートで早めのお昼はホテルが格安値段で朝食抜きだつたからでBig Cのフードコートは専用カード支払ひで効率的。今回の旅行で最後のタイ料理。デザートにハロ/\。Z嬢はまだこのあたりで日用品お買ひ物のため別れ独り市中ブラ/\。サソーンの方まで。夕方ホテルでZ嬢と待ち合せ着替えてタクシーで空港へ。CXのラウンジ。凱旋門賞でオルフェーブルの応援馬券。二人の子連れの米国人夫婦が子ども遊ばすのはいゝが賑やかな上に子どもの菓子のクズやゴミなどまぁまき散らしぶりに呆れるばかりは確かAAとの共同運行のCX702便。搭乗の際に確かにファイナルコールではあつたが、まだ皆んな並んで搭乗券の検札してゐるのに、やけに焦つたフィンランド人のオバサンが(フィンエアとも共同運行)搭乗間に合はぬ、と勘違ひでパニックとなり検札のゲートで係員の静止振り切り、仕切りのポールまで倒して旅券など落したのに気づきもせず爆走。周囲は唖然。このフィライトはA1の席がとれず(笑)3Aだつたが三鞭酒はAmour de Deutz Blanc de Blancs 2003で始まり香港までの二時間余のフライトでZ嬢とゆつくり晩餐。かうして二人向かひあはせで食してゐると機内といふことすら忘れるほど。ワインはバーガンディのVincent Girardin Puligny-Montrachet Vieilles Vignes 2008(フランス語って、これをヴァンサンジラダンプリーニュモンシェヴィーユヴィーニとカタカナ書きすると暗号だ)とマルゴーのCh. Giscour's 2008をかなりいたゞく。あつといふ間に香港。寝る暇もなし。タクシーで帰宅して旅荷解き片付けると午前一時半。あ、凱旋門賞!と結果を見て「あーっ!」と叫ぶ。
凱旋門賞のオルフェーブルは大外の18枠からでスミヨン騎手の位置取りも見事、最終コーナー回り勢ひよく迫り、あつといふ間にハナ。1.5ハロンくらゐで後続をば三馬身ほど引き離して「勝ったか!」と思つたが最後、穴馬の仏馬ソレミア(ペリエ騎手)に差される。父のステイゴールドは2001年の香港ヴァースで先頭行くエクラールを「羽がはえたやうな走りで」(武豊騎手の弁)差す側だつたのだよな、と思ひ出す。それにしても直線での内傾もあそこまでしなくても、といふ感じで最後のゴール前の数秒は差されたといふより差さしてあげた、といふほど前に進んでゐない、といふか。さすがに凱旋門賞はさう簡単には日本馬に勝たせてくれぬ。スミヨン騎手も31歳。アタシらが凱旋門賞見た年はまだ弱冠22歳でDalakhaniで初の凱旋門賞、馬場に虹がかかつた。
▼口の悪い蘋果日報でも「梁愛詩壊脳、狂罵法官」と香港特区政府で初代の司法トップだつた梁愛詩をば「壊脳」とまで罵るは梁愛詩が土共団体・工聯會のセミナーで「香港返還以来の法律の挑戦」と題して語るなかで香港の裁判官や弁護士など司法界は「中央と特区の関係について認識に欠ける」として1999年に香港最終裁が香港市民の内地生まれの子に香港居住権があるとした判決につき「もし裁判官が中央と特区の関係がどのようなものであるか、をわかつてゐればこの判決のやうな錯誤にはならない」とまで言ひ切り「最近の裁判と判決を見てゐると個人の権利ばかり優先され、個人の権利と公共の権利のバランスに欠け、市民が司法覆核(Judicial review in English law=司法審査=裁判所が立法府及び行政府の行為の合憲性を審査する権限)の手段で政府の行政に干与しすぎて裁判所がそれを扶けてゐるやうにすら見える」とまで。また香港の裁判が英国統治時代に最終裁で決着がつかなかつた場合は倫敦の女王を頂く国会に審議仰いでゐたのに、それを返還後は国家主席全人代にすることには反対し、まるで香港の独立を目指しているやうにすら見える、とまで揶揄。まぁよくもこゝまで……と思ひつゝ梁愛詩を支持する気はアタシは毛頭ないが言つてゐることは事実としては対中央の関係としては正確。但しこれぢゃ司法の独立なんてないでせう、常に党中央政府の顔色見ながら判決とは……。このへんが梁愛詩刀自が司法家としては見識疑はれるところで、この婆さんは司法官ではなく、あくまで一党独裁政府の党中央の司法担当トップがお似合ひ、といふこと。