中共全人代開幕。香港で民主派活動家が五十数名も逮捕起訴されたのは、この全人代への景気づけのやうなもの。全人代開幕早々に关于《中华人民共和国全国人民代表大会议事规则（修正草案）》的说明（ 王晨） が発表され香港の大胆な政治制度改革が今回の全人代の主要議題であることが示された。「有香港特色的新的民主選舉制度」と民主だとかよくも恥ずかしげもなく主張できるものだと思ふが社会主義とて資本主義経済導入で「中国の特色ある社会主義」であるし「民主」も「これが民主主義なのだー！」となつたら今更驚いても致し方ないのかもしれない。この香港の政治制度改革を誇らしげに報じる今日の大公報だが、その１面のトップにあるのは「铸牢中华民族共同体意识」といふ見出し。中華民族としての共同意識の発揚といふのだから当然そのターゲットは漢族以外の抑圧される、テロリスト視覚までされる「彼ら」で人民日報を見たら「习近平在参加内蒙古代表团审议时强调完整准确全面贯彻新发展理念」ださうで全人代初日といふ過密日程のなか习帝が内蒙古代表団に接見といふのだから、これがどれだけ綿密に練られた運動かといふこと。内蒙古なのも蒙古族が中共に反発するかもウイグルやチベットに比べると漢化が進み比較的「安定」してゐるから異民族抑圧の最初の講話には適してゐるのだらう。（中共）习主席曰く「中国語普及を」少数民族に徹底：朝日新聞（7日 ）
中国の習近平国家主席は５日、全国人民代表大会（全人代）の内モンゴル自治区代表団が開いた会議で「国家共通言語の普及を推し進めよ」と述べ固有の言語を持つ少数民族への標準中国語教育を徹底し中華民族としての意識を強化するよう求めた。習氏は「中華民族としての意識を掘り下げねばならない」と要求。「誤った思想や見方には旗幟鮮明に反対せよ」とも求めた。同自治区は昨年、モンゴル語による小中学校の一部授業を標準中国語に切り替え保護者らの抗議運動に発展した。習氏は会議で「国家が統一的に編集した教材の使用を全面的に進めよ」と自治区の方針を後押しした。
香港の政治体制是正が何のやうに着手されるのか具体的なところは発表されてゐないが反愛国的な輩は立候補できない上に区議会から行政長官まで愛国的な候補者しか当選できない制度改正が見込まれる。（中共全人代）香港「民主」も喪失へ 「愛国者」のみ政治参加：朝日新聞
（明報）修改总体思路是增加选举委员会职能,除提名和选出特首,日后更会赋权｢直接参与提名全部立法会议员候选人｣,立法会将重设｢较大比例｣的选委会议席｡据了解,立会增至90席后,选委议席不少于30个､或甚至40人;选委会增至五大界别､1500人后,特首参选人要取得5界别各至少15票提名､取得共188张提名票方可入闸(见图)｡王形容是形成｢有香港特色的新的民主选举制度｣｡
高原先生の指摘の通り現代中国の危機感。鄧小平路線で「成長が絶対条件」だつたのが低成長が見越され习近平といふ強権主義に縋る。高度経済成長に成功した日本でも、このミニマム感ですら低成長時代への対応にしくじつたのだからインフラ整備も社会の民度としてのシステム整備も時間が足りないまゝ経済強国となつてしまつた中国にとつて解決できないまゝの難題鬱積のまゝ低成長時代に何う対応するか。习近平の強権主義に「次」のカードがないだけにまことに状況は厳しい。
香港の民主派はこれまで中国において（政権を批判できる）唯一の「野党」だった。選挙制度が変わることは「反対意見を述べる野党が中国の土地からなくなること」も意味する。
倉田先生の指摘する香港について、まことにご指摘の通り。香港が自由を失ふといふことだけではなく中共にとつっての方便も通用しなくなる。
春のダイヤ改正は鉄ちゃんにとつて心踊るものだが今回はコロナ禍を受け終電の時間繰り上げがメインで他に何か楽しい話題もない。東北新幹線で東京〜大宮が現行・時速110km制限のところ時速130kmにといふが函館北斗までの時間が1分短縮ださうで全く興味もわかない。時刻表もネットでは駅の発着時刻表か１本の列車の乗車降車駅それ／＼の時間しか見えない頃は時刻表のダイヤに価値もあつたが今ではネットでもダイヤが読めるアプリもある。それでもやはり縁起物なのでお正月の〆縄のやうに春の時刻表は購入。
黄昏、東空に何発か花火上がり何事かと思へば夜梅祭開催の知らせ。家人と陋宅より歩いて第二公園に参る。
旧県庁から弘道館の方に提灯や電灯を置いて夜の梅を引き立てゝみせる。夜櫻はやはりインパクトあるが夜梅は果たして何うなものか。郷里の畏友Ｊ君曰く「夜の梅はヤヴァい」と。文字通り。暗闇で光に照らされゝばそれはそれで綺麗だが、やはり梅が似合ふのは朝の寒梅だらう。
弘道館の敷地内では何だか奇抜な電飾のショーを開催中。ディスコやクラブぢゃないんだから派手な音楽に赤紫や黄、緑の照明では景観破壊。何を考へてゐるのか。入場料は500円ださう。馬鹿／＼しいにも程がある。
無理矢理に再建した二の丸の大手門ではプロジェクトマッピングださうで何だか映像効果を映して楽しさう。どうせなら大手門の楼上にいばらき観光王国のデヴィ女王でもサプライズで登壇させるべきだった！
昨晩のNHK教育テレビ「にっぽんの芸能」で播磨屋の〈須磨浦〉を録画しておいて見せていたゞく。昨年、疫禍で松竹の劇場も休館続くなか播磨屋が自分に何ができるかと考案の一人舞台。一谷嫩軍記から須磨浦組討の段を元に播磨屋が仕立てたもので葵大夫さんの義太夫。播磨屋が自分を向いて物語るのに対峙するのだから葵太夫さんの精神の緊張といつたら想像を絶する。能舞台で義太夫あり鳴り物もありで黒子の馬まで登場して能舞台では奇抜すぎるやうだがこの芝居の崇高さが奇抜さを凌駕した感あり。
この番組で高橋英樹氏の司会も立派だが今回のゲストは畏友・村上湛君。湛君開口早々、播磨屋が「まだ三十代の時から舞台を見てきましたが」と。さう、今年75歳におなりの播磨屋はアタシたちが舞台を見始めたころはまだ三十代で当時は十七代目、高麗屋に紀尾井町、大松嶋そして大成駒、梅幸など大きな役者がずらりと並んでゐた時代で、そこからの大切なものを「まるで一身に」今日まで継承してきたのが二代目吉右衛門といふ役者。疫禍でさま／＼なものを失つてゐるなか、この〈須磨浦〉は疫禍がなければ現れなかつた播磨屋渾身の芝居であり、疫禍どれだけ疲弊してゐてもかうした見事な芝居を見ることでアタシたちは少しでも「ありがたみ」を感じ入ることになる。湛君といふ古典劇の評論者がかぎられた時間で余すことなく播磨屋のこの芝居の凄さを語つてくれたことは播磨屋の芝居もさることながら本当に聞いてゐて清々しくすら思ふほど。吉右衛門丈ご本人もきつと、この番組をご覧になるのだらうが湛君から、これからも素晴らしい創造の舞台を見せていつてもらひたいといはれては播磨屋もきつと「こりゃ大変だ」と苦笑しながら頭を掻かれてゐるのではないかしら。
