富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

粛々とキャラウェイ高等弁務官ってか、見事。

fookpaktsuen2015-04-06

農暦二月十八日。猛暑。昨日の清明節が日曜日で代休。新界のサテライト基地から始まつた仕事済ませ夕方整体按摩。晩二更に中環、市大会堂。香港映画祭も今日で閉幕。映画『ラストエンペラー』が3Dださうで確かに幼少の溥儀即位のシーンなど紫禁城の壮大さが3Dで見事。ベルナルド=ベルトルッチ監督は凄い。だがそれ除くと最初から3Dなんて意識もしてゐない映像なので3Dであることも忘れて平面的な世界に映る。この映画も「ついこの前」のやうだが1987年でもう28年も前の作品だとは。ジョン=ローン様も頑張つてゐるが何度見ても子役が上手で十代の溥儀演じた少年が適役すぎて。だが戦犯収容所出て庭師となつた溥儀の老け役のジョン=ローンの役作りの上手さは今回しみじみ。どーでもいゝことだが晋三の内閣で官房長官の菅某が「どこかで見た顔だ」と思つてゐたが、これってこの映画で戦犯収容所で溥儀の供述書き留める秘書とクリソツなのだつた。映画終はり半夜三更だが急なミッションあり仕事完了で帰宅は午前3時に至る。
▼昨日の官房長官菅某の琉球王国訪朝。翁長知事接見。辺野古移転が唯一の策といふ菅某に翁長知事「どんなにお忙しかったか分からないが、こういった形で話させていただいて、その中から物事を一つひとつ進めるということがあれば、県民の理解はもう少し深くなった」と知事就任から面会まで約4カ月かかつたことを批判。続けて全国の面積の0.6%に過ぎない沖縄県に米軍が日本に持つ軍事施設の74%集中してゐる現状訴へ「沖縄県が自ら基地を提供したことはない。私たちの思いとは全く別にすべて強制接収された」と指摘して「お前たち、代替案を持っているのか、日本の安全保障をどう考えているんだ……と、こういった話がされること自体が日本の国の政治の堕落だ」と知事。御意。辺野古移設工事めぐり菅某が記者会見や国会審議で繰り返し使つた「粛々と工事を進める」との言葉を取りあげ「上から目線の『粛々』という言葉を使えば使うほど県民の心は離れて怒りは増幅していくのではないか」と菅某にお言葉。←官房長官菅某翌日記者会見で「粛々と」について「不快な思いを与えたということであれば使うべきではない」と晋三政権らしい相変はらず反省もなくたゞ「言葉使はなけりゃいゝんだろ」の性悪。その菅某の姿勢につき翁長知事がキャラウェイ高等弁務官に重なる、と指摘したのは天晴れ。
三原じゅん子議員ですつかりスポットライト浴びる「八紘一宇」。これについて都新聞(大波小波)が八紘一宇の由来は日本書紀だが「建国以来大切にしてきた価値観」は三原じゅん子の勘違ひ、大正2年に田中智学の再発見によるもので、この記事で挙げたのがホブズモウムら編著の『創られた歴史』私は未読。伝統が過去を参考に近代で創られること。日の丸、君が代靖国も近代。日本の伝統、例へば教育勅語も秦那、朝鮮から流入儒教の影響あり。自民党議員こそ自ら歴史学ぶ必要あり、と。人々が大きく誤解してゐるのは「伝統」と並ぶのは「暴力」。社会は明らかに平和になつてゐるのだがテロや民族紛争、少年による殺人などマスコミが大きく取り上げ人は恐怖心ばかり増大させる。がスティーブン=ピンガー著『暴力の人類史』(青土社、日経の書評で)私たちの脳は「他者に共感し、他者の視点を取得する能力を進化させ」道徳的な感覚には生物学的な基礎もあるといふ。理性の力。