富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2009-03-02

三月二日(月)昨日は香港に戻る空旅こそ草臥れた骨身には堪へるか、と観念したが寝続けたのが幸ひしたかだいぶ回復。帰宅して旅荷を解き片付け済ます。今朝もどうにか予定通りの日をこなす気力あり。香港で普段の月曜が始まつただけ、でふと週末の再会の畏友との叙舊や母の味噌汁の味など思ひ出す。さういへば里家にて体調崩し食欲もなく母の煮られし蜆の味噌汁こそ味はふも折角炊かれた米飯もいただかぬまま辞したこと今更ながら未練。本日日系某大企業香港支店訪れ鳥渡した立替お願ひあつたので精算。社長室前。社員の皆さん黙々とお仕事中。
社長「あ、キャサリンはん、富柏村がいらつしやたさかひ立替への精算してあげて」
秘書「それ、社長ご自分で立替へされてますよ」
社長「あ、そや/\、はい富柏村はん、えーと450ドルや」
富柏村、財布から茶色=500ドル出してお渡し。
社長「おほきに。それぢや、はい50ドルお釣り」、でお別れのご挨拶して場を辞さうとせば
社長「富さん、これ1000バーツや」
と。社内爆笑。えつ……で見れば色はそつくりだが確かにプミポン国王の1000バーツ。なんで財布にバーツ?と思へば昨晩香港に戻り財布から日本円抜き出し旅券入れにしまつてた香港ドル札と入れ替へたつもりが1000バーツ札もあつたのに気づかず。それにしても見比べれば、こんなに似てたとは。タイが近隣だとか商売で頻繁ならまだしも、香港で「財布にバーツ」はどこか好事家の如し。怒濤の如く一日が終はる。昨日に続き休肝日、でも滋養強壮で養命酒は欠かせず。フランボワズ(木苺、ラズベリ?)のリキュールも猪口に一口啜る。
▼FT紙が1面トップで“HSBC to scale back consumer finance” と報じ何かと思へばHSBCが米国で買収の消費者金融会社ハウスホールド(現HSBC Finance)が大半の支店を閉鎖し人員リストラ。US$100億余の償却費計上。米国内での事業は法人部門とプライベートバンキング、クレッジットカード業務に集約の由。他の国際大手金融投資機関に比べれば火傷もまだ軽傷か、のHSBCは本日、決算発表。かつては上海と香港の英系地場銀行が今ではCItibankコケて実質的世界一規模の金融機関なり。

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