富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

混乱続く香港から脱出

fookpaktsuen2014-10-01

農暦九月初八。国慶節。夏風邪のまゝ朝五時起きで空港に向かふ……といふと「混乱の続く香港」から命がけで脱出するやうだが(笑)もと/\予定してゐた旅行でタイへ。民主化運動の道路封鎖でタクシーで香港站まで往けぬのでZ嬢と北角までタクシー、始発のMTRで中環站へ。路線バスがないので始発からかなりの混雑。07:55発のCX705便で空港着が7時少し過ぎたが慌てさせられもせず別に何の問題もなく搭乗可。最近お好きなプレミアムY席で薬の所為もあり熟睡で、あっといふ間にバンコク着。タクシーでグランドスクンビットホテルに到着。Amex Travelのパッケージで普通のデラックスルームだつたが未だ午前11時すぎで下榻出来た上にAccor傘下なのでソフィテルのプラチナ特典で部屋に入ると台所つきの居間と寝室のあるアパルトマン形式の部屋に通される。昼にZ嬢のお勧めでエカマイにあるHom Duan Chiangmaiといふ食堂へ。チェンマイに往けない分せめて食事くらい北風で。このへんで買物するZ嬢と別れ財布を忘れてゐたアタシはホテルに戻り午睡。午後遅く出街でスクンビットを東にBTSで站4つ分漫ろ歩く。秋分も過ぎ日暮れも早く六時すぎにSamitivej病院。Z嬢がエステ系済ますのを待つ。この周辺は日本人街。日本人の母が子ども連れてお抱へ?のトゥクトゥクで病院に乗り入れる。隣のフジスーパーの日本食の品揃へは驚くほど。晩に歩いて塾に通ふ中学生も、よくぞこれだけ排気ガス充満で埃っぽい土地で頑張ってゐるな、と思ふ。ソイ55には日本料理澤山あり。時興酒家といふ昔は流行つたであらう中華料理屋で軽く夕食済ませホテルに戻る。風邪で体調悪く八時くらゐに寝る。
▼テッサ=モーリス=スズキ享受(豪国大)はアイヌや沖縄を始め多様な存在を画一的に組み入れる形で近代日本が成立し(ここが大切な点だが)それが「自然な存在」として意識されていく仕組みを分析、つまり国家は発明されたのだから再発明も可能だらう、と(朝日新聞オピニオン欄)。1990年代の日本は近隣国との結びつきを強め「開かれた日本」になつていく道と、他方で「閉ざされた日本」への内向が共存してゐたが311を契機に内向きでナショナリスティックな方向に急激に傾き排外主義となる。国を愛するなら良い未来を作るため批判はあるはずが、それの許容がない日本。
▼北京の国慶節で飛ばす鳩一万羽、飛ばされる際に鳩に「宜しからぬ物」が付けられてゐないか夜通し一万羽をチエックした由。国慶節で天安門から「自由民主」なんて伝書の鳩が飛ばぬやう、の措置だが、もはや滑稽極まりなし。
▼日経夕刊で中村屋の十七代目、十八代目追善興行勤める勘九郎のインタビューあり。十七代目の二十七回忌を新しい歌舞伎座で、と企画してゐた十八代目の追善にまでならうとは、と勘九郎道成寺で花道に登場の花子が懐紙丸めて放るところを十八代目が、神谷町(勘九郎にとつては母方の祖父)、大成駒、梅幸がだう違ふか、真似して見せたといふ。これは勘九郎君の言ふ通り見事、最高だらう。想像しただけで面白さう。