十二月廿四日(土)曇。昨晩、風邪の頭痛で鎮痛剤飲んだせいか熟睡。目覚ましもかけず、でゆっくりと朝七時半起床。気温は摂氏23度。「バンコクでは」薄ら寒し。ホテルの37階のクラブラウンジで朝食。静かなラウンジで新聞ゆっくりと読みながら質の高い朝食。タイ式オムレツとご飯。珈琲もかなり美味。ゆっくりとして朝10時にY氏におつき合いいただきZ嬢と三人でSkytrainでMo Chit站に向かえば海外からの旅行者でSkytrainも満員は週末のWeekend Market開催日のため。巨大なアメ横。ペットショップ街から始めて結果二時間余いろいろ冷やかして歩くがもともと具体的な購入目的なきショッピングでは購入意欲起きぬ体質ゆゑほとんど食指も動かぬがサンダルウッド(白檀)のアロマエキスが300mlほどのボトルが500バーツ。香港なら勿論、一応英国の会社の一流品という触れ込みだが30ml入りの小瓶でHK$240くらいであるから300mlなら12000バーツで24分の1の値段、ということになる(品質は保障ないが)。これだけ購入。マーケットの中にそれなりの酒場あり。一憩と立ち寄れば昼前から一人で青色のマルガリータをピッチャーで注文し!美味そうに飲む御仁あり。この粋な酒飲みに通りがかりの西洋人が「朝食かい?」と冷やかす。「まあね」とマルガリータ氏が笑って答えれば「それじゃ俺も朝食をいただこうか」と冷やかした御仁も酒場に座る。二人の世間話聞けばマルガリータはベルギー人で冷やかした方は豪州から。バンコクは人を大らかにするか。それに釣られ普通のフローズンマルガリータ一杯。熱いところでシュガーシロップなしでフローズンマルガリータ飲むのはヘミングウェイへの敬意。煙台産の張裕というシャンペンの、しかも一升瓶入りのボトルまでこの酒場にあり。SkytrainでSiamまで戻り繁華街の恐ろしい混雑に三人でNoodiesという麺のチェーン店で麺で昼飯済ませる。午後は一人でSkytrainで市街をぐるりとSaphan Taksin站まで向かい水上バスでThonburi站の波止場まで北上し渡し舟で対岸のThanor Phra Chanに渡りThammasat大学の構内を抜けて国立博物館。Siamから国立博物館までこのルートは田端から渋谷に行くのに品川経由するようなものだがバスで渋滞の憂鬱回避。広大な博物館だがアユタヤとスコタイの仏像のみ参観。タイ式スパで按摩。極楽。早晩にAsok站でZ嬢、Y夫妻と待ち合せ歩いてO氏の営む咲乃家に食す。タイにくれば鮪のズケだがタイで漁れるそうな烏賊も刺身で美味。O氏の手打ちの蕎麦。Y氏の唐芥子の、蕎麦やうどんにかける量は尋常でない。そこまでしなくても、というくらい真っ赤。きつねうどんが真っ赤で「赤いきつね」とはまさにこのこと。食後SkytrainのAsok站に戻ればガード下に佇む物乞いの夫婦は毛布に寒そうにくるまる。こちらはTシャツ一枚でも寒くない。Y氏の話では「汗をかかない=寒い」なのだそうな。ホテルに戻る途中、繁華街に晩も遅く人ごみいくつかあり何かと思えばショッピングセンターやホテルの正面に巨大なクリスマスツリー飾られ、それを楽しそうに眺め携帯で記念撮影に興じている。マクドナルドですら合掌するバンコクで日本以上に敬虔な仏教徒の祝うクリスマス。ホテルに戻り38階のスパでバンコクの夜景眺めながら風呂に入る。
▼Y氏との飛行機談義でY氏の旅客機のミニチュア収集の話題から、どちらかといえば書斎に好きな飛行機会社のファーストクラスやビジネスクラスのシート再現するほうがまだ理解できる、という話をしたら日本では好事家になると奥さんにスチュワーデス着用のエプロンまで着せる方がいるそうで、もしかするとスチュワーデスのユニフォーム着せて飲み物や食事の提供などさせるとかなりのコスプレになるのでは?と嗤う。実際にいそうだが。
▼昨日、日本では陛下もお誕生日のお言葉は「国民とともにこの日を祝い……」と形式ばった挨拶しかできぬのでは、と書いたが、お誕生日をまえにした記者会見での陛下のご発言は多くがサイパン慰霊訪問から軍人とともに民間人の犠牲について多く語られ「日本は昭和の初めから昭和20年の終戦まで、ほとんど平和な時がありませんでした。この過去の歴史をその後の時代とともに正しく理解しようと努めること」の大切さを説かれる。ご発言の最後は「千代田と赤坂」の確執が噂されるなか女性皇族の役割の重要性から雅子妃の健康の回復を望まれる。