富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

25th anniversary of the handover of Hong Kong

気温摂氏23.8/35.9度。快晴酷暑。朝イチでМ先生の娘さんから電話あり。弔花がもう花店から届いたさう。明日がお葬式でご遺体は病院の慰安室にあるのか、これから丁度出向くので枕元にお花を据ゑてくれる、と。花店さんのお届けが朝早くだつたのがありがたい。新聞で訃報を見た教へ子からお弔ひがいくつもあつてご遺族もМ先生がもう小学校教諭の現役引退して40年近いのにと喜んでをられた。

一昨年に廃業した老舗の和菓子屋は立派な店構へがそのまゝになつてゐるが店先に錆びたワゴンに「御自由にお持ち帰り下さい!」と使ひ古した毛布やタオルケットなど山積み。どこの家にも余つてゐるやうな寝具で災害時とかならまだしも持ち帰る人もなかなかゐないだらう。それにしても汚らしい。洗つてきちんと畳んであるくらゐしてほしいが、これぢゃ処分が面倒だから外に置いておけば誰か持つていつてくれるだらう、か。昔の商店街でなら考へられないが荒んでしまつてゐる。

本当に酷暑が続き夕方も気温は摂氏30度を下回らぬが水府はそれでも常陸沖からの東風が吹いてくるのだけはありがたい。能楽に少しずつ接するやうになり一吹きの風や月の輝きにも何かしらの物語を感じるときがある。この信州長谷寺と月の話などハガキで読んでもいろいろ想像が生まれる。

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佐伯啓思「普遍的価値」を問い直す :朝日新聞

「9条を守れ」というより前に「国を守る」という事態に直面するかもしれない時代に「国を守るとは何を守ることなのか」という問ひを己に向けなければならない、と佐伯先生。自由、民主主義、法治を「普遍的価値」として、さうしたことを標榜する主権国家が形成する秩序ある国際社会に対して中国やロシアが異を唱へる。だが実は米国が引導するグローバリズム、IT革命や金融システムの改革こそ、これまでの普遍的価値と主権国家体制にとつての最大の敵なのかもしれない。憲法第9条の平和主義は「事実上条件付き」なのは、なぜなら9条の武力放棄は憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」を受けてゐるのにいるのに今日の世界ではもはやこの条件(平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して)が成立してゐない。「理不尽な暴力に屈することをよしとしない矜持」これを福沢諭吉的にいえば「独立自尊」といふことになるが、それが試される時代。

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本日、香港返還から25年。50年不変の丁度半分の25年で不変とは真逆の大きな変化。

25th anniversary of the handover of Hong Kong | The Guardian

英国のT君より教へられた、このガーディアン紙の記事は秀逸。とてもよくこの25年を語つてゐた。


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昨日、習帝が高速鉄道で香港来臨。リンテイ市長夫妻と何某(次期市長の李P家超?)が出迎へ。握手なしで手を振る帝に対して手を振つてしまつたリンテイ亭主(林先生)さすが。この御仁らしさ。それに比べ陰鬱な表情のリンテイ。

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祖国愛を歌ひ上げる成龍(ジャッキー=チェン)、劉徳華(アンディ=ラウ)、譚詠麟(アラン=タム)らの姿。芸人は権力に阿なければならない。

慶祝香港回歸祖國二十五周年文藝晚會(TVB) - YouTube

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良識の府たる参議院で立派な見識と態度が示されれば「おニャン子クラブの名前を汚さず」と褒められもしようが当選は議員にとつての目的ではないはず。だが票になれば立候補者など政権に阿る者なら元アイドルでも芸人でも誰でもよい自民党。それにしても比例代表ならまだしも首都の地方区で自民党はこれを擁立するとは有権者をナメてゐないか。