富柏村香港日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴る日剩でござゐます

東江水供五十周年

fookpaktsuen2015-05-30

農暦四月十三日。晴。Z嬢が「XO醤が切れた」といふので、それを口実に周末のランタオ島周遊。いつものことでMTRで東涌。炎天下を日傘さして歩いて東涌の波止場。屯門から来た船に乗り込み大澳へ。珠海から香港結ぶ珠江河口の橋の工事もだいぶ進んでゐる。ピンクイルカも最近は遭遇しない。大澳ではいつものやうに蓮香酒家で昼餉。街市裏手で猫たちを愛でる。石仔埗街の茶果財で糯米糍買ひ食ひ。泰記でXO醤贖ふ。この売店の主人W氏いつも力説は自分は三度中風になつたが回復で、中風防ぐには一番大切なのは朝起きて、すぐに立ち上がらず寝台に数分でいゝから腰掛けて血の巡りと血圧整へてから立ち上がることだ、と。精神的にもこの一憩がどれだけ大切か、と説く。説得力あり。路線バスで爆睡しながら梅窩。Z嬢の話で梅窩の波止場横の熟食中心に意太利料理屋があるといふ。Como Lakeといひ意太利人の主人が営む。昼餉も済んだあとの夕方なのでカルパッチョ一皿だけ注文してポンテのプロセッコをボトルで。このカルパッチョ、ブルーチーズのソースが実に美味。Come ti chiami?くらゐは尋ねられる私相手にジャンピエールといふ亭主が英伊チャンポンで四方山話。お勘定して席を立つと亭主が「ちょっと待って」とリキュールのボトルを持って来る。「猛暑だから」と冷えたリモンチェッロご馳走になる。甘いレモンのリキュールが熱中症に効くのかはわからないが美味い。梅窩のフェリー乗り場にある小さな不動産屋で物件眺めてゐると扉が開き若い男が慇懃に「お住まひお探しで?」と顔を出していろ/\講釈続く。「香港で地元の天然の水が飲めるのはランタオ島だけ」と力説。「香港の水はランタオ島除けば全部、中国から買つてゐるんだから安全性はどうかしら?」と妙に説得力あり。この地面師がこんな話もち出したのも「東江水供」50周年だからかしら。水不足深刻だつた香港に深圳の水庫・東江から飲料水提供が今年で丁度半世紀。当時文革の最中に周恩来率先の計画だつたといふが、よくぞ香港に水を提供したもの。これが始まり香港は中国と不可分に。晩に文藝春秋六月号読む。