富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

台湾一周の旅4日目 日月潭から台南へ

八月十日(火)朝五時起。上着なければ肌寒き朝。莫那魯道といふ魯山の集落囲む山上の道を高さ百五十米ほど上り五キロほど散策。此処が霧社事件日帝軍にタイヤル族の蜂起軍が追込まれ最期迎えた古戦場、其処がモーナルーダオの故居地(写真)。朝霧立ちこめる静寂なタイヤル族の居住地に彼ら命落す悲劇。宿に戻り朝湯。九時すぎのバスに乗り霧社を経て(写真はバスの古い路程板)埔里に戻る。十一時のバス(写真)で山道を三四十分走れば峠越えると目の前には紺碧の水美しき日月潭の湖が広がり暫し言葉失ふ。台湾有数の名景・日月潭、今回の旅では泊らず。理由は日月潭ならぜひThe Lalu Sun Moon Lakeに投宿したく但し日程短く僅か一泊で翌朝早く旅立つには勿体ないホテルにて此処は二、三泊すべき、と。バスは山から下り水里。日本統治時代に林業振興にて木材運搬に建設された集集線が此処に至り站舎は当時の建物を復興(写真)。站前の商店街を入れば小さな蒋家肉圓といふ店あり肉圓食せば創業六十余年の老舗にて独特の脂味の肉圓は秀逸。午後一時前の集集線に乗り一站先の集集。站舎は1921年の開通以来健在であったが99年9月21日の大地震にて崩壊し現在の站舎(写真)は01年に復元したもの。鉄路文物博物館あり見学。次の二時半すぎの列車まで駅前の珈琲屋にて読書。集集線は濁水渓の川に沿い楠の林の中を進み集集線起点の二水站。此処にて台南に向う西部幹線への乗換えは一時間後の而も指定席のとれぬ特急に立席覚悟のところ二水に着けば反対ホームには数分差で乗れぬ筈の高雄行きの準急復興号が停まっており数分のダイヤの乱れ幸いにこれに乗車。空席多く指定席ながら結局二時間余他の客に当らず午後五時すぎに台南站(写真)に到着。天下大酒店に投宿。客室はかなり広く内装もじつに丁寧な仕上りで機能的。部屋からインターネット接続も快適にて三日ぶりに接続。晩に赤嵌楼を見学。1653年に台湾南部占領せしオランダ軍がプロビデンシャ城をこの地に建て1862年に国姓爺・鄭成功オランダ軍駆逐しこの楼をば城跡に建てる(写真)。食府台南。台湾は全て小椀料理だからとまずは度小月にて担仔麺(写真)。続いて公園路の肉伯の店にて火鶏魯飯。孔子廟抜けて府前路の福記にて肉圓。莉莉水果店にて小豆と練乳のかき氷。満悦。市内には日本占領時代からの古い建物多く残り(写真)商店街も夜遅くまで開きなかなか興味深き店多し。官製の台北、名古屋な台中、貿易港の高雄に比べ台南は歴史ある商都にて文化度の高きこと実感。

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