富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

佔領は続くよ、どーこまでも♫

fookpaktsuen2014-10-10

農暦九月十七日。双十節。政府側が学生らとの交渉応じぬ姿勢見せ関係はまた膠着、週末にかけ金鐘など抗議の学生増えることに。紅磡から108番のバスで香港島に渡ると銅鑼湾をGloucester RdからPercival街に入りLeighton RdからPennington街に抜けるので丁度、佔領地帯をぐるりと迂回することになる。トラムの線路越しにバリケードを見て「佔領は続くよ、どーこまでも♫」と。晩に尖沙咀でN氏と待合せ来港中のN氏ご子息拾ひ自動車で観塘へ。雲南風味に飰す。エノテカで購つた新西蘭のSileni Pinot Noir 2011年。観塘の旧市街が建物はすっかり取り壊されてゐて言葉もなし(画像の地図、赤色部分が取り壊し)。辛うじて残る裕民坊の集合ビルの下を抜け路線バスで銅鑼湾。バーSに飲む。珍しくロングピースの煙草一本いたゞく。煙草の葉の質ではショートピースだが前者のバニラ味もゆったりと吸ふには格別。香港にピースを。ホープは短すぎる。Angosturaのラムが美味。三更の銅鑼湾の電車通りに出ると佔領区に人は二十人ほど。警察が強制排除しようとすれば本当に簡単なのだが、それがない、外から見ると寧ろ警官がその佔領区を外敵から警備してゐるやうな不思議な光景。
▼今回の香港の騒動について外国メディアの報道見てゐて興味深いのは「香港の民主主義が危うい」とする、日本のメディアに多く見られるが、明らかな誤解で(新潟M記者の指摘にあつたが)香港は昔も今も民主主義はない、植民地的な自由があるだけ、それさへ脅かされてゐるから民主主義が必要といふこと。またやたらと北京の習近平政権が香港の状況に直接対峙するやうな言説←これも考へすぎ(英国エコノミストもこの嫌ひあり)、あとは冷静に香港の現状を見ようとする立場で紐育時報や衛報(ガーディアン)はこれ。
▼「銀行振込1時間延長」と日経1面トップ。えっ……銀行振込の決済って24時間365日ぢゃなかったの?、と驚くが日本で午後3時までなのが4時まで1時間延長されるといふ。なんて後進国なのかしら。ネットで海外送金までその場で出来るのが香港はじめ当たり前なのに。