富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

だぼう


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大公報が叱るのは香港島南で香港仔(アバディーン)と狭い海峡を挟んだ対岸の鴨脷洲(Ap Lei Chau)のウォーターフロント開発について。鴨脷洲の沿岸にある旧市街に続く一帯は海浜公園として整備され鴨脷洲の外海沿ひはSouth Horizons(海怡半島)といふ集合住宅立ち並んでゐる。地下鉄も開通。それが海浜公園とSouth Horizonsに挟まれた一帯は古くは小型船舶の建造や修理などやつてゐたやうだがすつかり寂れて水際の崖に張り付くやうに苫屋が点在してゐる。正式な地権があるわけでもなく土地を占有した住民を立ち退きもさせず放置して既得権となつてゐることがおかしい、といふ記事。民主派弾圧の次は香港市役所の行政について苦言をかなりするやうになつた。市役所を甘やかししない、さすが中央政府である。蘋果日報が伝へるのは公立病院での医療事故云々。

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赤色の部分が開発未着工

父方の墓所が茨城の県北、旧金砂郷村の芦間にあり。祖父母と父の兄にあたる伯父が眠る。東京に出てゐた伯父は本人の希望で納骨はこの郷里となつたが先考は養子に出てをり墓所も水戸の寺で、もうその墓地に誰か納骨されることもない。春のお彼岸も過ぎてしまつたが自動車があれば楽で掃墓へと参る。

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水戸を出て棚倉街道(国道349)を北上、久慈川を渡り水郡線(太田線)河合駅を過ぎ藤田から旧金砂郷村の大里へ。銘柄「剛烈」の富永酒造がこゝにある。酒はキクマサのアタシが地元酒で飲んでいちばん美味いと思つたのが剛烈。辛口純米。何とも厳めしい銘柄だが江戸後期、この造酒屋の創業者の名前が剛一郎で、それに斉昭公(烈公)の烈の字を拝用されたのだといふ。六代目ご当主にご挨拶。


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この酒造の近くにある天台宗の光明山来迎院に参る。立派な仁王門で本殿ともに見事な木端葺きの屋根。本堂(阿弥陀堂)は享保3(1718)年に移築再建されたもので山門も宝暦10(1760)年の建造の由。かなりのお寺とお見受けしたが僧侶無住で本堂内もかなり埃をかぶつてゐる。

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常陸太田市は「静六の倅」の地元。どこにでも経産相の看板あり。本当にお父さまは立派な政治家であつた。軍人の平和主義。倅が父のその思想を拝受できてゐたら大したもの。

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大里の隣の集落が久米。北関東の穀倉地帯で集落の家々の門構へもかなり立派なのだが久米も随分と経済力のある村落であつた。その郊外に全日食チェーンの金砂郷店がある。とにかくパンや弁当、お惣菜の充実。金砂郷プレミアムあんぱんだとかヒット商品もあり営業は朝6時から夜10時で平日でもかなりの集客。午後になると売り切れになる商品も少なからず。


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こんな田舎でも総菜まで外食なのかと驚くが客は老々介護の夫婦も多く調理済み食品の購入となるのだらう。お彼岸で田舎のぼてっとしたつぶあんの「おはぎ」もまだあつて嬉しいかぎり。 

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久米の旧道を抜けたら集落のお寺の境内に見事な枝垂櫻。曹洞宗萬松山常光院といふお寺で昔は山門から大きな伽藍建築をもつてゐたのだといふ。1440年に佐竹氏14代の義人公が建立で16代・義舜公が大伽藍を再建して佐竹北家の菩提寺だつた古刹ださうな。これでも昨日の雨でいくらか花が散つてしまつたと住職が檀家の方と話してゐた。

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水戸方面に戻り那珂町東木の倉の蕎麦「だぼう」訪れる。蕎麦が文句なしに美味い上に旬の野菜の天ぷらから酒肴まできちんと充実してゐるのが嬉しい。いつもお酒をいたゞくが今日は自動車で左党の家人に酒を飲まないでもらつてまでして目の前でお酒をいたゞくのも忍びないので今日は素面でお蕎麦。タラの芽とフキノトウの天ぷら。お蕎麦は細打ちでいたゞいて替へ蕎麦で太いのを(画像)。二枚目のお蕎麦を茹でるタイミングをご亭主が忙しいなか厨房から出て来られてさっとご覧になる。感染対策もスマートに徹底しており頭の下がる思ひ。本当に立派な立派なご夫妻が営む蕎麦処なのだ。


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