農暦五月十七日。六四(天安門事件)30周年で李怡先生の文章を拙訳し朝日新聞の論座に掲載となつたのが「天安門事件30年 かつての香港はもう存在しない」で、そのあと逃亡犯条例改正で香港で大規模な市民デモとなり、かうした香港の政治性に天安門事件がどれだけ影響を与へてゐるのか、といふことで「「こんなはずじゃなかった」香港の無間道」を富柏村自身で書いた。今回の香港の出来事については多くの記事があるなか、若者がなぜこゝまで政治性をもつに至つたのか、について「香港の若者たちは何を守ろうとしているのか」で整理してみた。今回の記事は一連の抗議活動の部隊となる香港“市役所”で立法会にある「デモ区」について。
民主主義が機能しないから、あんな大規模な市民デモが起きる……といふ見方もあるわけで普選実施も叶はぬ香港だからともいへるところ「それでも」あれだけ大規模なデモが平和裡に実行されて「しかも」政府敷地内に「デモ区」まであり、そこで反政府抗議活動ができる「政治の自由」の環境についての一考察。
昨日、行政長官が本日、逃亡犯条例撤回と謝罪と書いてしまつた大公報社説だが今日は「社評\特首真誠打動人心 結束紛爭攜手前行」逃亡犯条例失敗で党政府中央の指示は「如何真正認識「一國兩制」,做好青年學生的愛國教育工作,以及提高施政效率、解決住屋問題,仍是特首和政府任重道遠的重要工作」やはり反政府的な若者への愛国教育。これが林鄭にとつての贖罪の最大任務か……と懸念されるところ今日から平常化された立法会で主席(議長)が今国会の会期中は国歌条例審議棚上げと言及。
これをやると、またデモが湧き立法会取り囲まれ……で、もはや弱腰「屁たれ」の立法会ではとても国歌条例通し愛国教育邁進を政府に促す機運もなし。やればできるのだらうが、これ以上「赤方」で自律神経失調のまゝ親中土共通すと選挙での竹篦返し怖く多少なりとも「港方」の姿勢見せたいのが議員の本音か。いずれにせよ急場は凌げたり。昨年の状況では国旗国歌の条例化で(強制はしないまでも)侮辱=有罪は確定と思つてゐたが、まさかのところで、これの棚上げに至るとは。この数ヶ月の香港の政治状況急変は全く予想もしてをらず驚くばかり。民陣召集人の岑子杰君が実生活でのパートナーでもある天風君と語りあふ今年3月に社会民主連線のネットトーク番組もそのよき例。逃亡犯条例改正は、同性婚の話題の次に「これって実現したら危ないよねー」と語つてゐたものだつた。この改正案が立法会に提出されたのは、この番組から4日後の4月2日。それから昨日までの風雲を、この3月末に誰が予期してゐたかしら。
▼逃亡犯条例で話題に出てくる、香港政府が犯人引渡しの基準とする“the Rule of Law Index”がこれ。WJP Rule of Law Index® 2018-2019 これ見ただけで法治では日本に次ぎ世界16位にある香港が82位の中国にまともには対応しちゃいけないのは一目瞭然。
▼朝日新聞夕刊(夕刊ない値域は翌朝総合版)で連載の、しりあがり寿『地球防衛家のヒトビト』を私、呟板で無断転載しているのですが寿先生は暗黙の了解、ありがたいところ。今日、この『地球防衛家』で香港の支援に深謝。
▼韓国映画〈寄生虫〉に対する北朝鮮🇰🇵の論評が興味深い(朝日新聞)。誰もが(実は特権階級もいるが)貧しく平等な社会……が幸せか。