富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

三月卅一日(火)昼に用事あり数碼港に参る。董建華時代に香港経済発展にと建設のサイバーポートは施設的には立派だが悲しいほど閑散で昼だと言ふのに人もまばら。巨額資金の浪費。こゝまで閑静な環境は香港では貴重でIT系のクリエーターには恰好か(嗤)。…

三月三十日(月)先週の信報の連載で劉健威兄が映画「おくりびと」評す。日本らしい死への観念、その様式美といつたものを評価しつゝ、何かと映画の風景に自然を取り込むのは良いとして、物語の筋で納棺屋の事務員が子どもを捨てゝ逃げてきた、とか銭湯の常…

三月廿九日(日)昼過ぎから太古城シティプラザの映画館でシンガポールのLei Yuan Bin監督“White Days”観る。登場人物は三人。エルサレム訪れること夢見る青年、その妹?と映画制作がしたいのか市街を8mmで撮影する無職の青年、は蔡明亮に憧れ台北に旅行し…

三月廿八日(土)昨晩、高原英里『無垢の力』の足穂に関する章(第四章、断念の力)読んでゐたのだが田中長徳日記読むとチヨートク先生もプラハから戻る露西亜機のなか足穂の一千一秒物語を読まれてゐたことが書かれてゐる。足穂を徹底的に読みたいが全集も…

陰暦三月初一。日値歳破。早朝にJ-Waveのジョン=カビラ氏の番組に電話出演で数分間「香港の引越し」について喋る。いつもならBoseのSound WaveでRTHKのChannel-4の古典音楽がfade-inしてくるので心地よく目覚めるが、それが修理中でラジオ局からの電話に慌…

三月廿六日(木)もう十年以上目覚ましと寝しなの名曲に、と愛用のBose社のWave RadioがCDのデータ読みとらぬ不調あり新蒲崗のBose社客戸服務中心にようやく持参。さすがBose社やなぁ、と感心はこの服務中心の洗練された内装と、故障修理の待ち客のソファは…

三月廿五日(水)夜中の三時に電話が鳴り、かういふのは不安。對手は無言で衣擦れの音ばかり。源氏ぢやあるまいし。何事か、と思ひ、一旦切つて掛け直すと知己の某氏。「あ、すみません」と何事かと思へば明朝、といふか六時間後だかのフライトで日本にご帰…

三月廿四日(火)多湿でも多少涼しげな朝。空は俄に黯澹となり雷光一鳴で降り荒む。昼前に霧雨となる。某所のモニタで一つに世界棒球経典の決勝戦、日韓の天王山が中継されてゐるが香港では誰が目を留めやうか。立ち止まり眺めてゐたのはアタシだけ。イチロ…

三月廿三日(月)昼餉を鰂魚涌裕民街の金峰靚靚粥麺の及第粥、夕餉を晩遅く灣仔の再興焼臘飯店の叉焼飯。これだけで香港で生きてゐて至福。ジムのトレッドミルで45分走る。ゆつくりなぶん勾配を2%だけつけて。世界棒球経典の準決勝日米戦か、ジムで走りなが…

三月廿二日(日)空濛多湿。おクスリのおかげで熟睡安眠で午前七時半目覚む。本日陋宅裏山にて第33回Mount Butler Raceあり。10回=10年くらゐ連続出場(だらう)で是非とも出たゐがこの半年近い運動不足、もうだいぶ良くなつたが腰痛再発も怖く、何より最近…

三月廿一日(土)未明に蕁麻疹の痒みに目覚めまんじりともせぬまゝ夜明け。朝刊読んでゐて、ふと残したヒドロキシヾンなる誘眠薬呑めば良かつたと後悔。春雨空濛。右手、肩、背に酷い蕁麻疹は「医者に行かう」と思ひ、納豆と焼海苔に味噌汁の朝食が薬膳効果…

農暦二月廿四。春分。IFCの映画館でAri Folman監督の“Waltz with Bashir”見る。1982年の以色列によるレバノン侵攻作戦から話はパレスチナ難民キャンプ、サブラ=シャティーラの虐殺へと結びついていく。ドキュメンタリーをアニメーションにして生々しくない…

三月十九日(木)昨日の好天とはうつて変はつて春雨空濛。部屋で昨日タイパの葡萄牙ベーカリーで購つたパンケーキと珈琲で朝食。小雨歇む。ホテルからマカオカントリー倶楽部のゴルフ場抜けコロアネの島を九澳村まで歩く。島の東南端の集落は路線バスが朝か…

三月十八日(水)Z嬢と西環街市傍の海安珈琲で朝食。客を叱るやうに註文とる女将、客は常連ばかりで入つてくるなり女将は客毎に註文もとりもせず「熱奶琲」「熱檸茶」と厨房に怒鳴る。鳥渡手が空いた、と思つたら「台湾?」と聞くから、黙つて首肯けば良い…

三月十七日(火)鳥渡大きな一仕事終へ草臥れて晩ふら/\で帰宅。なんか疲れがどつと出た感あり。世の中は年度末であるし気分を換へようと思ふ。晩にかなり久々に自宅で夕餉。カレーライス。ジャックダニエルのソーダ割り。グリーンサラダ。NHKのNW九は相変…

三月十六日(月)二日も酒をたつたらラリつたやうに溌剌なる躁気分。あゝ嫌だ。これはアタシのニンぢやない。夕方通りかゝりのいつもの星巴珈琲でふと確かめるとレジ前には見た目、大中小のカップが並ぶが小さいのがtallで、ふと見上げるとお品書きにもshort…

三月十五日(日)昨晩はとても気持ちよく眠れ今朝六時過ぎに目覚む。起きてもけして睡眠不足や深酒の結果の眠さとは違ふ、なんともmellowな気分。昨晩服用の薬はヒドロキシヾンといふ蕁麻疹や皮膚の痒み抑制の薬だが不安・緊張感の緩和の睡眠効果ありの由。…

三月十四日(土)久々に晴れる。昨日の気温摂氏廿五度が本日朝は摂氏十三度まで下がる。ほんとなら裏山でも海まで走りたいところだがさうもいかず。朝イチで近隣のC医師の診療所訪れ今朝はそれでもだいぶ治まつた蕁麻疹見せる。過労だとかストレスもあるの…

三月十三日(金)かなり忙しいが昼に中環。マンダリンオリエンタルホテルのロビーで来港中のST君と待ち合はせ。二人で鏞記酒家に昼を食す。隣卓に唯靈氏いらつしやりご挨拶。上環。茶葉購ふST君尭陽茶行に案内す。食材街を漫ろ歩き料理こよなく愛すST君ゆゑ…

三月十二日(木)多雲高湿。様々なこと片づかぬ壗に夕方ご執務強制終了で九龍に渡りペニンスラホテルのバー。友遠方より来る、は紐育在住のジャズミュージシャンのST君。と実に廿数年ぶりの再会。中学の同級で親友。高校出てボストンのバークリーに学び、そ…

三月十一日(水)毎日どんよりと惨憺たる思い、重い雲のせいで僕は憂鬱だ。なんだか気になりだすと背中や肩、脇腹がむず痒くなって、蕁麻疹が僕の身体を這っていくような感じがする。そういえばジンってもともと医薬だったよね、と少しでも蕁麻疹よ、治まっ…

三月十日(火)四月中旬のポリーニさんの香港でのピアノ独奏会、本日入場券発売開始。ネットで買へば良いのに朝ちやんとTom Lee楽器店に並ぶZ嬢も奇特だが並ぶ列のから「ポリーニつて有名なピアニストが来るんだけど行かない?」とポリーニが誰で演目が何か…

三月九日(月)同雲惨澹。晩遅くまで頗る多忙。昨晩に続きブルックナーの9番をカラヤン&維納で聴く。今晩は第三楽章まで二度繰り返して。なるほど「近代」を感ずる。神ともはや対峙して語らうといふ立場。ラズベリーのリキュールをウオトカで割り二杯で眠…

三月八日(日)先考命日。郷家の母より昨夕、菩提寺に掃墓ののち寺に近き偕楽園に夜梅愛でた由メールあり。観梅の機に合はせ花火も千波湖に美し、と。本日Z嬢催事あり昼過ぎまで日頃の感謝込めお手伝ひ。ご一緒のお二方とZ嬢と昼遅くFCCに昼餉。一杯の葡萄…

三月七日(土)同雲惨澹。また冬に戻つたかのやうな寒空。ジェケットの上に薄手のコート羽織り外出。昨夕てつきり木曜と思つて今週はアト一日、明日があると思つてゐた大きな勘違ひ。さまざまなこと終はつてをらぬことにぞつとして今日も午後までご執務続く…

三月六日(金)気温摂氏十五度に下がり寒空に時折甚雨。やうやく今日になり今月下旬からの香港映画祭の切符ネットにて購入済ます。今年は昨年より更に少なく十七本のみ。かつて通し券購ひ四、五十本見た数年前迄が懐かしいかぎり。時間も惜しいが何せ「見た…

陰暦二月初九。啓蟄。この啓蟄、天気不穏春雷初響、で地中に冬眠る昆蟲や獣がその雷雨に驚き目覚め地上へと現れ農民は蛇蟲鼠蟻の鑽出で農作物蝕まれるを怖れ白虎を祀り蟲獣鎮圧を願ふ風習あり。これが華南では奇習「打小人」の謂れといふ。香港は灣仔鵝頸橋…

三月四日(水)春雨空濛。晩に銅鑼湾。お世話になつたK氏、N氏の送別会でA氏と四人。久々に「湖舟」はやはり美味。何かと話題の薩摩宝山一升さらつと飲み干し歓談款語尽きず「まだ九時過ぎだから」とK氏の壽臣山の邸宅に誘はれる。Z嬢もK氏から電話で…

三月三日(火)口唇のまわりに朝、ことにシャワーののち硬さのある腫れが屡々あり。膏薬か白花油など塗り暫くすれば失せるが何とも不愉快な、歯科治療での麻酔のやう。知己の還暦小姐にふと病状見せると「アタシも更年期の時それがよくが出てねぇ」といはれ…

三月二日(月)昨日は香港に戻る空旅こそ草臥れた骨身には堪へるか、と観念したが寝続けたのが幸ひしたかだいぶ回復。帰宅して旅荷を解き片付け済ます。今朝もどうにか予定通りの日をこなす気力あり。香港で普段の月曜が始まつただけ、でふと週末の再会の畏…