癸卯年六月廿一日。気温摂氏24.5/33.5度。晴。酷暑が続くが午後の空の雲はもう秋に向かつてゐるやう。
それでも陽射しは酷しく外に出れば大汗をかくほどで家人との散歩も午後5時を待ち、しかも陋宅を出て水戸の高台を那珂川の方に下り北側の崖に沿つて日陰を縫ふやうに歩くことになる。
アタシらが呼ぶところの通称「ミカ」が今日のいつもの場所で路上に寝てゐた。自動車は通らぬ、歩行者もたまにジョギングや散歩の人が通りかゝるだけで路上も安全だが、まるで安宅関で富樫のやう。野良猫だが本当に愛想が良く家人が撫でると気持ちよさげに戯れてくる。耳の形からして避妊もしてゐるやうで持参の餌を少しあげる。痩せ細つてもゐないから誰か餌をくれてゐるのだらう。水は八幡宮下の水戸藩でお城の茶の湯にも使はれたといふ名水の湧き水が飲めるから夏の酷暑には幸はひかしら。保和苑、桂岸寺、常磐共同墓地を抜け漫ろ歩き。
谷中で木蘭酒家に寄る。
門前町に灯がともる ― 木蘭酒家プレオープン! | LI WEB「茨城×中国」
通称「星醤(シンチャン)」と呼ばれる女性が切盛り。酒肴となる小菜がじつに美味しい。中国の白酒の普及にも力を入れるらしい。高アルコール度数の白酒(茅台酒とか)は日本人もちょっと退くが中国でも若い人の白酒離れは当然あるわけでアルコール度数が15度ほどで、強烈なあの白酒のにおひも抑へた果実風味で飲みやすい白酒も売られてゐるのださう。九月九日は「久=酒」(jiǔ)の語呂合はせで何か仕掛けるのだとか。これから中秋に月餅、餃子手作り、冬至には湯圓だとか季節/\の宴席も開くなどアイデアはいくつもある。かつては水府の廿三夜尊の門前で賑はつた門前だが今はひつそりとしてしまつて人通り少ないのが残念だが、この食肆が賑はふことを願ふばかり。
昨日、銀座の箸の夏野で貰つてきた『銀座百点』8月号に都心の超低山や富士信仰についての対談記事あり。以前、千駄ヶ谷のお能のあと村上湛君に誘なはれた鳩森神社の小富士は本当に富士山の溶岩を運んできて築いたものとは。都心の「独立峰」3つ──で虎ノ門の愛宕山、王子の飛鳥山はすぐにピンときたが、もう一つは浅草の待乳山(まつちやま、標高9.99m)とは。そしてあばらかべっそんなのは待乳山は飛鳥山同様にモノレールがあるとは!
さくらレール(東京都台東区)待乳山聖天の境内へ | ひとり旅箱
今度、浅草を訪れたら待乳山観音参拝といふ楽しみができた。