富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月六日(水)快晴。酷暑。早晩にジムで一時間の有酸素運動。帰宅。冷凍庫に冷した赤唐辛子入りのウォッカお猪口に二杯。トマトの冷スープ、茄子の冷菜、カレーライス。カレーの時はなぜかいつもバーボンソーダでワイルドターキー。NHKの局内改革に向け各界人士からの提言が数分のプログラムになっており瀬戸内寂聴女史が物申していたが、そのプログラムの題は「まっすぐ真剣」と云うものでNHKが実直なのはいいが「まっすぐ真剣」の絵柄の矢印がしっかり→と右を向いているのは偶然か。自民党のオトーサンたちに媚びて右を向かぬよう祈るばかり。数日睡眠不足続きかなり眠い。書棚にジョン=ダワー『敗北を抱きしめて』の上下巻が目にとまり、読了しているのに内容の記憶浅く健忘甚だし、と落ち込むが下巻をふと手にすれば「まだ読んでない」ことが発覚。上巻読んで終わつていた、で下巻まで読了していたと信じていることがさらに痴呆。慌てて下巻を少し読むが睡魔甚だし。
▼2012年のオリムピック大会の開催地が倫敦に決定。「開催地は倫敦に決定です」という発表で、やはり気になるのは97年のこの選定の際になぜあの時だけ2004年の開催地は「北京……ではなくシドニーです」といふ言い回しだったのか。偶然か。北京は、あの最初の「北京」といふ言葉で狂喜し「ではなくシドニー」の発表に唖然。結果的にバカにされたのは明らか。それのお詫びで08年開催が北京になつたといふ噂もあり。で倫敦だが今以上に物価上がるのだろうか。倫敦招聘のためのイメージビデオはなぜか黒人の子どもたちばかり映る。意図的。巴里への誘致のためのビデオでは志楽大統領が語つていたが、どうせなら「巴里が開催地になったら相撲も競技種目にします」と語りかけ四股を踏むでみせたり、とか。倫敦開催までエリザベス二世女王がご健勝であられることを。ところで倫敦はこのオリムピック開催場所として倫敦市東部を「開発」とか。英国の最貧困といわれるニューハム地区がこの場所に含まれる。倫敦は昔の下水の劣悪環境などもありテムズ川下流が疫病蔓延し易いと嫌われた結果そこが貧困地帯となつたもの。
▼サミットに小泉首相5回目の参加。ころころと執政者が変わる印象強い日本で小泉長期政権は「これだけ見れば」好印象でもあるがブッシュ三世とは仲良しでも言葉通じぬのだからどうしようもないのだが。NHKのニュースで「参加が5回目となる小泉首相は今年、サミットで何を訴えるのか」といふ語りに思わずZ嬢と二人で「靖国参拝郵政民営化!」と答えてしまふ。
▼連日猛暑続く上海で電力消費が限界に達す。すでに先週の消費電力量が1640万キロワット(昨年の最高1500万キロワット)。今夏の電力消費に応ずるべく二機の発電機増設したが132万キロワットの増量では摂氏39度の猛暑に耐えきれず。現在は483万キロワットを市外から上海に送電し対応しているが限界。インフラ整備を越えた上海の「成長」ぶり。
法輪功がまたも中国で電波ジャック。3日日曜日版に15分にわたり国営放送の中央電視台と12の地方局について上海から華南にかけて電波ジャックがあり法輪功弾圧非難のビデオクリップが流れる。香港のAPTなるサテライト放送会社が明らかにしたが中共にとつての国家的侮辱と思えば、この会社もどういう背景の会社か知らぬがお気楽にこういう国恥をば公表してしまひ良いものかどうか。法輪功がいかに危険団体か、の宣伝と思えなくもないが。いずれにせよ法輪功中共相手にここまでやるとは怖れを知らず。かつてBBC特派員の某君が「中共という巨大カルトに挑む新興カルト」と評していたが。
▼朝日の社説(こちら)は卒倒起こすばかり。郵政民営化について朝日の立場よくわからぬずにいたが「ポスト小泉をにらんだ動きも強まるだろう。その中でどう指導力を取り戻し、民営化にこぎつけるか。背水の陣で臨んでもらいたい」と小泉三世への民営化絡みのこの強烈なエール……。それに比べ読売の(こちら)「多くの有権者にとって、郵政民営化法案をめぐる攻防ばかりが目につくのでは、「政治」が、遠く見えるのではないか。読売新聞の世論調査では、有権者小泉内閣に優先的に取り組んでほしいと考える課題は、何よりも景気対策60%、年金など社会保障制度改革56%だ。雇用対策、北朝鮮問題、治安・犯罪対策などが30%台で続く。郵政民営化は、調査の17項目中、16番目で、7%に過ぎない。日本の将来の基盤を築く上で、重要課題が山積している。終盤国会の課題は、郵政民営化法案に限るものではない」となんと真っ当なことか。ちなみに産経は今日の社説に「明治生命」と「NHK」である(笑)。国論を二分?か少なくとも国会を二分する事態に社として何も申し述べることなければ言論機関としての責任放棄、と築地のH君(だがもともと言論機関というよりは広報機関か)。威勢よく白黒はっきりさせることだけが自慢の「正論」路線は何処に。産経にしてみれば「自民党政府支持」はいかなることあつても動かせぬが郵政反対派には森岡、平沼両君の如き謂わば身内の「正論派」多く政府支持も反対もできず、か。と思えば朝日の今日のこの社説での迷走ぶりも、郵政民営化反対を主張すると森岡、平沼両君らと手を組むこととなり、それへの反発か。これぢゃいまだに田原総一朗小泉改革支持すると言つているのと同じ、つまり常人には理解できぬ思考回路。で社説はひどい朝日さが朝日で可笑しいのは過去に民営化反対の立場で今回はそれを翻し賛成にまわつた議員の一覧あり。主張一貫せぬ、こういう人たちが常に政局を左右したり戦争へと向かう道に進む力となる事実。

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