癸卯年六月二十日。気温摂氏25.8/33.8度。晴。水府は5日ぶりに猛暑日にならず(熱帯夜ではあるが)。今日の広島は28.0/36.9度と酷暑。
首相も厳しい現実を強く認識している。広島ビジョンは理想を掲げると同時に、核兵器が「防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止する」と核抑止力の重要性を肯定した。今月18日に行う日米韓首脳会談では米国の「核の傘」を軸とする核の拡大抑止強化を確認する方向で調整している。米露英仏中といった核保有国が参加しない核兵器禁止条約とは距離を置き、核保有国も加わる核拡散防止条約(NPT)を重視する。 核兵器のない世界を追求しつつ、ロシアや北朝鮮の脅威に備え核抑止力を強化するというジレンマが生じているが、首相は式典後の記者会見で「この2つの責任は矛盾するものではない」と否定した。核軍縮に向け「NPTをはじめ核兵器国、非核兵器国が同じテーブルにまたついてもらう環境をつくっていくことも大事だ」と述べた。
昨夜の東海道線の事故(大船〜藤沢間、朝日新聞)で東海道線の熱海までの運休は今朝の8時まで続き運転再開で同線の運行は遅延生じてゐたが常磐線は上野東京ラインで多少の遅れ程度。アタシが乗つてゐた列車は10:04に東京駅着で定刻で走つてゐたが東京駅入線直前で停まつてしまふ。「東京駅でホームにある先行列車の発車を待ち」……で25分の待ちとなつた。国電も新幹線も動いてゐるなかで上野東京ラインだけが時間が止まつたかのやう。相互乗入れの面倒。今日のやうな日は予め慎重に。結果論だが上野で国電か地下鉄に乗換へてゐれば良かつた。神田淡路町で散髪。10時半に予約してゐて10分の遅れ。久々にかなりショートに。去年の夏前から髪を伸ばして「校則で禁止」と話題になつたツーブロックにしてゐたが何から周りを見るとみんなツーブロック&センターパートにしてゐて。大成駒のやうなクラシックな前衛に。これで白山眼鏡店のメガネをかけると百鬼園。神田志乃多寿司本店の助六を銀座について能楽堂で入場後に食べようかと思つてゐたが場内も混んでゐるし銀座若松で豆かんも食べたい。だから助六を営団の銀座駅で立喰ひしてしまふ。銀座駅の改札外で丸の内線から銀座線への地下連絡通路、日比谷線の上になるのだが通行人に背を向けて何かしらできるテーブルのあるスタンドがある。銀座若松。
供された豆かんの豆の量の貧弱さにあばらかべっそん。アトから思ふと「豆が少なくない?」と店員に確かめるべきだつた。画像(左)が今年5月。それが本日(右)。しかも値段(内税)は950円から1000円に値上げ。あとで画像で豆の数を数えたら約80粒。寒天や蜜を除外して豆の値段だけでみたら1000円だと豆1粒が12.5円である。高すぎないか。といふか諸物価高騰の折、高くても豆かんなのだから豆の量だけはふんだんにしてほしい。今日の豆の量は「何かのミス」であることを祈るばかり。やはり「豆が少なくない?」といふべきだつた。
本日の観世会定期能(8月)は御宗家の〈布留〉。復曲で謡曲集にも出ておらず。能楽堂で布留の謡本は前回のときに刷つたものの在庫が出てゐたやうだが一番本だか袖珍本も(アタシは今日から売出しの秋の別会のテケツを買つてゐる間に)早々に売り切れてゐた。半魚文庫でこのテキストをコピーしてきて良かつた。
世阿弥はまた、奈良・石上神社を舞台にした「布留」という曲を書きました。天空を駆けていろいろなところに現れ、世を正す宝剣が讃えられる能です。1423(応永30)年に四代将軍・足利義持が亡くなりました。国家が揺らぐ状況が生まれますが、そのとき、幕府に指示されて書いたのではないかと思われます。(観世清和)
これも所謂、神事能なのかしら。熱田の宝剣にまつわる話で話ぢたいはそれだけといへばそれだけだが御宗家が声も動きもまさに今シーズンの大谷君のように絶好調で力量にこちらはたじ/\。まさに国家が揺らぐ状況で家元のまさに祈祷のやう。囃子方は武市学(笛)、鼓は源次郎と広忠の大小に林雄一郎の太鼓。御宗家が本日のこの曲を披露するのに最高のフューチャリングである。御宗家とワキに常三(森常好)でこの囃子方でなければ、この布留なんて成立し得ないであらう舞台。これは拝見してほんとうにありがたいほど。続いて狂言は萬斎と高野和憲の何とも切ない〈川上〉で中入り。もうこれで帰つてしまひたいくらゐの充実。後半は蝋燭能で浅見重好〈鉄輪〉。杉信太朗君の笛は抑揚メリハリあり。初めての蝋燭能拝見となつたが商業ビルにある能楽堂内での蝋燭能は本当の蝋燭を用ゐず蝋燭風の照明。
外に出ると通り雨あつたやうで(4mm)路上にすこし水たまりもあつたが暑さは退くこともない(東京は本日34.8度)。銀座サンボアに寄ると客はアタシ一人。若いバーテンダーのO君相手に昔話。銀座サンボアが最初7丁目の方だつたかに開業して二度目だかにアタシが行つたらなくなつてゐて当時は今のやうにスマホですぐ情報チェックもない時代だつたから「やっぱり関西のこのサンボアのバー文化は東京ぢゃ受け入れられなかつたかねぇ」と勝手に「サンボア東京進出は失敗」と勘違ひしてゐたことなど(じつは現在の場所に移転してゐた)。数寄屋橋の阪急メンズ東京。フランチャコルタの出店で泡を飲んでからネクタイ売り場で何年ぶりかでボータイを一本求める。手結びのボータイはあまり売れないからか展示はされてゐないが在庫はいくらかあつて求めると見せてくれる。
『まねっこカメレオン』刊行記念 リト@葉っぱ切り絵展 ボールペンから始まった小さな冒険@丸善丸の内本店
こちらが日曜でも夜9時まで開いてゐて常磐線に乗る前に拝見する。何とも誰も真似できない作家の世界。葉っぱの切り絵だけではなく初期のイラストに秀作多く見惚れるばかり。