富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

内視鏡検査

fookpaktsuen2013-11-19

農暦十月十七日。曇。病院で客室不足とはいへ旧館の樓上に20階だか建て増しして!その31階の病室にゐると、地震はないが火事など安全なのか?と思ふ。安全なはずないだらう。それにしてもハッピーバレー競馬場の眺めは最高。今回の担当医、一般外来のY医師、昨晩の十時過ぎに往診に来られたが今朝も八時前に。夜勤だつたのかしら。医者も大変。今日は内視鏡検査済んでもY医師の診断は晩になる、といふので、それまで待てぬので来週に。それじゃね、と病室去つたY医師ふと踵を返し「日常の服薬記録見ましたけど血圧と血糖で、公立病院の薬はいゝけど処方薬局で購入してる薬、ウチから出そうか?」と。なんてありがたい配慮なのかしら。検査まで新聞読み三昧かと思つたがさすがに20時間でコンソメスープ一杯飲んだだけぢゃ体力無く新聞など読んでをれず。うと/\と微睡んでゐると、この病院の事務方に勤めてゐるK君見舞ひに来てくれて香港で有数の高収益病院のビジネスの話聞く。検査担当するS医師も病室へ。朝十時半に検査用の寝間着に着替え内視鏡センターに行く。胃カメラのお客様は日帰り。検査室で横になり尻だけ出した姿勢で暫く寝台に寝てまつてゐるとS医師現れ手に麻酔されたあと一時間ほど記憶一切なし。かなり熟睡のうちに全て終わり気がついたらお昼すぎで検査終わって目ざめぬ患者の中の一人で寝かされてゐた。病室に戻り昨日一つ宛てがわれてゐたコッペパンポカリスエットで流し込み白粥一杯食す。看護婦が尿や血液検査のデータと内視鏡検査の写真と記念DVD渡される。お会計済ませ退房。午後は官邸にてご執務。早晩にFCCのバーで独酌。フィリピン復興記念でフィリピン産サンミゲル小瓶。シャバに戻つての一杯は格別。京都B氏、Z嬢と秋恒例でFCCの中華部で大閘蟹づくし。検査明けでさすがに疲労感ありは当然か。といふか普通は一日空けるだろ。
▼2020年の東京五輪の新国立競技場の建設設計に関して審査委員のうち2名の建築家が欠席のまゝあの過剰施設案決定の由。その建築家がリチャード=ロジャースとノーマン=フォスター卿とは……前者は巴里のポンピドーセンターで後者は言はずと知れた香港現代建築の顔。ローシローも知つてゐる、この大御所二人の判断なしとは……呆れて言葉もなし。
▼都新聞の特定秘密保護法案に関する社説「情報は国民のものだ」より。

一九八〇年代にスパイ防止法案が論議されたとき、谷垣禎一法相は月刊誌にこう書いた。「刑罰で秘密を守ろうという場合は、よくよく絞りをかけておかないと、人の活動をいたずらに萎縮させることになりかねない」とも記した。まっとうな意見だ。現在、谷垣氏は「当時と状況が違う」と語るが、「自由の原則」は不変のはずだ。

同じ新聞より鎌田慧さんのコラムから「自民党員の皆さんへ」

私などがいうまでもなく、地味tの鵜は、自由と民主主義を標榜する政党でした、今月十五日にめでたく五十八周年を迎えました。「立党宣言」に「個人の自由と人格の尊厳を社会秩序の基本的条件となす」とうたわれ、「故に専制と階級主義に反対する」とあります。今回の法案が、個人の自由と人格の尊厳を危うくする、とお考えになりませんか。専制と階級主義を強める強権的なものと思われませんか。宣言には「民主の安定と自主独立の権威の回復」もまたたからかに盛り込まれています。自民党五十九年目の出発が、この美しい理想を捨て、秘密が横行し、愚かな「集団的防衛」戦争へ従属させられ、専制と隷属、圧迫と偏狭の社会を目指すものになりませんか。

……と指摘はご尤も。たゞ自民党の党員になるような方々がこんなこと理解できるほど知的判断ができる筈もなし。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013111902000124.html