富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-09-02

九月初二。金。薄曇。バグダッドでの米軍統治下での数千人死亡の惨禍に続き 米国はニューオリンズがハリケーンの二次災害での洪水で数千人が命落とし(あのニューオリンズの救援の貧しさは何なのだろう。イラク侵略統治など止めて国 内の災害救援でもすればいいのに)、台湾は記録的な大型台風が襲い香港は家禽ウイルス、豚の連鎖球菌に鰻や淡水魚に発癌性物質、今朝の新聞にはメリルリン チ証券で年収数億円のユダヤ系米国人投資銀行家が03年11月に陽明山荘の自宅にて殺害された事件で妻が終身刑の判決、先週だか新界で7歳の塾帰りの少年 が賊二人に刃物で腕切断されかけ重傷は、この子の父親の浮気に嫉妬の義母(この少年の生母と父は離婚)が大陸の殺人請負業への委託。空恐ろしい話ばかりの 世の中なり。ハッピーヴァレイにて文房具屋に寄ろうと思へば隣の診療所の前で電話工事で水道管砕いたらしく噴水甚だし。文 房具屋シャッター卸しとても近づけず。Nikonの香港事務所にてデジカメD70sの取扱マニュアルを英語から日本語に交換。さすがに写真撮影などになる と日本語が、と思つたが外来語多く余計にわからぬ点も少なからず。マニュアルの他言語への交換、新規購入に融通きくのはさすがニコン社。Filofaxの 06年のリフィール出ており購入するともう気分は初秋。週末の競馬の予想紙並ぶ。季節到来。開幕日の香港特区行政長官盃は芙蓉鎮(Town of Fionn)、星運爵士(The Duke)に水星(Figures)と予想したい。The Dukeはあまり好きではないが行政長官盃といふことでSir Donald(厳密には彼はKnightであるが)は恐らく競馬場には来ぬだろうが爵士といふことで。衆院選挙。香港総領事館にて投票。早晩にFCCに憩 いハイボール二杯。酒を飲みながらのんびりと余の日剰の或る読み手の方からの優しいメールに返事書いて送信せばYahoo!メールの広告にデカデカと
同じスタートラインから何度でもチャレンジできる社会。民主党
と宣伝が。国政で政権狙う政党は「同じスタートラインから何度でもチャレンジできる」と思つていたら社会党と同じ轍を踏むことがわかつているのか民主党。 帰宅途中にジャスコで菊正宗、いいちこサントリー白角淡麗の三本購入。サントリーの黄角が香港に卸されてないのが残念。晩飯にNHKの9時のニュース見 ていれば「最近、バンコクで日本人の女性を狙った犯罪が増加しています」と。またロクでもないニュースと期待。昨年一年で90件以上。案の定、女性が若い 男性数名に誘われディスコなどに軟禁されクレジットカードでの買い物を強要され……と。誘拐であるとか強制連行ならともかく「誘われるほうがバカ」の類の 話、がアスペスト関連の法基準制定のニュースより先になる不思議。数日分の新聞読みNikonD70sのマニュアルも読む。
▼信報月刊に八月に米国から帰省中の元保安局長葉劉淑儀のインタビューあり。基本法23条立法に失敗し世論の反発くらい辞職の横柄なゲシュタボ局長も政治 から離れだいぶ険がなくなり尼僧の如く表情も和らぎ掃把頭(菷頭)と笑われた髪形もイメチェンして「きれいで知的な中年女性」と化す。当時「ヒットラーも 市民の直接選挙で選ばれた」だの「23条に関心のある市民などいない」といつた世論無視の言動が失策であつた、と認めつつ、言葉も和らぎ23条立法は当時 の行政会議で立法日程が立案されたもので自分一人が立法急いだのではなく保安局長という立法に直接責任のある立場で政府高官の問責性に則り立法推進したも の。だが実際には自分と法務長官の梁愛詩、政府の法律政策専門官の区義国と掃把頭子飼いの湯顕明(現在、税関長)の4名が奮闘しただけで他の問責局官員は 退いてしまつていた。自分はこの法制化のメッセンジャーでありメッセンジャー一人撃つても事は解決せず。ブッシュがイラク政策の失敗でも引責辞任せぬの に、と自分が世論とメディアの攻撃の矢面に立たされ一人引責、と回顧。香港の政治行政について政務官(上級公務員)はわずか数百人で香港の目前の複雑な局 面で政務官に任される任務は大きいが行政に政治的要素や法律など専門性が加わることの難儀を指摘。だいぶ「角もとれた」掃把頭であるがやはり許せぬ敵は許 せぬわけで立法会で「三無局長」「騙子」と罵られた東亜銀行頭取李Baby國寶や民主党の?謹申議員(最近、議員事務所経費醜聞で立場なし)に厳しい苦 言。で最近は九月からスタンフォード大学の博士課程で中国歴史と文学を研究だそうな。
▼中環のMTR站にあるGiordanoの店は香港鼠楽園開園で「二匹目のネズミ」狙いで米奇ネズミや白雪姫キャラのTシャツ一色。香港天文台までが香港 各地の気象データ見せるサイトでなぜかランタオ島に近い坪洲のみカメラ具え(ヴィクトリアピークにすらないのに!)24時間、坪洲からディズニーランドが 眺められるサービス開始(こ ちら)。昨年のGreenpower香港トレイル50kmが香港鼠楽園がスポンサーとなり「敢えてスヌーピーのTシャツ」で参加し抵抗示したが香 港鼠楽園には行く気もせぬが帽子からTシャツ、靴までPeanutsで訪れると入場阻止されるのだろうか。
▼『コンセルジュ香港』誌の巻末にフーディ=ウィリーといふ人の「今月のうまいもん」といふレストラン紹介の頁あり。フーディ=ウィリーといふ人、本人の 写真なければ誰だか見当もつかぬが、これが唯霊氏。40回の連載になるが不思議なこと一つあり。あちこちのレストラン紹介するが唯霊氏の信報の連載と「か ぶる」のは余の印象に残るのは中環の京味居など幾つかのみ。あとはこのコンセルジュでの連載は信報の連載を読む者としては「唯霊氏らしくない」店の紹介が 多い。当然、食して評価できる店を紹介しているのだろうが信報の連載のなかだけでも唯霊氏の週の半分近くの食生活は見えるわけで、行きつけの店がかなり多 く、そのなかでどうやつてコンセルジュに紹介している店に訪れるのか、と思ふ。而も信報の連載にコンセルジュで紹介の店が紹介されることなど余の知る限り 皆無に近い。コンセルジュで紹介する店は新しい店が多いことが気になる。おそらく、であるが唯霊氏は食道楽の評論家であるだけでなく香港飲食店経営者協会 の代表者である、と書くとあまりピンとこないが英語名はFederation of HK Restaurant Owners Ltd.=私営企業でこの代表である。香港の飲食業発展に寄与しているといえばその通りだが当然、唯霊氏に評価され=宣伝されること期する経営者にとつて 大切な組織で、唯霊氏の立場はたんに食通の随筆家にあらずプロモーター。コンセルジュで紹介される、唯霊氏がそれほど頻繁に訪れているとは思えないレスト ラン。フーディ=ウィリーは唯霊氏とは別、と思つていたい。それにしても、蔡瀾が美食坊なるテーマーパーク的な飲食施設を香港ばかりかマカオにまで作り (東京進出も必至であろうが)単なる美食家でないように唯霊氏も評論家でありながら飲食店経営者協会の代表といふのも「むしのよすぎる」話。
▼今月下旬に予定される立法会議員の広東省視察で注目される「長毛」梁国雄君の言動。本人もこれまでの反中央の立場でどうするか悩むところであろうが陶傑 氏が今日の蘋果日報の論壇で「毛沢東とて蒋介石との国共合作図るため延安から重慶談判に飛び蒋介石と面会した際に「打倒国民党!」「このハゲ頭!」と叫ん だか」と。叫ぶはずもなく蒋介石と杯を交わし最後には蒋介石委員長万歳とまで宣ふ。梁国雄君も広東省珠江デルタの経済発展の視察なら香港資本の工場で労 工が心血注ぎどう働いているのか、湖南省出身の作業員と一緒に食堂で飯を食い日当がいくらかのか尋ね中国の現実を見ればよい、と。
▼昨日の信報に郁慕湛といふ人の上海が国際金融中心に成り得るか如何の論文あり結論先に述べれば、否定。上海すでに国内の金融中心と成り得たが、国際金融 中心と成るに難き理由のまず一つが「首都にあらぬ」こと。中国の経済金融の監管部門が北京にあり中国の四大商業銀行の本店も中国人壽など三大保険会社も証 券会社から国債ま迄全て、更に国際企業の中国の本社の多くも北京にあり。紐育は首都に非ずとも国際金融の中心であるが少なくとも米国の金融が紐育にて動く のに対して(華盛頓の政治と紐育の政経分離)上海が担う金融は北京の匙加減一つで如何様にも動くもの。さらに国際金融都市になるには人民幣の自由兌換含む 金融自由化、健全に金融市場を護る法律体系が必要だがこれが備わらず上海自身が自主的に経済政策決定できぬ状況で国際金融センターに如何になろうか、と。 確かに。だがそれでも投資のために国際金融センターらしく見せることは難易ならず。法体系が整備されるのと儲かるのと、どちらが大切かといへば投資社会で は後者。国際金融中心の環境整備された香港と環境整備はひどいものだが儲かる上海のいずれがお得かは明らか。

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