甲辰年九月十四日。気温摂氏16.5/26.4度。曇。
最近の白水社は随分と出版領域が広がつてゐる気がする。この『台湾鉄道』も「え?こんな本が」といふ感じ。台湾の鉄道の歴史や現状などを描いた絵本。1970年代からモータリゼーションの発達で必需性のかなり低迷した台湾鉄道。幹線を除くと多くの支線が廃線となり残つたのは平渓線、内湾線と集集線だけに。
その一方で、とこの本ではなぜ台湾で鉄道が再発見されたのか、を解く。
台湾社会では台湾独自の文化を尊重する「本土化」の機運が高まり、人々は地元地域に関心を抱き始めていました。当時廃線の危機にあった地方支線は、産業不況がもたらしたノスタルジーによって旅行者の人気を集めることになります。
まさに、これ。この「本土化」は台湾ばかりか香港でも民主化運動につながる「意識」として培われてゐたのだが日本にはこれがない。これはクルド人差別のやうな愛国主義とか右翼化とは異なる。丸山珠代的な「この国に生まれて良かった」とは全く違ふ。本当に「この国のかたち」を全民が共有できてこその真っ当な郷土愛(パトリオティズムがナショナリズムとどう違ふか、は司馬遼太郎と樋口陽一の対談などでも言及されてゐる)なのだらう。
茨城県近代美術館で水府出身の画家・中村彝展が来月から始まるのを前に実施されたクラウドファンディングは同館敷地内にある彝のアトリエ(復元)で周囲の樹木が森林化してしまつたのを昭和末のこの美術館の開館とアトリエ復元当時の開放的な環境に戻すための資金調達。これに協力したところアダストリア社が製作に協力した、なか/\センス良く生地のとてもしつかりしたTシャツが送られてきた。
通販で購入したMIYAGENのホイッスルも届く。3Dプリンタによる製作で仕上げは雑だが金属加工では無理なところまでの処理で、かなりの音量まで鳴る製品。山間のトレイルでもなければ街中でホイッスル持ち歩くこともないが(でも最近の強盗事件とかの多発を見るにつけホイッスルどころか武器携帯すら検討されるやうな殺伐とした時代になるのかしら)自家用車の中と災害時の持ち出しバッグの中に1本ずつくらゐは入れておいても良いだらう。
3Dで削り出した製品で、これぢたいのコストはかなり低いと思ふがパテント料のやうなもので1個が1,430円もする。
アタシの競馬予想はあまりアテにならないが、こんなところでは的中🎯するとは。
4年半も前にかなり確信的に「片山杜秀さんを水戸芸術館館長に - 富柏村日剩」と書いてゐたとは。それから片山杜秀の水戸芸術館とのかなりの蜜月を思へばこの決定に驚きもしないのだけれど。