■ - 富柏村日剩

fookpaktsuen2017-02-12

農暦正月十六日。晴。香港マラソン中継眺め周末の書類整理で官邸に向かふが高速道路、銅羅湾周辺の道路封鎖の影響で一般道の渋滞甚し。午後早めに官邸出て北角へ。街市漫歩。本物なのだと思ふがFamous Grouseの１ℓ瓶をHK$85で贖ひ帰宅。たまにはジョギングするつもりが気が萎えて読書。悪寒あり胃腸の調子も芳しからずGastroenteritisの気配。水炊き。岩波『世界』２月号読む。
▼冷戦後の世界とはどういふものか。『世界』２月号で寺島実郎氏曰く：対抗勢力失つた資本主義の弛緩、驕りと歪みが顕著になりイデオロギーの壁崩れたことで「国境を越へたヒト、モノ、カネの移動」が自由化され世界は大競争の時代に向かふと喧伝されたが最も効率的に国境越へ肥大化したのは情報ネットワークの技術革命に乗つたカネの移動、マネーゲームで、それが齎す災禍を国民国家の政治システムでは制御できなくなり苛立つポピュリズムの痙攣に世界が立ち尽くしてゐる感がある、と。御意。20世紀前半も同様にポピュリズム制御に失敗しファシズムを生んだが当時はファシズム打倒することで、その後に選擇すべき概念は明確だつたが今はそれもなく「解答なき熱狂」となる。