富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月二日(金)曇。総領事館と海外邦人安全対策連絡協議会の名にての香港でトラブルに巻き込まれぬよう邦人に注意を促すチラシ(本年七月発行)あり「茶髪・長髪おしゃれは程々に」なる注意喚起は注目に値し「俗に言うチャパツ・ロンゲはまだ香港では認知されているとはいえません」そうで「少なくとも男性のチャパツ・ロンゲは異様な目でもって見られる可能性があるということを自覚しておいた方がよいでしょう」と続き一例として地下鉄で痴漢行為を女性に訴えられた男性がおり「その人はチャパツ・ロンゲだったため、裁判ではその容姿が裁判官の心証を悪くしたとも言われております」そうで「流行にのることもいいですが、時にはそれが不利に働くこともあるということでしょうか」と。この感覚に唖然として言葉もなし。70年代はじめのシンガポールでもあるまいに香港は容姿には寛容にて裁判にて容姿が裁判にて心証を悪くするようなことが司法にあってはならず而も「言われております」などという憶測。こういった容姿ファッションにかかわる事は回教国での宗教的禁忌としての風習を紹介するものでもなければ公的な機関が注意喚起などすることに非ず。痴漢=中年太りのハゲオヤジというほうがよっぽど社会的通念だと思うが(笑)。変人と名を馳せし首相小泉君今夏の靖国神社参拝を違憲だなどとして在韓の旧日本軍人の遺族らが大阪地裁などに提訴せしことにつき小泉君「話にならんね。世の中おかしい人たちがいるもんだ。もう話にならんよ」と強く批判。官房長官福田君は記者会見にて提訴につき「そういうことを言って、小泉純一郎の信仰の自由を妨げるというのは、それこそ憲法違反じゃないですか」「どこが憲法違反になるんですか。総理大臣である小泉純一郎が参拝したんですよ」と語り政教分離を求めた憲法には違反しないとの認識を示す(以上、朝日新聞)。放言癖を拗らせて亡くなった渡辺美智雄君ならまだしも首相のこの発言と思えば中曽根大勲位すら小泉君に比べれば良識派と思えすらするもの。原告も実は小泉君を「おかしい人」と思い提訴したのだろうが、変人と名を馳せるその「おかしい人」に「おかしい人」と云われしことはつまりは正常ということか(笑)。小泉君も小泉君なら福田君も福田君、「小泉純一郎の信仰の自由を妨げるというのは憲法違反」と宣うがこれは小泉君の個人の信仰の自由を妨げるものではなく政教分離憲法が謳う国家の首相が靖国参拝したことに対し訴訟をおこした「だけ」にて福田君の論理的思考性の欠如にも呆れる。小泉君の「おかしい人」発言に対して真意は「違憲とする発想が理解できない」という意味であり「おかしい人」なる言葉が不適切で誤解が生じたことは遺憾、とでもすればよく、小泉君の援護射撃にまわり火に油を注ぐとは。歴代の後藤田君、小渕君ならどう対処したかと想う。ちなみにロイターによると英語では"It doesn't make sense. There are many strange people out there."となっており新華社は二日昼の時点では訴訟のみ伝え小泉君の「開玩笑!、世界上有很多奇怪的人」?の報道はなし。『信報』の発行人・林行止の専欄は地軸の狂った社会にある私に毎日の清涼剤であるが林先生の博識と知識欲には敬服するばかり、オサマ・ビン・ラディン師の名前がOsamaとUsamaと異る綴りはTransliteration(音訳)とRomanization(ローマ字化)の違いにて音訳に従えばUsama ibn Ladinとなるが流行のペルシア湾岸方言にて同音のbinは「……の息子」を意味し同じ音が他地方ではibnにて即ち「UsamaはLadinの子」。それ故に当初Ladinと呼ばれていたが急きょbin Ladinとなったのはladinでは不確か「Ladinの子」こそUsamaのことなる意の由。築地のH君とのメールやりとりの中で華国峯同志が「今の共産党はかつての国民党とどこが違うのか」と離党届けを叩き付けたという報道、話題になり、齢80を越え決死の覚悟での自己アッピールか。数週間後の急死あらんことを祈る。ところで趙紫陽同志、ガンとして自己批判を拒否し軟禁状態ながらたまにはゴルフを楽しむとはリタイアでゴルフ三昧、リベラル派、さらにフチの太い眼鏡では、おお、これは中国の大橋巨泉か?とH君。御意。ジムに行きZ嬢と待ちあわせ中環はエスカレーター下の Big Boss Thai Food Restaurant(有大食大)、タイの諸君が会食多く中環では信頼のおけるタイ飯屋。