富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

暴徒圍城 九龍大亂……ってか?

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昨晩の公務員反政府集会は万単位となつたが大公報はさすがに堂々とそれを扱へず三面で参加人数には触れず政治的中立であるべき公務員の政治集会詰るばかり。一面は両開きで豪勢に「警隊無𢣷風暴 100%信心護家園」と警察支持。国家権力の暴力装置として体制維持の為に盲目的に「お国のため」であつてほしいところ世論の反共、中共嫌ひに考慮して〈家園〉護るといふイメージに置き換へられてゐる。

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公務員集結といひながら身份も明かさぬ輩多くいったい公務員は幾許かと大公報は嘆く。そこを地味に調べるのが星島日報。

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集会にゐた234人確認したところ内102人が公務員で43%と他に11人の公務員OBをり。警察発表の1.3万人を基にすれば5.6千人が公務員で公務員総数18万人の3%で主催者発表(4万人)なら実に1割が参加となる。更に反送中反対や警察暴力独立調査賛成が大多数なのは未だわかるが林鄭月娥辞職賛成7割は公務員の声としてはかなり末世的である。

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二、三日前から夏風邪で昨日は終日、陋宅に籠る。今日は土曜日で朝食後にFCCへ。NY Timesの論評欄に練乙錚(山梨学院大学教授か、今は)の文章“Gangs of HK”読む。練乙錚の中文は難解だが英文は容易し。鄧小平の黒白論持ち出す迄もなく大陸でも黒社会は愛国的で、それは郷心もあれば体制権力に反発せずの生き残りでもあり辛亥革命とて結社の援軍なければ成立せず。

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今日の市民デモは警察の不反対通知ゲットで旺角。但し大角咀で旺角中心部避け距離もこれまでの許可デモ最短。当然のやうに旺角の繁華街からNathan Rdに溢れ南下すれば、あつといふ間に尖沙咀。黒蟻たちも尖沙咀警察署には落書きなど狼藉働いてもペニンスラホテルは汚さず。

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群衆化したデモ参加者は広東道方面と尖沙咀東に分散して後者は紅磡隧道へ。

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あつといふ間に紅磡の海底隧道占拠して自動車通行止める。これまでの百万単位のデモ活動でも海底隧道通行不能は未だかつてなかつたこと。紅磡隧道開通から47年で自動車事故等除けば不通は初か。100はゐても200未満の人数の若者たちで実に見事な所作であつたが占拠容易なるは警察が防御せぬから。警察はなぜこゝまで放置プレイで狼藉続けさせるのか。ヒールにさんざん悪態尽くさせ最後の反撃狙ひか(但し今日もさうは終はわらなかつたのだが……)。

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この週末の反政府運動に対抗するかのやうにヴィクトリア公園では建制派主催で「希望明天」半暴力音楽集会で支持警察盛り上げ。陋宅でテレビで見てゐたが舞台での素人カラオケ大会映すばかりで観衆の姿が幾許か見られず。その舞台に元朗白衣暴動で渦中にある立法会議員の何君堯が現れ弁舌は優れるのでオンステージ。何たる厚顔無恥。観衆の間からは「頑張れ!」どころか「做特首!」なんて何君堯を行政長官に!なんて冗談にもならぬ声援。

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百聞は一見に如かず、でヴィクトリア公園に出向いてみると建制派の集会らしく団体バスで動員された年寄り多く盛会の最中にもう新界に下郷のため会場離れる観衆も少なからず。さう思ふと建制派にとつては元朗での何君堯の動向こそ悩みのタネで、この集会も他の主だつた建制派が誰も姿見せぬなかで何君堯の独り舞台だつたのが興味深いところ。

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警察を支援し安全な治安の香港を!といふが建制派にとつては秋の区議会選、来年の立法会選。選挙人登録が、この数ヶ月で30万人あつたさうで、その多くが反建制派の若者たちであることは確か。親政府、土共の固定支持層を何う繫ぎ止めるかは必死にならざるを得ず。

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こんな閑散としてゐるのにたまげたものだよ屋根やのフンドシで主催者発表9万人、警察も仲間の誼みで2.3万人と盛り/\。これで9万人なら昨晩の公務員集会は36万人くらゐになつてしまふ。


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この会場には自分の意思で参加の熱心な老若男女もゐるが動員かけられた多くは年寄り。純朴さうな表情で、この民草は政権が共産党だらうが国民党だらうが全く関係なければ言論の自由もネットの不自由も逃亡犯条例も全く関係ないのだらう。

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公園を出ると参加者が警察に「いつも、ありがとう!」「頑張って!」と声援。警察も笑顔でそれに応へる。反政府の市民デモでもつい数ヶ月前までは市民デモが安全に進むやう香港警察はサポートしてくれてゐたのだが。

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今日の「荒れる九龍」は当然のやうにNathan Rdの主戦場で黒蟻の群れと警察が抗争。やるならもつと「本気でやれ!」とアタシは水上勉のやうに叱りたいが両者が対峙する間にマスコミが一番危険な「はずの」ところで、まさに「うろちょろ」してゐて真実がそのまゝ映像で瞬時に伝播するといへば聞こえも良いが黒蟻も警察もマスコミと懸命に両者調整に入るソーシャルワーカーに甘えてゐないか。

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かうして画像で見ると恐ろしいほどに騒然とした暴力地帯だが、これも一瞬の何度かの繰り返しで実際には死傷者が出るやうな暴動ではない。そこがこの一ヶ月余の「抗争」のなかで最も解せぬところなのだ。

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本日の抗議活動で尖沙咀碼頭で中共旗を下ろした上に汚い海にそれを投げ捨てた輩あり。CY“党員”梁が中共旗侮辱に懸賞金HK$1m(1,400万円)と豪語……アタシだつたら「それは私です!」と自首して100香港ドルください!といひたい。国旗(愛護)条例もないので所詮、たんなる軽犯罪なのだ。