富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

7月1日を「集団的自衛権の日」に!

fookpaktsuen2014-07-02

農暦六月初六。未明に目ざめる。折角なのでKLでもジョギングしようか、とホテルを出て走り始めるが道路が歩道は凹凸激しく車道は幹線道路ですでに車の往来もあり下水やどぶ川が臭ふ。兎に角、盆地のKLは空気が悪い。日の出前から開く飲食店も少なからずラダマンでは生活も大変だ、と同情したら皆さんW杯でベルギーvs米国を見にカフェに集つた男たち。結局、2kmほどのジョギングで終はる。午前中は市北にあるForest Research Institute Malaysiaへ。自然のやうで、かなり手の入つた研究目的のための森林公園で、何といふ樹木だつたか名前忘れたが空見上げると不思議と隣りの樹木と葉の絡み合はぬ不思議な木があり、同じときに植樹し同じ環境で育つから高さまで一緒なのはわかるが、なぜ隣木と干渉せぬのか、はまだ原因解明出来てをらず、と樹林案内する係員の説明。Canopy Walkと聞いて嫌な予感してゐたがジャングルの高く太い樹木に吊り橋渡し地上30mの高さを180mも木々を繋いでのCanopy Walkは高度恐怖症のアタシには汗も退き生きた心地せぬ恐怖だがアタシだけ遠慮と同行の輩に言へず膝をがく/\と震わせながらの高所散歩。一時間半ほどの森林散歩を済ませRoyal Selangorといふマレーシア代表する、日本でも高級百貨店でお馴染みのピューター製造会社の展示場兼工場見学。施設内の施設なカフェで昼餉。ショールームで「何も買はない、何もほしくない」と呪文唱へてはみたものゝ素敵なスキットルお買ひあげ。午後は市東部の郊外にある某大学に伺ひ会合あり。市中心の繁華街ビンタンウォーク。著名なショッピングセンターの数々。長い空中回廊でKLCC(コンベンションセンター)へ。昔は巨大な公園だつたが大規模な開発で、聳へるPetronas Twin Toweは現代のバベル塔の如し、世界中全く同じテイストのショッピンセンターやオフィスビル、アパートメント、高級ホテル、それらを隈無く結ぶ地下道……資本主義。ほてい屋と紀伊国屋書店。なぜ香港は旭屋なのかしら。Petronasの足下にある巨大なショッピングセンターにあるMadam Kwanといふ所謂マレー料理でやっつけ的な夕餉。ホテルに戻る途中、Pasar Malam Taman Connaught(康乐夜市)に寄る。ココナツアイスくらゐ頬張るつもりが榴槤好きなら揚げ榴槤食べないと、と同行のマレー人に勧められ試してみると、これがまぁ美味しいこと。榴槤の苦みが失せ甘み倍増、これなら榴槤嫌ひでも大丈夫ね、と話す。ホテルに隣接のスーパーで地場の安ブランデーの小瓶購ふと、マレー系イスラム教徒のレヂ係女性が酒瓶を、スーパーの袋裏返しにして手で酒の瓶に触らぬやうにしたのが印象的。客室に戻るが遉がに疲れて一杯だけ飲んで寝入る。
▼昨日七月朔日はこれから「集団的自衛権の日」。晋三による集団自衛権閣議決定明けの今日、日経は「アジアの安定に見取り図を」って韓国、中国の猛烈な反発喰らふばかりで何が安定か。「必要最小限度」の集団的自衛権行使という概念は「正直なうそつき」「慈悲深い圧政」と同じような語義矛盾、と朝日の社説は立憲デモクラシーの会の指摘を引用。片山杜秀教授は昭和10年代に好まれ使はれた「時務の論理」といふ言葉を引いて「危機の時代に対処するのは政治の務め」として法解釈も目先の都合に合はせ変へてゆく、その時務の論理がまさに復活、と。改憲せず勝手な解釈と閣議決定で事を済ますとは自主憲法制定が党是の自民党にあつて晋三は卑怯だが誰もそれを非難もせず。集団的自衛権とかさういふ小さな問題ではなく立憲政治の否定といふ最悪の行為を晋三が如き三流政治家にさせたのだから日本の政治体制がいかに脆弱なものだつたか、言葉もなし。半藤一利氏は生前の司馬遼太郎の「せっかく作り上げた戦後日本がこのまゝでは駄目になる」といふ言葉を回想し晋三を「中国の圧力に耐えきれず胸の内で「すごい抑止力を手にしたい」と考えてきたのではないか」「集団的自衛権を通さないと抑止力にならない」←これを妄想と断言。御意。岸信介安倍晋太郎とも親交のあつた清水信次(88)ライフコーポレーション会長曰く、集団的自衛権の行使に向けた動きは優先順位が違ふ、まずは近隣諸国との信頼構築、として「多くの同級生や戦友が中国南方、沖縄で戦死した。生き残りとして、国家の暴走を二度と許さずと強く思う。そのためにも歴史に学ぶ必要がある。戦争の何たるかを知らない現政権は非常に危うく心配だ」と晋三に苦言。
▼昨日の香港特区成立記念日恒例の市民デモ。主催の民陣は51万人参加で2004年の53万人に次ぐ隆盛宣ふが警察発表は9.9万人と5倍以上の差。それでも警察発表も10年で最も多い。香港大の民意研は湾仔での実測で15.4〜17.2万人。倉田先生が民陣の51万人と警察の発表足して2で割つて30万人といふのが面白い。午後3時にヴィクトリア公園出発したデモの最終尾は出発が六時間後で、湾仔のデモ通過開始から4時間後の人出が勢ひ変はらず。これで10万人ってことはないだらう。佔領中環派の市民は中環にデモ到着後、Chatter Rdに座り込み始め警察は午前2時すぎに検挙の警告を出し排除に取りかかるが佔領側は約束の午前8時まで座り込み貫徹。8時に自主的に解散し始めるが警察は500名だか観光バス借り切り検挙の由。だうであれ、この市民世論の盛り上がりに比べ晋三の集団的自衛権閣議決定に対する抗議の、日本でのそのなんて小規模なこと……。