富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

食事制限から断食へ

fookpaktsuen2013-11-18

農暦十月十六日。晴。湾仔の公立病院で定期検診のあとの血液検査のための採血。朝九時からの採血開始だといふのに朝八時半すぎに着いたら、もう始まつてゐて、それでも32番目。採血に来るのは年寄り多く暇だし朝は早いので、しかも「朝食抜きで」だから朝早くから来て一刻も早く済ませ、これから飲茶か。今日は採血済んでも朝餉は白粥啜るだけ。明日の内視鏡検査のため今日は粥、そのあとは清湯(コンソメ)だけで胃から腸をできるだけきれいにするのが病院からの指示。昨日のトレイルランの疲れもあるし、こんな食事では力も出ず。カツ丼とかがっつり食べたい気分。早晩、養和病院に下榻。一流ホテルのクラブフロアのやうなソファに腰掛けてのチェックイン。セミプライベートといはれてゐて、昔は二人部屋でシャワー共同がセミプラだつたが、通されたのは31階の(こんな高さで火災など、だう対応するのかしら)個室で6畳間ほどの広さ。5部屋で2つのバスルーム共用なので、これをセミプラと呼ぶのかしら。今回は先週の一般外来での診断での医者からの提案で受ける直腸から大腸にかけての内視鏡検査なので保険適用だから一晩の贅沢。個室とか寝台車とか誰もに邪魔されない孤独な空間が好き。病室で寛いでゐると看護婦が2時間でこれを飲んで、と出されたのが経口の腸管洗浄剤。皆さんこれが気持ち悪い、吐き気がする、と不愉快がるがアタシは予想以上に平気。ふだんでもかなり水分とる方なので不味いが飲めなくもない。暫くして腹痛から便意となるが昨晩から、おぢや→白粥→スープの食生活では多少の排便のあとは出るものも出ず。部屋の冷房の温度設定が摂氏20度以下だつたのを弱風で25度、そして30度にしたが只管に部屋は寒く送風オフにしたが換気扇から逆に入る風も寒いほど。病院で寒くて風邪を引くのが香港。ふだんは夕食後する眠くなるのに空腹の所為か酒を飲んでゐないからか、やたら目と頭が冴えて困る。
特定秘密保護法案はとんでもない。かつての自民党ならあのレベルの国家機密法は出せなかつたはず。自民党の劣化は明らか。だがあんなレベルのものを出さなければならない状況に、だう対峙するか、も問題のはず。「大本営発表的な言動や、それを支持する人たちの大合唱によって国民を引きつけながら、都合のいい国家をつくろうとするなら、その先に待っているものは、ファシズムの予兆を帯びた不安定な時代の到来でしかない」といふ、このコメントは内田節氏のもの(都新聞)。中道から左の言論はおよそこの感じで晋三のこのクソ法案に反対して見せる。それも道理。だが、このクソ法案で本当にどこまで国家機密が守られるか、といふと、今の時代、どんな機密保護をしようとしても、このネット社会で絶対に流布される。秘密の入手も発表も容易。しかも実際にこのクソ法案で公務員や市民を逮捕だ、有罪だにしようものなら余計にどれだけ悪法か、が見えてしまふ。だから全く国防にとつて全く無駄な法案。さう思ふと、こんなバカ法案を出さずお利口さんの振りをしてくれてゐるより世論の半数以上が明らかに懐疑的なこの法案など出してみせてくれることはバカがバカだと公言してくれてゐる意味ではありがたい加茂。それにしても、なぜこんなクソ法案が必要なのか。自民党もそこまでバカなのか、が逆に不思議。香港の場合、第二十三条「香港特别行政区应自行立法禁止任何叛国、分裂国家、煽动叛乱、颠覆中央人民政府及窃取国家机密的行为,禁止外国的政治性组织或团体在香港特别行政区进行政治活动,禁止香港特别行政区的政治性组织或团体与外国的政治性组织或团体建立联系。」に基づき国家安全法制定したいところだが現時点では第一百零四条「香港特别行政区行政长官、主要官员、行政会议成员、立法会议员、各级法院法官和其他司法人员在就职时必须依法宣誓拥护中华人民共和国香港特别行政区基本法,效忠中华人民共和国香港特别行政区。」で公務員縛れるだけ。香港では国家安全法制定が北京中央から香港への重要課題となつたまゝなので、まだわかるところもあるが、日本でも腐っても鯛(だつたはず)の自民党に何かの力が、こんなバカ法案でもとにかく「縛れ」と命令する権力があるのかしら。それが米国なのか財界なのか何なのか。これについても最大の抑止力は天皇さまなの鴨。
▼歌舞伎役者の坂東三津之助逝去。享年五十一。九代目三津五郎に入門しアタシにとつては「坂東みの虫」が2001年に三津之助と改名の由。江戸っ子らしい立ち役の印象だが久が原T君によると妹背山御殿、文屋の官女、鏡山の腰元役もあり絶妙な味だつた、と。成田屋中村屋といつた大看板が鬼籍に入るのもつらいが、かうした名傍役も減つてゐる。