富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-10-29

十月廿九日(日)快晴。夜明け頃から新聞雑誌読み雑事片づけるうちに昼に至る。午後、金鐘に薮用あり。早晩Z嬢と待ち合せバスで九龍城。いつもタイ料理で金蘭花、デザートに茂地館というワンパターンなので今日は何か違うもの食そうと思ったがリトルバンコク化した九龍城でやはりタイ料理に食指動き今晩は南角道のSaeb-Hlee Lub Ped(泰式美食)に食す。トムヤン鶏、鳳爪、浅蜊に三味魚(揚げた白身魚に甘酸っぱいソースかけて)の四品にシンハ麦酒大瓶二本でHK$二百と良心的な値段で気取らぬ店。午後六時に入ったのでまだ席はあったが晩飯の遅い香港で九龍城だけはちょいと人気ある店だと週末は六時半には満席で行列できる店あちらこちらに。甘味も今晩は合成糖水で紅豆沙のようなもの。「合成」というと日本語ではいい響きでないが文字通り「合い成る」で完成度高い甘味。香港の日本語情報誌でかなり紹介されている店。甘味というよりあっさりと健康食の感じ。タクシーで九龍塘に向うが道が渋滞しており、そのまま獅子山隧道抜けて沙田。沙田大会堂にて「吉田兄弟」のコンサート参観。凄い力量に圧倒される。三味線の珍しいことをするセンス含め即興やソロなどテクニック的には弟さんのほうが上のようで、お兄さんのほうはフレーズ的にセンスが格段に上と思える。そのバランスがいい。竹本一匹というとてもいいパーカッションが入って魅力的。だがパーカッションはあんなに音をマイクで拾わなくていい。三味線が負けてしまうし、この竹本一匹という人の太鼓なら三味線の背後で風のように鳴っていたらもっと美しいだろう。海外のたった二日の公演で、かなり制限があるだろうに照明がきれい。最初の挨拶は広東語で、そのあとずっとそれなりに英語でMCして日本語一切使わず通訳も要らず。洋風にアレンジした曲で時々、和声がおかしいと思えたり「朧ろ月夜」で余計なセブンスが入ったりは、まぁご愛嬌。Z嬢と終わってから、三味線だからやはりマイクで拾わず地の音で聞きたいし渋谷のジャンジャンでもあって吉田兄弟とか、この竹本一匹でゲストに淡谷のり子、なんてのが実現したら夢のよう。

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