富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月十二日(木)雨。定期来港のY氏と夜遅く十年ぶりかで尖沙咀の某日本料理屋。古くからある店にてかつては盛況だったがかなり広い店に夜10時で客は我らのみ。不況のうえに日本料理屋の乱立の深刻さ痛感す。某酒場にて深飲。
▼築地H君よりの知らせ。9.11一周年にて三宅坂・社会文化会館を出発した「キャンドル・デモ」赤坂見附の交差点を左折し山王神社の鳥居前を過ぎて溜池方面に。本来なればアメリカ大使館前を通過すべきところを警察当局の「許可」がどうしても下りず大使館100メートルあまり手前で虎ノ門方面への左折をヨギなくされる。過去ベトナム戦争中でさえ「総評弁護団(懐かしい!)」の大奮闘をもってアメ大前のデモは「許可」されていたもの。湾岸戦争時においても勿論。明白な危険や支障がないデモが許可されるのは憲法上の権利だ、と。H君の言う通りマニラやバンコクの米大使館は警備こそ厳重であれ大使館前では抗議行動。フィリピン国、タイ国におけるほどの「表現の自由」はすでに日本にはナシ。昭和10年荷風散人その言論の不自由なる様を見て明治30年の頃の自由を彷彿するが今日の日本かなり怪しき現況なり。平和だ、自由だ、と漠然と感じるばかりで真摯なるConstitutionの建設なきまま半世紀を貪った結果ここにあり。