富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

安井仲治と吉村順三

辰年二月初六。気温摂氏0.3/18.3度。晴。昼から東京。

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生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 | 東京ステーションギャラリー

初期のピクトリアリスムからリアリズム、フォトモンタージュそして街角のスナップまで十代半ばに写真撮影を始め38歳での夭逝まで20年ほどで驚くほどの様々な技法への変化。個人的には初期のピクトリアルな絵画のやうな作品が好き。技術的にも素晴らしいが何よりも「独自の被写体を見出す感性」こそ安井仲治の一番の魅力だらう。ちょっと見に寄つたつもりが安井仲治では1時間余でも時間が足りなく感じた。東京ステーションギャラリーも考へてみたら訪れたのは初めてだつた。

エルメス(丸の内店)で香水(テールドゥエルメス)購入。エルメスの入つてゐる新東京ビルなんて高層化の進む丸の内では昭和テイストの低層ビル。このあたり今では本当におしゃれなファッション店舗が並んでゐてディスプレイも春の装ひで眺めてゐても気分も軽やか。

東京駅近くで行きたいメンズファッションのお店 | Pathee

大手町駅から東西線東陽町竹中工務店本社にあるギャラリーエークワッドにて〈建築家・吉村順三まなざしアメリカと日本-〉参観。

建築家・吉村順三の功績を紐解く「建築家・吉村順三の眼」|美術手帖

吉村順三といへば日本の戦後のモダニズム建築の巨匠であつて皇居新宮殿だとか紐育のジャパンソサエティ国際文化会館なんて傑作が並ぶのだけれど実は箱根のホテル小涌園だつたり俵屋旅館、行川アイランドホテルフジタ京都から猪熊さんの家も吉村作品で遺作が八ヶ岳高原音楽堂。そしてこちらも吉村順三の作品で、といふか奥様がこちらの創立者の大村多喜子。

小さくても、こんなすてきな家に暮らせたらあつたら本当にステキでせうと思つたのがこちら。住宅遺産トラスト:伊藤邸(旧園田高弘邸)


竹中工務店は香港でも何人か竹中の方とお付き合ひあつたがアタシのなかではとても印象が良く東陽町の東京本店の建物もオフィスの中には入れないがロビーの空間性やミーティングスペースの解放感などステキ。

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湯島に出る。湯島といへば金曜日だし木村硝子店に寄りたかつたが「グラスをこれ以上増やしてはいけない」。見たら目の毒。久しぶりにバーEST!へ。午後5時過ぎで口開けかな、と思つたらもう先客あり。同朋町の雑多な飲み屋街の中にこんな空間がひっそりとあるとは。


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上野広小路組紐の道明と黄楊つげ櫛の十三やに寄る。「十三や」は珍しい屋号だが櫛で九(く)と四(し)足すと十三といふ語呂合せ。道明では根付紐など好みで誂へになるが急ぎもせぬので夏前迄は待つてもよい。十三やでは櫛と耳かき贖ふ。白山眼鏡店。眼鏡の柄のネジがすぐ緩むので調整。马来西亚より槟城君一時帰国中で岸和田兄と北小金君と四人で広小路の中華料理やで飲み会。啤酒をさんざん飲んで紹興酒、焼酎2本(いずれも四合瓶)もしかすると焼酎は3本知れない……你们喝那么多吗?である。この中華料理やは「四季香」で全国に数多ある四季香なのだが上野のこの店は池袋に本店のある(町中華に対しての)マヂ中華で名を馳せる人気店の上野店。かなりの人気。確かに香辛料の使ひ方などかなり本格派。水戸に着くと本日は青春18きっぷだつたので日付が変はつてをり水戸駅で「本日も続けてお使ひになりますか?」と確認され「使ひません」で(日付を越えた駅なのか)確か常磐線羽鳥駅からだつたかの追加運賃(420円)支払ひ求められる。