富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

三月四日(水)春雨空濛。晩に銅鑼湾。お世話になつたK氏、N氏の送別会でA氏と四人。久々に「湖舟」はやはり美味。何かと話題の薩摩宝山一升さらつと飲み干し歓談款語尽きず「まだ九時過ぎだから」とK氏の壽臣山の邸宅に誘はれる。Z嬢もK氏から電話で招飲に緊急出動。Crus BourgeoisのCh.Begadanetは03年飲みつゝ湛君からいたゞいた村上開新堂の焼菓子をZ嬢持参で齧る。美味。Rosso di Montalcinoの06年、で最後はロスヴァスコスに至つたがそろ/\足元も呂律も怪しいアタシ。半夜三更帰宅。
「中国で「愛国」映画ラッシュ」と読売新聞(衛星版)。建国60年紀念の「建国大業」だの有人宇宙飛行士の活躍ものなど目白押し、と。だが「梅蘭芳」や「葉問」もこの愛国映画の範疇に、は如何なものか。梅蘭芳の映画が歴史物で抗日期の「舞台に立たぬ」役者が強調され日本敗戦での祖国復光で物語が終はるが。それでいへば東京五輪から大阪万博、明治百年などと明治元勲が小説だ映画だと取り上げられ、の日本と何が違ふのかしら。
▼「自由行擴大 増30萬來客 深圳居民一年內無限次訪港」(蘋果日報)。北京中央が香港経済テコ入れで内地からの来港者増狙ひ深圳居民のうち已に渡航制限緩和されてゐる深圳に戸籍ある居民に加へ深圳居民でも非広東省籍の者も来港制限緩和措置。年間30万人の来港者増で12億元の消費を期待。ちとやゝこしゐ話だが内地からの来港澳制限のため香港、マカオは「国内」だが旅券とは別の港澳通行証を政府が発行してをり、この通行証を所持し来港の度に渡航許可を得て、が完全自由ではない「自由行」の現状。しかもこの渡航許可は戸籍のある原籍地でのみ取得可のため深圳広東省に居住してゝも原居民以外は「自由行」でさう易々とは来港能はず。だが深圳には深圳籍、深圳居住可の他省籍民に加へ、更に膨大な数の謂わば「もぐり」で深圳に居住する者あり。これらの方々が「自由行」にならぬが現実なり。

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