富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

2002-09-01から1ヶ月間の記事一覧

九月三十日(月)曇。朝、内田百●の『東京日記』の残り数編、『サラサーテの盤』を読む。この作品は文庫にするにあっても旧仮名のままにしておくべき。それでなくても今イチ余には良さのさっぱりわからぬこの短編俗用なる新仮名にては読むに能わざるものとな…

九月二十九日(日)ランニングクラブ有志にて油塘の地下鉄站よりWilson Trailに入り砲台山、五桂山を越えて将軍澳へと走る寶琳路を渡り深朗の窪地抜け清水湾道渡り井欄樹の村の先にてWilson Trailから小径に分入り飛鵝山方面へと向い西貢見渡す絶景に祀られ…

九月二十八日(土)薄曇。昨晩このサイトのカウンタが20,000を突破。特定の趣味嗜好を紹介するものでもない個人サイトであり地味に日剩と過去の綴り文のみが内容かと思えば日に数十人に拝読給わることは幸いなり。ふとしたことで毎朝のように海沿いの公園を…

九月二十七日(金)久々の晴れ間。かつての香港ヒルトンといへば粤菜Eagle's Nest、日本料理の源氏と上質のパスタなど供す花園道に面した名前失念せしダインなどありしこと懐かしきヒルトンホテルの跡地に建造されもう数年たちたる李嘉誠の長江集団中心初め…

九月二十六日(木)小雨。薄暮ジム。Z嬢Citysuperにてオリエンタルマースカリーを仕入れ賞味す。昔の、あの好く言えば懐かしく悪く言えば安っぽい味のカレーにてオリエンタル社は「 終戦直後から作り始めいまも粉末タイプにこだわる」と宣う。あまりの味の…

九月二十五日(水)雨。快活谷の競馬、全八場にて複勝一つ当てただけ。酸敗。どうしてここまで当らぬのかと不思議。食事制限にて競馬始る前に馬場にて魚蛋湯粉食すのみではさすがに足りず二レース残して退散する道すがら元「緑」寿司の暖簾潜るが(実際には…

九月二十四日(火)曇。黄昏てジム。そろそろ走る季節となり春より不摂生を続けた身体を建て直すべく食生活より改善するがSupersandwichにてツナのサンドイッチ、それもマヨネーズも塩も不要などと注文し、野菜ジュース飲み白麺麭を喉に流す様はさながら山羊…

九月二十三日(月)曇。九月二十三日(月)曇。灣仔春園街楊春雷にて凉茶。夕刻ジム。丸山圭三郎『言葉狂気エロス』読む。吉野俊彦の好著『断腸亭の経済学』、すでに荷風日記読み終わりし昭和10年頃までに関する同著三分の一ほど読む。

九月二十二日(日)未明まで雷雨霹靂とし久しぶりの長距離走行にて体力消耗しまんじりともせず朝。薄曇。いたって平凡なる日曜。晝にかけてジム。終わってZ嬢と灣仔の永華麺家にて撈麺と豚足。修頓蹴球場にて香港基本法23条に基づく公安新法制定反対を求め…

九月二十一日(土)曇空。晝まで自宅にて曝書など雑用。少し走ろうかと外出すれば好天となりMt Parker Rd上り大譚のダムへと下り淺水湾の峠まで走る。海岸に降りようかとも思いつつ淺水湾の峠までの引水路は同じ標高にてさらに黄泥涌まで平坦に続きそれを走…

九月二十日(金)薄曇。稚内のI先生より67年発行の『香港台北いい店うまい店』(文藝春秋)のカバー写真、奥付などファイル受領。数日前日剩に綴りし女男爵なる異称につき蛙鳴さんより「Baronessは日本では男爵夫人と故意に誤訳されることが通例であるよう…

九月十九日(木)快晴。青空に折からの商風にて大気澄み渡り遠き山々まで眺望佳。黄昏にA氏と銅鑼湾Excelsior Hotelの頂上階のバーTott'sにて一飲。A氏肴所望すれば印度料理ばかりにて注文せし羊肉薫製をのせたナン期待せずのはずが絶品にてこのバーのイン…

九月十八日(水)新聞は小泉君訪朝一色ながら寝惚たまま新聞眺め目覚めたるは北朝鮮記事よりも新潮社から橋本治『「三島由紀夫」とはなにものだったのか」の発刊。かつて『広告批評』で淀川長治先生と歌右衛門丈といふ強烈な異色……いや厳密な意味では同色対…

九月十七日(火)雨。天后の上海弄堂菜肉昆屯。40年にわたり上海の家庭料理を供するといふ胡太の上海の雲呑と菜飯。黄昏にジムにて小泉君訪朝(北朝鮮詣で朝が訪れる、か……)のニュース眺める。この人大事な場面となると表情強張るが強張りすぎ。下手な役者…

九月十六日(月)雨。夕方より甚雨。藤沢のI氏来港にて有志にて蘭桂坊の独逸麦酒屋にて集い大雨のなか裏の某越南風飯屋。終わってI氏投宿の金鐘Shangri-la Hotelに寄りI氏に土産と葡萄酒頂きさらにロビーのバーにてGlenlivet12年一飲し款語。エレベータに…

九月十五日(日)飛鵝山に上る筈が昨晩からの大雨にて未明には雷鳴轟き幾度かまんじりとするばかりにて朝を迎えれば黄警報に落雷土砂崩れの警報まで出て山歩き断念。晝にかけてジム。Z嬢と待ちあわせPeninsula Hotelに注文の月餅を受取りに赴けば館内熱海の…

九月十四日(土)雨。晝前にジム。午後久々に中環に。Joyce&Diana Retaurantにて牛串購い横丁のセブンイレブンにて麦酒かと思えば牛串の屋台での販売は日曜のみにて卑利街の陳成記にて上湯伊麺。いつ食べても最高の伊麺はわずかHK$9。日清食品が即席拉麺を作…

九月十三日(金)雨模様。ヨシモト『共同幻想論』読了す。巻末の中上健次による解題二三度読み直す。<性>が現実の行為から幻想の領域に昇華し対幻想として疏外された時に共同性を得てそれが更にタブーを露出させてそのタブーを強固なものにさせて共同幻想…

九月十二日(木)雨。定期来港のY氏と夜遅く十年ぶりかで尖沙咀の某日本料理屋。古くからある店にてかつては盛況だったがかなり広い店に夜10時で客は我らのみ。不況のうえに日本料理屋の乱立の深刻さ痛感す。某酒場にて深飲。 ▼築地H君よりの知らせ。9.11…

九月十一日(木)熱帯性低気圧接近し今年初めて三号警報発令。朝ラジオつければ九一一、テレビも新聞も九一一の追悼にて小泉君安保に基づき宗主国の追悼会参加が為訪米当然乍ら香港にても市大會堂にて追悼あり行政長官参列。香港にあらば国恥たる天安門事件…

九月十日(火)晴。九月十一日の週に入り昨日より悪夢續く。悪夢とは恐怖のテロリストによる攻撃には非ず彼の国の挙国しての「正義と勇気」の大合唱なり。これから毎年この大合唱を聞かされるかと思うと言葉もなし。この日を毎年祀るならば正義と勇気ばかり…

九月九日(月)晴。電話で問合せHK Book Storeに "China Races" by Austin Coates (Oxford Univ. Press)在庫有るを知り肆に赴き購ふ。中国での競馬にまつわる歴史、つまり植民地主義と西欧の仕組みの移入に他ならないのだが、その歴史。晩にジム。ふと吉本…

九月八日(日)快晴。天空はすっきりとした青空なれど地上へと目を転じればわが書斎から飛鵝山、大老山を経て筆架山までが実像で見える限界にて馬鞍山や大帽山など辛うじて認識できるが大気汚染に霞む。Z嬢と西湾河より渡し舟にて三家村。三家村より船で東…

九月七日(土)快晴。ここ数日の光化学スモッグに覆われたが如き薄曇りから一転し爽快な青空。海岸にて新聞読み『民族という名の宗教』読了。なだいなだ氏は国家の成立により誕生した民族というフィクション、これに基づく戦争や地域紛争などを解決する手段…

九月六日(金)薄曇。World Series Racing第七戦、明日のThe Food Island Champion Stakesは五月の新加坡国際に続きDettori騎乗のGranderaか、されどもう一頭選べといわれれればKinane騎乗のHawk Wingあたり来たら面白いか。一日の独逸Baden大賞はDettoriがM…

九月五日〔木)薄曇。黄昏てジム。二更に旧知のM氏と油麻地にて邂逅し佐敦はAustin Rdの九州市場なる日式料理。午後10時よりの格安値段功を奏してかかなり繁盛しているがビールなど飲む客は我らと一人の男のみ。それ以外の客は茶をガブ飲みしつつ脂ぎった生…

九月四日(水)晴。灣仔のQ麥にて坦々麺と清湯抄手食し散歩して快活谷での競馬開幕。荒れたわけでないが全七場全く擦りもせず。香港競馬の有名人譚先生の生立ちからの特集記事がSCMP紙に。馬場に行けば当然譚先生健在にてそれだけでいいのに譚先生にパドッ…

九月三日(火)曇。宵の口ジムにて外を見れば驟雨。日本の株価はバブル期以降の最安値を記録。バブル崩壊し10余年何も改善されぬばかりか企業の相次ぐ不祥事。暗澹たる日本はその陥る淵の底の深さを知らず。自虐史観の歴史の見直しだの国旗国歌だの指導要領…

九月二日(月)曇。冷房にやられたのか熱も出ないが昨晩は寝ていても脚の冷えで目が覚めるほどにて、子供の頃は裸足でも脚が火照るほどにて廊下や夏であるから掘り炬燵の底に敷いた板のひんりとした感じが心地よかったものだが、祖母が夏でも毛糸の靴下履き…

九月一日(日)晴。競馬今季開幕。開幕日は香港特区行政長官杯ながら董建華君は賢明にて観衆から罵声を浴びることを察してか数日中国へと休養旅行に出て不在。罵声を浴びる覚悟もなし。馬場の有名人「譚先生」にパドック横にて声かけらる(笑)。行政長官杯…