富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Duke of York閉業……せず

fookpaktsuen2013-11-17

農暦十月十五日。快晴。朝の気温摂氏18度で涼しい。西貢の老舗のパブ、Duke of Yorkが家賃高騰(HK$70K→140K/月)で今月末で閉業と知り旧知のシャモニO氏、Y嬢と坑口待合せでミニバスで西貢、タクシーで北潭涌へ。Trailwalkerの直後でひっそりとしてゐるか、と高を括つてゐたら秋の行楽日和で随分な人出。で水塘沿ひにMacLehose Trailの第1段を上りはさすがに足早に歩くが平地と下りはランニングでダムの終点まで90分もかゝらず来たのは我ながら立派。西湾山に上るあたりで二十名余の大陸ハイキング客に遭遇。観光旅行のバッチつけてゐるが皆さん装備からしてもかなりのハイカーで香港ツアーにこの大陸では味はへぬ海あり山ありのトレイルコースが組み込まれてゐるのだらう。若者のハイキングも普通话かなり目立ち大方、香港の大学の本地學生と大陆学生们の週末レヂャーらしい。西灣の村民たちが一昨日のTrailwalker開幕に合はせ予告なしで西灣山から村に下る道を「私有地につき立入り禁止」と遮断。西灣村の多くの土地が自然公園区域に編入されることに反発で住民にとつては自然保護もある面、不都合なこと、と一瞬、納得しさうな抗議活動……だが、実際には某成金富豪が西灣の大自然の中にかなりの規模のゴルフも出来る芝地ある私有楽園造営がため住民所有の土地買ひ漁り無理矢理な自然破壊と宅地化、それに遅ればせながらの政府の対応で、この住民抗議活動も村民の総意なのか成金氏の仕組んだものなのか、いずれにせよTrailwalkerのスタート直後のこのコース閉鎖に主催者のOxfamにも参加者にも多大な迷惑で急きょコース変更し西灣に設けてゐた最初のチェックポイントは使へず参加者らは水の補給もないまゝ迂回コースでスタートから20数キロ地点のCP-2まで進むことに。昨日、村長がTrailwalker開催日に合はせた、この道路閉鎖を謝罪。今日は抗議の看板がいくつか残る程度で通行可。西灣村は週末のハイキング客相手の「海の家」並ぶわけで「私有地につき立ち入り禁止」では生活もあがったりのはず。今日の多くの週末客で賑やか。10kmロードランなら併記だが、さすがに久々のトレイルランで浜辺から西灣山(341m)越へたら、さすがに足の筋肉痛と膝の痛み。それでも気温は摂氏25度ほどだが11月ともなると風は心地よく日陰は肌寒いほど。トレイルランには最適。鹹田灣から一山越へ赤徑まで走る。こゝまで20kmほど。あと数km上ると北潭凹で第2段の終点だが最後はお決まりのやうに赤徑から小船雇ひ黄石碼頭まで一飛び。郊外路線バスで西貢に戻るが始発から行楽客で満席、途中は乗り切れずアタシらの判断は良かつた加茂。で今日のお勤め済んでDuke of Yorkへ。数年前までかなり頻繁にトレイルランしてゐたころは西貢に戻ると、いつも此処。麦酒美味く飲むために走りの最後は「水断ち」と称し喉から/\にしてこの酒場に辿り着き麦酒呷つたことも懐かしい。で麦酒飲み始めると競馬中継見てゐた常連客から歓喜の声、そしてバーカウンターで鐘が鳴る。何かと思へば競馬で大当たり出たやうで、その幸運の主が酒場の客全員に一杯ずつの奢り。まぁありがたい。こんな酒場が今月末でなくなるなんて……女将もカウンターの中から客の楽しそうな光景を撮つてゐるし。女将に「もうお客さんも長いわよね」と声かけられ「二十年だよ」と感慨。で「こんな店がなくなるなんて」と言ふと女将答へるに「それがね、新しいスポンサー見つかって、12月以降も営業できるのよ」と。嬉しいやら「なんで、それが新聞記事にならないねん!」と思ふやら。でもやはり嬉しい。でお祝ひにもう一杯。普段なら麦酒飲むと腹一杯で食事も厭ふのに今日はトレイルランで身体が驚いたのか麦酒のあとに猛烈に空腹覚へ通り端の小店でジャンキーな腸粉喰らふ。西貢から乗つたミニバスがフロントに観葉植物ずらり、で「これぞ緑小巴」。ジムで一っ風呂浴びて帰宅。明後日の病院での内視鏡検査で今日から野菜や繊維質ナシの食事制限、であっさりめの雑炊煮て飰す。十五夜の月を愛でる。トレイルランの疲れで晩七時半に睡魔に襲はれ早寝。