富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦二月初一

農暦二月初一。小雨。阿武隈の紅葉漬けで朝餉、幸せ。

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かつては阿武隈川を産卵のため川上りする鮭を獲り冬の間の貴重な保存食として麹漬けにしたといふが近年は(といつてもだいぶ前からだらうが)気候変動で阿武隈の鮭川上りも減り鮭の産地は別か。それでも核禍思へば別産地で、この美味なる麹漬けも「あり」かも。

アベノミクスがアホノミクス©浜矩子なのは明白な事実だがアベノミクスに効力あり、平成の長い好景気と吹聴に国民も「安倍さん以外に適任がゐない」とアホな消極的支持。さすがに厚労省の調査粉飾も問題になり景気判断も下げざるを得ずアホノミクスも限界に来てゐる。それでも

国内景気「緩やかに回復との認識に変わりない」と官房長官・菅某:日本経済新聞 https://t.co/B6maRPqdj8

なんて嘯くのだから。中共も今まで欺瞞とされた経済成長の陰りを認めてゐるといふのに。

樹先生のこれ、パリコミューンの失敗について。パリコミューンはマルクス曰くまさに「ついに発見された(非権力階級による理想的な)政治形態」であつたにもかかわらずではなく、そうであったがゆえに血なまぐさい弾圧を呼び寄せ、破壊し尽くされ、二度と「あんなこと」は試みない方がよいという歴史的教訓を残したというものです。パリ・コミューン以後の革命家たち(レーニンもその一人です)がこの歴史的事実から引き出したのは次のような教訓でした。
パリ・コミューンのような政治形態は不可能だ。やるならもっと違うやり方でやるしかない。
で、それがレーニンによりボリシェリズムに再構築されるのだから何たる因果。

レーニンは、生産手段の社会化が達成されるとともに、搾取階級は廃滅され、国家は死滅するという明確で断固たる原則から出発する。しかし、同じ文書の中で、彼は生産手段の社会化の後も、革命的フラクションによる自余の人民に対する独裁が、期限をあらかじめ区切られることなしに継続されることは正当化されるという結論に達している。コミューンの経験を繰り返し参照していながら、このパンフレットは、コミューンを生み出した連邦主義的、反権威主義的な思潮と絶対的に対立するのである。マルクスエンゲルスのコミュ―ンについての楽観的な記述にさえ反対する。理由は明らかである。レーニンはコミューンが失敗したことを忘れなかったのである。」(Albert Camus, L'homme révolté, in Essais, Gallimard, 1965, p.633)

アルベルト=カミュにかのやうな卓見あつたのか寡黙にして知らず。