富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-10-30

農暦九月初九日。重陽。快晴。気温卅度。今年は観測史上最も暑い十月の由。朝早く黄大仙のMTR站にO氏、初めてお会いするT氏と見事な獅子山眺め慈雲山から沙田峠まで坂を上がる。MacLehose Trailの先々週終えた地点からセクション5を続け獅子山、Beacom Hill、野猿大き金山を越え城門ダムまで約12kmの山の上り下り。重陽ゆゑ家族などで山に登る人多し。城門ダムのBBQ場は芋を洗うが如き人出。昼にかなり陽射しきつく城門ダムで「ここでやめませう」。針山、草山はまた仕切り直し。Tsuen Wanの市街に下り山西刀削麺に麻辣上湯刀削麺食す。ガツンと辛みがあるが美味。MTR香港島に戻り午後遅く按摩で疲れ癒す。帰宅。書斎かなり片づいており読み残しの雑誌などもかなり減り快適でドライマティーニ三杯。栗をたくさん蒸して頬張る。白葡萄酒が蒸し栗にとても合う。湯豆腐。
▼「日本が中国の領土を不法占拠する」釣魚臺(尖閣列島)に対日抗議の船旅に出ていた活動家26名香港に帰還。27日に尖閣列島への上陸に挑むが島から20kmの沖合で日本の海上保安庁の妨害に遭い上陸果たせず。親中派から民主派までの呉越同舟の今回の抗議航海の主催者曰く「国際社会に日本の不法占拠アッピールできたことで行動としては成功」。海上保安庁の艦船は彼らを「殺そうとした」そうで強力な放水攻撃を受け船も海上保安庁の巡視船との接触で船体も傷んだそうな。
▼先日の中村京蔵山月記」の舞台。萩原朔美がパンフに書いた「文字で書かれた文体のリズムが、音声化されたときに意味として伝わるだろうか」という課題。松井今朝子女史の厳しくも愛情ある評(こちら)、月本氏の好評(こちら)、築地のH君や我が母の感想などさまざま。大半の観客のまなざしはまずは役者の体質や演技の大枠に向うもので脚本や演出の<意図>はわずか一日の芝居でわかるには難しい。どうであれ畏友村上湛君の脚本の芝居に京蔵、葵太夫というお会いしたことはないが大変興味深い方々が出演、その舞台を月本さんやH君、わが母が観劇するという、そういう<場>が何よりも素晴らしいと思う。
▼神谷町の文化功労者、そうそう夫人が政治家の山城屋が先に文化功労者に指名されておりましたね(2003年)。梨園の序列的には神谷町が文化功労者にならないわけにはいかないか。吉田秀和翁の文化勲章叙勲は当然だろうが先帝陛下の御代だったら受けたかしら。今回の秀和翁の受勲受諾は「最後の護憲派・当今様の帝徳の至れるところ」という某君の指摘。御意。
▼余の香港競馬予想など参考に馬券購入される方も居られまいが昨日の(土曜日、と綴ったのは間違い)HSBCの地場G3レース(こちら、芝1200m)知己の馬主W氏のSunny Sing(新力升)がほんの鼻差で二着。一着には35倍だかの大穴Absolute Championが入りSunny Singは9.5倍と三倍人気だったが複勝でHK$30の高配当得る。三着以下に実力馬のAll's Well(永利好)、Armada(好利威)、Regency Horse(帝聖名駒)が続き、更に不調続く昨年12月の香港スプリント2着のPlanet Ruler(紅旗飛揚)が8着、05年ダービーと昨年12月の香港国際カップ制覇のVengeance of Rain(爪皇凌雨)は85倍とブービー人気で10着。栄枯盛衰。

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