富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦五月初二

気温摂氏14.4/19.3度。午前中は雨(5.0mm)で午後は曇る。銀座の木挽堂書店より『劇評』の創刊号(4月)と第2号(5月)が郵便で届く。『演劇界』休刊を受け同書店で歌舞伎評の冊子を発行し始めたもの。舞台画像や映像は記録され興行データも日本俳優協会がアップデートしてゆくにしても「劇評」だけはどこかが続けていかなければならないといふ意思。京都の山田松香木店より毎年二回、夏前と冬前の季節のカタログが届く。これまで毎年1回発行してきた『日本の香り』といふ丁寧な内容の製品カタログは今後3年に1度の発行になるのださう。その代はりにオンラインでアップデートのカタログも見られるやうになつたさう(こちら)。

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出先で胡蝶蘭の鉢がもう10年くらゐ手入れもしてゐないのに毎年何度か花が咲いてゐたさうで去年も三株のうち一株からだけ一枝がにょきにょきと伸びて一花を咲かせてはゐたが全体に弱弱しい。胡蝶蘭は素人が植え替へとかしてはいけないと思はれてゐたさうで(蘭の交配とか勝手にやつて胡蝶蘭を雑種になどされては困るといふのはあらう)純粋に鉢の植え替へなどはできるわけで鉢で贈られてから三株がそれぞれポットに入つたまま大きな鉢に据ゑられて隙間に発泡スチロールが埋まつてゐたが長年のその環境で胡蝶蘭の根は発泡スチロールの中にまで侵蝕して栄養もとれず無残な姿だつた。バークや水草を使ひ「こんな環境で何う育つのかしら」と疑ひながら育てゝゐたら最初に伸び始めた枝から莟がいくつか生まれてその一つが開花してゐた。他の二株からも元気さうな芽が出てきてこれからが随分と楽しみになつた。

現金書留。電子マネーや通過のヴァーチャル化の時代に現金を郵便で送るシステムの残存。これも日本は残るのは香典。香典は電子マネーで送金では済ませられない。ご霊前の香典袋。そこに「心くばり」があることになつてゐる。

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江沢民が当時の香港行政長官(董建華)選出の際に香港記者に「欽定か」と質され“You are so naive!”と応へて話題になつたことがあり。行政長官は当時から事実上の欽定だつたのだが江沢民のその頃はまだ余裕があつて江沢民の教養を微笑ましくみてゐられた時代であつた。それが今では領袖たる国家主席に香港記者がそんな気軽に批判がましい質問など全くあり得ない時代。

この距離感をとれるのはロシアと中共の領袖だけか

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