陰暦24.1/29.2度。快晴。
早晩に裡信願丁の中川樓。K先生を招飲で一席。玄関横に空襲で焼けて戦後すぐに建てた母屋の当時のまゝの小さな座敷あり。広間では宴会が今晩もあるやうだが、こちらは到つて閑かで離れのやう。玄関から上がった広間に「中川樓」といふ店名の額が昔から飾つてあるが、それが比田井天來の書とはつい昨日まで知らず。戦争でよく焼けなかつたものだと感心したが女将の話では戦後、ある古美術商からかういふものがあると持ち込まれたさう。店に掛けられてゐたら空襲のときに外して持ち出さないかぎり残らなかつたらだう。
夜空に久々に月(月齢8.5)。中川樓に近い藤坂町のバー(アンバーハウス)に飲む。そこで帰れば可愛らしいものだつたが久々に酒が入ると愉快になりK先生との話も楽しく並松町の老舗のスナック(リド)へ。K先生が更に可笑しな酒場があるといつて円タクで銀杏坂の卡拉OKのあるカフェ?(Origami)に連れていつてくれる。店のママも従業員も客も玄人はだしの歌い手ばかりといはれたが納得。卡拉OKを歌はない私は良いが多少の卡拉OK好きの下手がとても参入できるものではない。歩いて先生を鳥見町の家まで送り帰宅。深更に至る。