富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

福永祐一騎手優勝

fookpaktsuen2014-12-10

農暦十月十九日。特定秘密法施行。だがバラエティ番組は相変はらずおバカな表現の自由垂れ流しで誰も不自由なんて感じもせず。国が徐々にシンガポール化してゆくこと。夕方に久々に中央図書館。或る方に香港の日本軍占領中にヴィクトリアバラックにあつた「南海神社」についてお尋ねを受ける。香港神社、南海神社、忠魂碑や香港国民学校内にあつた神社など識つてはゐるが、この南海神社の石碑が英軍より日本に返還され今は靖国神社遊就館に鎮座してゐるとは。で南海神社の場所が今はどこか。和仁さんの本にも記載がないのだから。この一帯の英軍営は金鐘で今はパシフィックプレイスと香港公園となつてをり当時の(というか1980年頃までの)面影もない。英軍が1970年代末に発行した“Victoria Barracks 1942-1979”といふ書物に何か記載ないか、と示唆受け中図の参考図書でこの本を眺めてみると石碑と鳥居の写真あり、軍営内のColvin Houseといふ女性兵士宿舎の入り口とあるから、神社は壊され、そこにこの宿舎建造されたと思はれるが肝心のColvin Houseが敷地内のどこなのか記述も地図もなし。ネットでも探したが不明。ただヰキで香港公園建造で取り壊された建物の一つとある。だが厳密に言ふとヴィクトリアバラック跡地はパシフィックプレイスから今の英国総領事館、ブリティッシュカウンシル、Asia Society HK Centreの一帯で、パシフィックプレイスのあたりはヴィクトリアバラックのAからEの大きな建物が並んでゐたので写真からしてもColvin Houseはその山の手、推測だが英国総領事館のあたりなのかしら。周末の競馬が香港国際で今晩はハッピーヴァレイでInt’l Jockeys’ Championship開催。テレビ観戦。日本代表の福永祐一騎手4レース中2勝で優勝。画像は凱旋門賞の記念誌にジャスタウェイ騎乗の福永騎手サイン入り(13日にM君よりいたゞく)。日本は2004年に武豊騎手優勝以来2人目。賞金HKD50万も円安でお得。今晩の8レース、最初の3レースは全く外れたが第4レース以降は1つ外した以外は4つで単勝複勝の1点買ひで当たり続け。これで周末の軍資金に。文藝春秋正月号読む。創刊70周年特大号といふが毎回何かしら特大号ってたゞ厚いだけ、特大号って言ひ方止めればいゝのに。元朝日新聞記者•植村隆さんの「慰安婦問題「捏造記者」と呼ばれて」独占手記は、筆者が記事のなかで軍による強制連行とは書いてゐないこと、当時は韓国で女子挺身隊が従軍慰安婦と同じ意味で用いられてゐたこと、など細かい記述あり。これを文藝春秋に載せたのも興味深いし載せる同誌もさすが菊池寛らしいところ。この問題は言葉の意や歴史的判断が時代によつていかに変容するか、をよく考へさせられる。
▼連日驚きの読売新聞社説は麻生マンガ太郎の失言*1に「子供を産める環境が大事なら」と苦言も呈してみせはするが(こちら)日経ですら疑問視する秘密保護法施行に対して「他国との情報共有に不可欠だ」として「日本の平和と安全を維持し、国益を守るには、米国などとの機密情報の共有が欠かせない。その大前提として、政府の本格的な情報保全法制が動き出す意義は大きい」ですって(こちら)。呆れて言葉もなし。

文藝春秋 2015年 01月号 [雑誌]

文藝春秋 2015年 01月号 [雑誌]

*1:「子供生まないから」は、麻生よ、このセリフを安倍に向かって言え、と山口二郎教授。