農暦八月十七日。晴。やはり「つい」早朝に蘋果電脳のiPhone 6だの新製品の発表を見てしまふ。今は世間を「あっと驚かす」ほどの新しい世界のお披露目はなく想定内の製品のアップデートで、これがだうして世界的ニュースなのか、と不思議だが朝六時に配達された蘋果日報は香港時間午前3時のAppleのキーノートのプレゼンがすでに記事になつてゐる。三時間内で記事を書き印刷し配達するとは……。官邸での御執務に疲労困憊で昏刻に外に出るとまぁ夕焼けがステキ。見惚れたので帰宅して感動消えぬうちに一杯。これで夜の記憶がかなり失せ九時すぎには就寝。
▼週刊文春が「朝日新聞が死んだ日」と欣喜雀躍の総力特集。嘸や力むところ。一読すると池上ななめ読みの掲載拒否の決定から市川速水報道局長名での「お詫び」掲載に至る経緯まで多少、築地の内部が窺ひ知れる内容だが(市川氏も池上コラム掲載拒否は反対だつた由)総力特集「朝日新聞が死んだ日」のトップ記事「池上コラム掲載拒否犯人は社員みんな知ってる「あの男」」でその犯人が木村伊量社長だ!って、おい/\その程度なら最初から「犯人は社長」と書けよ、である。「中国共産党に国を売った朝日新聞7人の戦犯」といふ記事も本多勝一や歴代の外報部の中国担当列挙で具体性に乏しい個人中傷のやう。そのなかで一人だけスクープで有名な特派員が愛人醜聞の絡みでXと匿名になつてゐるが2012年にボーン・上田賞受賞ってそれぢゃ匿名の意味なし、しかも文春は受賞年を一年間違つてゐるのだから。史上最悪の掲載拒否判断した役員ら引責で総辞職でもせぬかぎり朝日の体質改善は無理といふ……が文春も「目糞鼻糞を」とまでは言はないが朝日を嗤つてはゐられない。