富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Gastroscopy

fookpaktsuen2014-10-09

農暦九月十六日。先日の曼谷バムルンラード病院での健康診断で腫瘍マーカーCEA)の結果が6.0ng/ml(正常値は5.0ng/ml以下、2010年は1.3、2012年は2.35であつた)と出て専門医による検査を、ってんで昨日、養和病院の消化器科の診断で内視鏡検査はColonoscopy(大腸)は昨年秋にやつて大腸癌は一年以内なら再検査は不要だがGastroscopy(胃)は昨年六月に検査して軽い胃潰瘍見つかつてゐるが、後者は医者としてはお勧めといふのでGastroscopyとなる。昨日恐る/\「これって検査で正常って結果になったら保険って使えるんですかい?」と医者に尋ねるとCEA値が正常範囲を超へてゐる=異常は治療対象、と。なるほど。いつもの手順で香港らしく全身麻酔内視鏡検査は5分くらゐなんださうだが11:15くらゐにガス吸入で起きたら13:20ころに目覚める。相変らず麻酔でしか得られぬ心地良い眠り。晩におでん煮て飰す。こゝ数日の疲れと今日の検査の麻酔からまだ解けず早寝。
蘋果日報で陶傑さん「無政府主義」が面白い。米国のジェファーソンの「新聞なき政府と、政府なき新聞のどちらを選ぶと問われたら、私は躊躇せず後者だ」を引き、香港で「CY梁政府で蘋果日報がない」のと「CY梁統治がなくて蘋果日報がある」のといずれが善いか、でいずれを選ぶか、時間は遡れぬが「唐英年が行政長官で蘋果日報もある」のが理想だつた、と。無政府主義と聞くと混乱を想像するが、けして食っていけぬわけでもなく数日前に香港島で乗つたタクシー運転手が「バスが少ないとタクシーが混む、道が渋滞すればメーターが上がる」と言つたが無政府状態にも商機といふものあり、警察トップや旺角で「道路占拠は商売に迷惑」と叫ぶ社団はこんなタクシー運転手の声が聞こえてゐるか、と。
産經新聞の前ソウル支局長韓国大統領名誉毀損で起訴。産経新聞社長のコメントで言論の自由に対する侵害といふのはわかるが「日本の報道機関が日本の読者に向けて日本語で執筆した記事を韓国が国内法で処罰することが許されるのかという疑問を禁じ得ない」といふのはだうなのかしら。韓国から出稿してゐるのだから、それが日本向け、日本語だらうが関係ないのでは。曼谷で日本語でタイ王室批判の記事を書けば不敬罪で逮捕される。中国国内で日本語で「李鵬のバカ」と書いても、それだけでは今のところ日本人が逮捕されないし「チベット独立」も日本語で発信してゐる程度なら許容範囲なのか、たゞそれを天安門広場で「チベット独立」とプラカードでも広げたらアウト。それにしても佐藤優が都新聞(本音のコラム)で指摘してゐるが、この程度の記事で記者に刑事責任追及し、これも他国の記者に同じ仕打ちをするか、そも/\産経の支局長が引用した韓国紙で記事を書いた記者は起訴されてをらず日本のメディア狙ひ撃ち。
▼「9条にノーベル賞を」と盛り上がるが朝日新聞がこの記事で「識者のコメント」は高乗正臣(平成国際大教授)で9条は画期的な条文だが日本の現実は乖離しており改憲すべき、現実は9条の理念と逆行しており9条がノーベル賞とれば欺瞞と言はれるだらう、と。9条の理念と現実の乖離はその通りだが、朝日がそれで盛り上がりに水を注し更に改憲主張するコメントをこの記事に合はせたのが気になるところ。

……なんて『噂真』的に書いたら十日の蘋果日報「盛傳開槍清場對付佔中之日 匿名信寄澳媒爆梁醜聞」(こちら)曰く、十月五日、新聞社に匿名でCY梁のこの顧問料契約に関する契約書(写)が送られて来た由。