富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

G20

農暦五月廿六日。早朝の驟雨で陋宅の前に見事な虹。

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夕方にまた本降りとなる。銅鑼湾に〈打書釘〉といふ私設図書館が昨年からだか在り。

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英語では“Nose in the Books”でさしづめ「本の虫」だが「打書釘」は香港の広東語で「立ち読み」。書釘はホチキスで、ホチキスを打つのが何故「立ち読み」なのかは知らない。

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香港大学比較文学やつてゐた司徒薇先生の人文科学関係の蔵書が元。

2016年,司徒薇決定離開教席,進入佛學院深造,惟她那與研究相關的一萬本人文科學文化研究書籍帶不走。一般退休的教授會選擇將書捐去圖書館,然而,司徒薇與一眾學生卻認為,該批書應在社區流傳,讓非做研究的人也能接觸。「打書釘」成員小風指,成立圖書館是希望將理論式的知識在社區承傳。
於是一群學生開始四處為老師的藏書找容身之處,幾經波折,終於有業主願意以低過市價的租金租了恩平道一唐樓單位給他們。小風稱,當初業主是想做一些與文化有關的東西,聽了他們有關於人文圖書館的理念後很感興趣,於是便有了地方成立圖書館。

といふことで銅鑼湾の一等地にある奮い雑居ビルに、この鄙びた空間がある。建物の外は路上に通行人が溢れるが恩平道で幸ひ自動車通行がないので打書釘のなかは静か。音楽もなく誰も話もせず禅寺の如し。

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フーコーだけが書架の中で扱ひが違ふのが何とも好感がもてる。

▼香港のG20に向けた意見広告、海外の各紙に!といふ運動が実現。

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日本でも今朝の全国紙に。

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……あれ?日本版ちょっと違和感ないか? 他のは“Save HK at G20”とか“Stand with HK at G20”なのだけど日本版だけ「G20に向けて」がない! 右下に小さく #G20 とあるのみ。報道規制はないはずなのだけど、お得意の“配慮”? それに英語のメッセージとレイアウトも気になるところ。よーく見てみて“We resist, for what we deserve.”なのだとわかるが「守るに値するものを守る」では禅問答の如く、しかもレイアウトが上下に分かれすぎ。しかも“deserve”は「日本語にぴったりの言葉がない」で英語学習で日本人が苦労する言葉の一つ(解説)。これぢゃ漠然とし過ぎだらう。そして(これは123さんの受け売りだが)主語の“We”は通常「我々」と思ふが、こゝでは日本語で「香港人は」なのだ。日本人ではない暗喩。英語版の“Save HK at G20”や“Stand with HK at G20”は香港人と我々の同調なのだが。いろ/\な配慮や忖度の結果が、かうして意味を曖昧にしてワケのわからないものになる……まさに日本らしさ。

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台湾で蘋果日報に掲載の意見広告。これはやはり中共に直接対峙の自由台湾ゑ文章に他とは違ふ重みあり。

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……で、晋三の早口の辿々しい議長ぶりで始まつたG20、大阪サミット。なんだ……この狭さは。一間幅の長机にトランプ、安倍と習近平が肩寄せ合ひ……不憫の極み。さすが「ウサギ小屋」と呼ばれた日本らしい生活環境の貧しさよ。タイトな長机になると国際首脳会議が町内会に見えるから。これが日本の「おもてなし」か……日本の普通の会社で会議ぢゃないのだから。ちなみにこの長机はレンタル会社でも着席目安は2〜3名で推奨人数2名。レンタル品、C付き会議テーブル1845幕板 白の紹介|TKPレンタルネット

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やはり国際首脳会議は(前回?)これ(下の画像)くらゐの環境でありたい。

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欧州のやうな宮殿で、と迄はいはなくても。

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言ひ訳としてはG20開幕直後の、これはあくまでも「デジタル経済」といふコアなテーマ巡る「首脳特別会議」であつて本会議ではない、か。この「デジタル経済」で晋三が何だかわからぬが「大阪トラック」なるもの提唱……「ウチの会社や、それ」やろ、大阪の運送業者。

グローバル化で世界は狭くなつた。それでも「袖振り合ふも多少の縁」か。

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この狭さが「3人がアップで写真に収まり新聞やテレビで配信されるやう」晋三への小役人による忖度もありやなしや。構図も決まつてゐるしインスタ映へ……一人だけ相変はらず無表情でつまらなさう。習近平は「所詮、戦争で負けた国が宗主国にお愛想売り」としか思つてないのでせうね。

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晩にNHKのNW9で見てもG20の内容の無さもさる然ること乍らNW9でコメントする華盛頓、北京の支局長も小物で「政治部の原さん」もテンパつてしまつてゐてお話にならず。

晋三が習近平に対して香港について言及。もし晋三が香港に立ち寄つたらかなり歓迎されるのでは?

 Western leaders urge Mr Xi to see the harm that his party’s clumsy actions could do to Hong Kong, a valuable place. Alas, each year brings more evidence that Mr Xi sees things the other way round. He worries about what troublesome places like Hong Kong might do to the Communist Party.

After previous mass protests in Hong Kong, the central government staged tactical retreats. It allowed the territory to drop contentious laws, then quietly tightened its grip. The party stepped up funding for loyalists to run for local office. It leant on businessmen to support government plans. Tame tycoons bought up media outlets. Political veterans expect more such efforts. Hence the pro-democracy camp’s caution. Its members may fear confronting Mr Xi. He does not fear confronting them.