富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月十三日(月)晴。某日本料理屋で昼にふぐちりがあると誘われるが入荷せし河豚がイマイチ、と鱈の 白子の鍋となるがこれも美味。鏡割りと餅を善哉で頂く。晩に乗っていたタクシーでラジオからビージーズが流れる。そのメンバーの一人が亡くなったと新聞に 訃報あったがラジオではギブさん三兄弟でBrother Gibbsのイニシャル取ってビージーズだとか。訃報といえば深作欣二監督、すでに前立腺癌がかなりひどいことを公開して「バトル・ロワイアル2」の撮影 に入っていたそうだが仁侠物もアクション物も殆ど見ないため深作作品も『蒲田行進曲』を見たのみ。だがテレビの「キイハンター」や「傷だらけの天使」が深 作作品だったと今日訃報で初めて知る。あの掠れた感じが深作カラーだったと思うと出きればウルトラセブンウルトラマンでは非ず)も深作演出があったら もっと凄い作品になっていただろうと制限速度時速50kmの路線工事中の東区走廊を100kmで爆走するタクシーからハーバーを眺めつつ、そう思ふ。久々 に『週刊香港』誌に連載始まるので初回の原稿に呻吟。「老舗の風格」という題で料理屋紹介の随筆。じつはこちらからの持ち込みネタにて文藝春秋社から昭和 44年に『香港台北いい店うまい店』といふ当時にしては革新的な海外グルメ本上梓され、その中から今でも残る店を尋ねて歩こうといふ企画。料理屋紹介ばか りでたまには曾てのSouth China Talking Hostのやうな書きたき事を勝手な視線と理論で書きたい気もするが時節柄元気なき社会にてかうして自分のサイトがあれば何の制約もなく言いたいことを綴 れもする。NHKニュース10にて朝鮮中央放送の「子どもの時間」といふ反米思想満載の教育番組を見る。「われわれは米帝とはひとつ同じ空の下生きていけ ないのであります」というメッセージは秀逸。御意。私も同感。原語の意味は解らぬがどうもNHKの翻訳があの朝鮮語のノリをなんか「それ風」の日本語にし ていると思えてならず。NHKのソウル支局長の望月なる人は「亀戸駅前のキャバレーの支配人」っぽい雰囲気(錦糸町じゃ なくて亀戸)、彼の背後にあるソウルの夜景がどうしても亀戸のネオン街に見えてしまうのだった。同じ朝鮮中央放送からは集結させられた平壌 市民が「アメリカの帝国主義者をこの世界から抹殺せよ」という主張に「抹殺!、抹殺!」とシュプレヒコール(撲殺だった か?)。けして合衆国国民全てを敵にした「反米」なのではなく「反アメリカ帝国主義」なのであって(これ は大切なこと)、純粋にアメリカの帝国主義者は「いると困る」ので「いないほうがいい」と、それだけとれば真っ当。ところでNHKの衛星放 送、日本での放映権しか買っていないから「著作放映権の関係で」と、わずか数秒とてナカタもイチローも衛星では映せぬのに何故に朝鮮中央放送だけは「子ど もの時間」とか丸ごと流していいのだろうか。北朝鮮は悪で、その悪を報道する大義名分?、悪の枢軸局だから著作放映権もないってか?、どう考えてもあの 「子どもの時間」の番組の著作権将軍様にあり、勝手に使うと怒られるぞっ。朝鮮といへば何故ニュースの文字にキムイルジョン(金正日)総書記と、カタカ ナ(漢字)式で書かれるのだろう。少なくてもハングルでは日本で通じないにしても金正日という名はハングルの音とつながる正式な朝鮮でも通じる文字であり 日本も同じ漢字を使うのだから金正日(キムジョンイル)総書記と書いて正式漢字名(仮名読み)とすべきれは? 朝鮮といへば米国の国務次官と対談した韓国 の次期大統領「も」英語がダメ、台湾の阿扁総統も英語はからっきしダメ、日本の首相は「当然」ダメ、つまり米国にとっての東アジア軍事同盟での日韓台とい う枢軸の全ての国家元首、首相が米国と言葉が通じない! 米国がイランや北朝鮮攻撃に出るなど有事発生の場合、どうせ話してもあまり実のある話はないだろ うがブッシュ(彼自身の英語も危ないが)から電話があっても直接話せないのだ。米国に忠誠を誓いイーズス 艦派遣の前にまず英語が通じる首相を! しかしこの英語の通じぬ米−日韓台の関係は米国にとっては楽だろう。余計な説明もいらず、下手に賢明な相手にブッ シュを諭されるようなこともなし。そういへば反米といえば元ジャズベース奏者でウクライナ正教会のソプコ司祭が昨年10月に市内の学校で予定されていた 米国流ハロウィーン行事を「これは魂のテロリズムだ」として中止を呼びかけていた、と(朝日)。司祭自身 がジャズマンであり文化帝国主義への抵抗。米国の文化帝国主義といへば昨日「香港ディズニーランド」の起工式あり。大嶼山(ラ ンタオ島)の自然豊かな湾を香港政府が埋め立て鉄道を通しディズニーはそのインフラの整った更地に遊園地建設し営業するだけ、そこまで好条 件を提示して上海に競り勝ったディズニーランド、土地埋め立てが終わり三年後の開幕の起工となったが董建華はじめ政府高官など式に参加した面々の式典での ディズニーキャラが踊る舞台見る無邪気な笑み。ディズニーといへば千葉県浦安市は昨年に引き続き好評だった浦安デズニーランドでの成人式開催。成人式を迎 えるガキもガキだがガキのガキらしさは今に始まったことでなく中上健次世界だってガキはガキなのだが少なくてもオトナは曾て今日日のように成人を迎えるガ キ共に媚びてはおらず。「おまえらバカか」と叱咤できたのがオリュウノオバだのトモノオジの世界。
▼一瞬、ここは常磐線牛久駅前商店会か、と思った。帰宅したら郵便でStandard Chartered Bankから創立150周年記念の香港の顧客対象のLucky Drawつまり福引きだね、それの申込用紙が届いている。世界的にも有数の英国系大銀行であり香港ではHSBC中国銀行と並び発券銀行、それが重要なる 基盤である香港で創立150周年の、福引き。せめて一等はベンツ1台、二等でも世界一周ファーストクラスの旅とかアマン系リゾート優待ぐらいにしてほし い。それが一等はパナソニックの42型モニタ1台、二等がSamsungのノートパソコン5台、三等Samsungの携帯5台、四等がニコンのデジカメ 10台、五等が安っぽい記念金貨150枚……牛久駅前商店街だって香港旅行くらい一等にしやせぬか。しかも景品とてどうせタダがタダ同然での入荷、安っぽ い記念「金色」幣くらいしか身銭きらぬとはあらためて銀行のセコさに唖然とする。