富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月三日(土)晴。朝『蘋果日報』読めばLai Chi Kokの公園にて鯉など観賞魚多き池の清掃にて水を抜き魚を別な小池に移すがため捕まえるには浅水のほうが楽は判るがその浅き池にて魚は傷つき酸欠にて既に命尽きる魚少なからず而も移されたる小池に数百匹の観賞魚酸欠という「虐魚」事件発生す。ただこれだけなら池清掃の不手際だが記事見出しには「千魚淺水○扎、日皇學弟指控」とあり、この出来事を始終目にし虐魚を指摘し人が「天皇陛下の学弟」とはいったい誰ぞ。学習院で陛下の後輩にでもあたる日本人が美孚にでも住んでいるのか、美孚といえば大手ゼネコンか(笑)とまで察したが、この御仁は黎氏(53)と云い海産貿易を生業とし自称養殖魚専門家にて曾て日本にて海洋学を学び畏れ多くも先帝(裕仁)が其処の学長を務めていた、と。先帝といえばヒドロ虫、その学術的ご研究は「日本産1新属1新種の記載をともなうカゴメウミヒドラ科のClathrozonidaeのヒドロ虫類の検討」(下々の者には「クラゲの新種発見と分類」とでも説明されしものか)などありその業績は海洋生物学界にて博く評価されしものなれども先帝が学長とは余の無知か黎氏の誤解か。遅朝に寶雲道走る。記録更新にて46分21秒。午後、沙田にて競馬。年に一度恒例の楽聲盃(National Panasonic Cup)にて香港、中国にて松下電器製品を汎く販売する信興集団は創設者・蒙民偉氏が40年余前に松下幸之助を尋ね香港での松下製品の販売を願いこれを松下翁が承諾しそれ以来いまだに契約書もなき信用にて商売続くは松下神話の一つとして今でも語り草の逸話。この蒙氏が提供する競馬開催日にて松下関係者多数来賓として多数来場し接待盛ん。メンバー席にてレース開催前に昼「西村」に入り握りとかっぱ巻きを注文するとかっぱがないといわれ鉄火巻きにしたが出てきた寿司は西村にしては寿司を握る自信なき顔の板前を見ればさもありなむというお粗末さ。そういえば昨シーズンはいい板前がいたと思いふと見れば店の名が「西村」より Go Go Sushiに(笑)。メニューもかつては赤貝から小鰭まであった寿司、刺身のネタが極端に減りわけのわからぬ日式麺が増え、上がりは寿司屋の大ぶりの湯飲みに粉茶のはずが小さな湯飲みにほうじ茶、どうも西村が降板して日式になったか、という気配。失格。楽聲盃は6番人気のElectronic Unicornが133磅を背負って優勝。厩舎が姚より新参のJohn Sizeに移りSize厩舎は僅か22戦で6勝と勝率27.3%、3着入賞率59.1%と断トツ。全く馬券当たらず。帰宅して湯豆腐。