富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

林鄭、逃亡犯条例(事実上)廃案で香港市民に謝罪

農暦五月十六日。今朝の大公報。反対派の道路占拠で通勤に不便する市民(笑)

f:id:fookpaktsuen:20190618121732j:plain

わざ/\中環から金鐘に向つて通行止めのHarcourt Rdを、しかもフライングオーバーを歩いてくるだなんて「ただの物好きのオッサン」か中共系企業の社員?だろ。地下鉄だつて平常通りなのに。しかもこれを今朝の一面トップにしたのに午前7時には最後まで道路封鎖されてゐた行政長官弁公室前の龍和道も封鎖解除されてしまつては、この記事の意味まるっきりなし。今回の一連の抗議活動に対しての大公報は空振りばかりで残念至極(涙)……なーんてバカにしてゐたら今日の社説「支持林鄭依法施政 発展経済改善民生」に「行政長官が今日、逃亡犯条例改正撤回と謝罪」と言及あり。

f:id:fookpaktsuen:20190618173232j:image

今日の星島日報は昨日も禮賓府(公邸)にお籠りだつた林鄭が教育・宗教関係者集めての面談で逃亡犯条例の「事実上撤回」に言及し社会不安を増長させたことに謝罪、いっときは感極まり教育関係者との面談では洗面所に隠れ、宗教関係者には、その目前で涙を流した……と描写もあまりにリアル。晤各界求諒解 林鄭兩度飲泣 -- 星島日報

f:id:fookpaktsuen:20190618185549j:image

金鐘のPacific Place前で逃亡犯条例改正反対で自殺事故者が出た現場に未だ多くの追悼と弔花あり。


f:id:fookpaktsuen:20190618175044j:image

f:id:fookpaktsuen:20190618175051j:image

f:id:fookpaktsuen:20190618175048j:image

午後2時すぎに政府が「午後4時から行政長官が記者会見」とプレスリリース発表。

f:id:fookpaktsuen:20190618173339j:image

大公報は上述の社説の掲載された第2面をいつのまにかネットから削除。

f:id:fookpaktsuen:20190618174925j:image

やはり党紙が政府より先に発表は拙いと思つたのか。党と政府の関係ではスクープ!と誇れる立場非ず。午後4時からの行政長官リンテイゲツガ記者会見はBCCとCNNも臨時ニュースで生中継。

行政長官會見傳媒開場發言(附圖/短片)

Opening remarks by CE at media session (with photos/video)


f:id:fookpaktsuen:20190618193755j:image

f:id:fookpaktsuen:20190618193759j:image

林鄭は逃亡犯条例改定については立法化の過程で見過ごせなぬ不備と市民の納得得られない矛盾があること認め「これが解消できない限り立法化はできない」「立法会の今期の日程も限られており立法化は困難」と言及……立法化の作業断念しており今後再開予定なしといふことは事実上の撤回なのだが、けして「撤回」とは言わず、そして自らの非力につき市民にふかく謝罪……では辞職するか、といへば自らの瑕疵を反省した上で任期の残りに全力を尽くす、と。これを誰も望んではゐないのだが。しぶといものよのぉ。ところで今日の記者会見の服装は「反省」がよく表はれてをり合格。どうせなら往年の董建華なみに「逃亡犯条例改正はすでに断念されてゐた」くらゐ言つてほしかつたのだが。さて大公報が「逃亡犯条例改正「撤回」を予告した社説を撤回したこと」を何う理解すべきか?である。結局のところ「絶対に「撤回」とは言はない」といふところだけが北京中央と港方で確認され「撤回」と先走つてしまつた大公報が叱られた、といふところか。立法会は午後2時に「黄色警報」解除で運営正常化。逃亡犯条例改正は事実上取り消しだが、この状況でリンテイゲツガが国旗、国家の条例をどこまでできるかは注目に値するところ。意地になつても中央党政府に成果見せるか、もはやレイムダッグで何もできないのか。

「あれ、さういへば」と気になつたのが、これまで市民デモとかあるたびに香港市民に社会安定の大切の徳を説いてきたジャッキー=チェン(成龍)だつたが今回はダンマリを決め込んでゐるやうで。そして一時は香港“市役所”で教育局長の職を欲してゐたアグネス=チャンも政府寄りの発言目立つてゐたが、これも今回の条例改正ではダンマリでアグネスでも別の民主派のアグネス(チャウ、周庭)ばかり目立つてしまつた。

丘の上 禮賓府の庭で
占うのあの人の心 今日もひとり
謝罪する 謝罪しない 辞める
あの人は決めないのよ遠い
北京にいるの〜

愛のおもいは胸にあふれそうよ
党への涙は今日もこぼれそうよ