富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦五月六日。晩飯にピーマンの肉詰め。ワイン商エノテカで入手したMichel JuillotのPinot Noir 2009年がとても良く合ふ。倍賞千恵子さんが映画『小さいおうち』で家政婦タキ役が「ずいぶんとフケ役」だと思つたら72歳、それでも今の感じでは、あのタキ刀自は老け役に見える。平和について、原発について倍賞さんにせよ、いろいろな方がみなさん本音で発言する時代になつた。今日の朝日(夕刊)の池澤夏樹、連載「終わりと始まり」「死地への派遣 国家に権限はあるのか」より引用。

国家には選ばれた一部の国民を死地に派遣する権限があるのだろうか? 非常に危険率が高いとわかっているところへ送り込むことができるのだろうか? それが自衛のためだと言うならば、国の生存権と個人の生存権の関係についてはもっと議論が要る。今の自衛隊員は憲法第九条があることを前提にこの特殊な職に就いたはずである。自衛のための出動はあるが(東日本大震災はその典型)、他国での戦闘はないと信じて応募した。だとしたら彼らには次の安定した職を保証された上での転職の権利がある。そんなつもりではなかったと言う権利がある。戦場には殺される危険と同時に殺さなければならない危険もある。その心の傷はとても深い。あなたは見ず知らずの人間を殺せるか?イラクに派遣された自衛隊は一人も死なず、(たぶん)一人も殺さずに戻った。憲法第九条が彼らを守った。それでも帰還隊員のうちの二十五名が自殺したという報道がある。一般公務員の一・五倍と普段から自殺率の高い職場ではあるが、イラク後はそれが一桁上がった。戦場の緊張の後遺症が疑われる。聞くところによると、集団的自衛権を熱心に推しているのは外務省で、防衛省は消極的なのだという。戦争になっても外交官は血を流さない。

でも、これからの自衛隊自民党の石破軍事センセイによると軍事法廷で国の命令に従へないと死刑もありなんださう。