富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

九月八日(日)快晴。天空はすっきりとした青空なれど地上へと目を転じればわが書斎から飛鵝山、大老山を経て筆架山までが実像で見える限界にて馬鞍山や大帽山など辛うじて認識できるが大気汚染に霞む。Z嬢と西湾河より渡し舟にて三家村。三家村より船で東龍洲。三家村の波止場も曾ては漁港として榮えしが近年は近海の漁業振るわず鄙びた場末の工場街と鯉魚門の海鮮食肆の波止場でひっそりとしていたものの油塘に高層団地が並び地下鉄開業して三家村も「開発」の憂き目に遭ひまるで違った喧騒。この波止場の肆にて蒸し上がったばかりの排骨飯かなりの人気にて外賣にし船上にて食せばかなり美味。清水湾の岬郷村倶楽部と対峙するこの島には週末のみ船あり。古来水運の要所にて東龍堡の保護区に遺る明代の砲台跡見学し崖下に若者多く參りたるは岩攀にて壮健なる若者の岩攀するを眺め草原を歩き假日士多なる岩攀の若者ら集う茶屋にて一飲し午後の船にて三家村に戻り帰宅。西湾河の沿岸には「とってつけた」が如き洒落た食肆多し。早晩に週刊香港K氏、T嬢とZ嬢で尖沙咀四川料理の老舗錦江川飯店。日本からの旅行団なら理解できるが大陸から香港訪れ四川料理食す意図判らず。大陸といへば三家村の波止場にて大陸からの旅行客おり服装こそ今ではかなり見劣りせぬが靴を見れば「なにか違う」わけでZ嬢曰く殊に女性サンダル履きでも必ず丈の短いストッキングを履く、と。あれはファッション上はダサいがZ嬢漢方医に教えられるは日本の女性冷え性は腰から膝まで暖めるが最も大切なるは脚先にてストッキング一枚履くことで脚先の防寒となりそれ故に大陸では女性の冷え性など少なし、と。食後Regal HK Hotelのバーにて一飲。バスで島側に渡るが飲み足りずZ嬢とQuarry BayのEast Endにて再飲。