富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦五月十八日

朝、驟雨。雨が通りすぎ半時間も経たぬ内に地面は干上がり何事もなかつたかのやうな猛暑。湾仔のbakehouseのパン、美味しいと評判でやつと食べた。ブリオッシュ。確かに美味。香港のパンが「大丸のDonq以外、食べられたもんじゃない」なんて言はれてゐた90年代が懐かしい。中環のミラマホテル地下に90年代後半、ドイツパン屋が出来てちゃんとしたライ麦のパンが食べられたのが嬉しかつた。

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湾仔といへばHopewell Centre第二期建設のための工事現場が凄い。

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戦争中は日本陸軍ご用達の料亭「千歳」あり。この再開発始まる迄は階段道路や暗渠、袋小路や石積み擁壁あり香港の廃虚好きにはとても人気のスポット。下から見上げると目も眩む崖の削岩で崖上に残る建物はいくら駐車場とはいへ「崩れたら」と思ふとぞっとするばかり。

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しかもその建物の屋上がKennedy Rd側でHopewell Centreの正面玄関、車寄せ。下の画像2枚それぞれの黄色囲みの部分は車寄せの屋根。

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晩にFCCでM君と会食。食後、地下のバーで飲んでゐると実家の母から電話あり午後10時(JST)すぎに電話などあると何かあつたか?と驚くがNHKのクロ現+で香港のデモ関連の特集やつてゐるわよ、と。これに出られてゐる香港政治のK先生の書き込みでこの番組のことは聞いてゐたが傘寿の母が教えてくれるとはありがたいかぎり。
▼香港政府の今月2回のデモと612の暴力沙汰についての弁明見てゐると、逃犯条例改正と警察いずれもの責任者である保安局長が何とも頼りなくコメントも原稿読むばかりか「怯え」すら表情や仕草に表れ何とも。怯えや自信のなさといへば警察もさうで、いくら反抗者とはいへ弱者である抗議の若者を警棒で殴る、路上に押えつける、催涙弾やプラスチック弾で直接撃つといつた行為も、相手に対する「怖さ」なければ、あそこまでできない。『立場新聞』社説(21日)曰く

我們所「針對」的,不是警察個人,而是警察作為香港唯一可以合法對公眾使用武力的執法部隊,他們的行為必須被最嚴格的標準審視,他們的權力必須受到監察,而這份審視監察的工作,正正是傳媒最大的使命。

御意。合法的な武力装置だから監督が厳しいのだ。行政長官とて今回の反省で
I still have much to learn and do in better balancing diverse interests in listening more to all walks of life and in taking our society forward.
なんて宣つてゐるのだが「いろいろ学んで自分の足りない点を覚え、これからの仕事に」って政府官僚の研修生時代かせいぜい下積みの時に身につけておくべきことで苟もトップになつてこんなことを学ばれてゐては遅すぎる。
▼練乙錚先生が蘋果日報に面白いことを書いてゐる。香港の民主化運動と少子化について。今の反送中デモで参加者の半数は若者だとすると25年後は、その時の若年層の100%がデモに参加しても今日の100万人単位の人数にはならない、と。また確実に新移民と、その子女が増えるわけであるから、それが2047年のカギとなる世代ではないか、と。