農暦五月十九日。夏至。朝すでに気温は摂氏29度で33度まで上がるといふ酷暑警報。本日朝イチで昨晩放送のNHKクロ現+「香港“200万人デモ”の衝撃」見る。
興梠一郎教授(神田外大、現代中国論)は香港の「中国化」につき習近平政権は絶対にその方向性を緩めないと断言。一つの強い中国の体制維持(国家安全)のため中国の民主化での妥協は中国各地、台湾に飛び火するものゆゑ。興梠教授の見立てはまず間違ひなし。たゞ台湾問題が中国にとつての究極としても、台湾は香港が民主化弾圧で中国化されゝば「反中」の世論高まり、逆に香港の民主化容認されゝば(中共にとつては忌忌しくも一国両制が維持できるといふアピールにはなるかもしれないが、それよりも)台湾も中国に従属せずと勢ひづくわけで、いずれにせよ厄介で解決難しいことを認識しておくべき。
行政長官が逃亡犯条例撤回と612抗議活動「暴動」での警察「暴力」謝罪せぬことに抗議して香港の各大学の学生会等が本日、香港“市役所”周辺への集結や公共交通、道路での「不便」活動など呼びかけ。香港“市役所”は本日、職員の出勤不要として閉鎖。
夕方になると下校後の学生や夜になれば社会人も集まりかなりの集会になるだらうし一部の攻撃的な動きに警察が何う対応するか。香港警察は612の失態もあり今日は警察No.2が陣頭指揮の由。萬人デモ動かす〈民陣〉はこの動きからは距離を置き今週末デモ予定せず次のターゲットを71デモに絞る。午前十一時、香港市役所周辺に屯してゐた若者たち堰を切つたやうにHarcourt Rdなど路上に溢れ出し自動車通行遮断。今日のこの意思表示は上手くない。警察が一切出てこないのも気になるところ。
それにしても今日の動きは香港“市役所”包囲に始まりHarcourt Rd道路封鎖、これまでなら占拠持続だが警察の無管制いゝことにバリケード簡単なだけ築き最少人数だけ残し香港警察本部へ。その包囲完了後に税務部、イミグレーションのビルに入り込み坐りこみで機能停止させ臨時閉鎖、職員退勤となると退去して警察本部前での抗議活動に集中。
政府は状況混乱すると閉鎖するが警察は非常時でも閉鎖しない(できない)のだから包囲には効果的か。……この集団行動の誰も統率者もゐないところ見事にまとまつた動きは黒蟻の群れの如し。抗議方法の進化。従前のデモ、静坐や佔領といつた固定の方法をとらぬ。器物破損も論外。“Be Water”水の如し。
ブルース=リーの戦術から来たものといはれると敬服。
香港政府は改めてプレスリリース出すが若衆らは条例廃案は良しとした上で今日の警察での要求は逃亡犯条例と612行動を「暴動」としたことの撤回。それに応じぬかぎり徹底抗議とするが今回は「不受傷、不流血、不被捕」の「三不」原則で(実際にはかなり器物破損など際どい行為もあるが)警察が「暴乱」として鎮圧できぬ、ぎり/\のところでの、この均衡こそ抗争なのか、と思ふばかり。
律政司が逃亡犯条例改正手続きの不備につき文書で市民に謝罪。Department of Justice - My Blog
香港政府も「政府尊重市民遊行集會的權利」としつつ今日のデモ活動で公共機関の運営や交通上級などに深刻な影響が出ているとして「示威人士表達意見時要和平、理性,並要顧及其他市民的需要」と呼びかける。
そのなかで逃亡犯条例について、これまでの行政長官の弁明に比べさりげなく「来年7月に今立法会が結束すれば条例草案も自動失効するもので特区政府はこれを受け入れる」と。
就今日媒體報道關於立法會議員就修例的言論,政府發言人重申,政府已完全停止《逃犯條例》的修訂工作。本屆立法會會期明年七月結束,條例草案屆時將自動失效,特區政府會接受這事實。
だから逃亡犯条例は事実上、廃案となっているのだから抗議活動はお止めください、と願ふのだが。夜半になり黒蟻の群れの如き若衆ら「本日はこれまで」と散る。
Streets around the police headquarters remained closed to vehicles well into Friday evening.CreditLam Yik Fei for The New York Times
フィリピン元外相の入境拒否(香港)デルロサリオ氏は南シナ海での中国による岩礁の埋め立てが環境破壊を引き起こし人道に対する罪に当たるとして3月に中共の習近平国家主席らを国際刑事裁判所に告発していた。 https://t.co/NRYTOiIzGJ
— 富柏村 (@fookpaktsuen) 2019年6月22日