農暦十一月初十。快晴で気温は摂氏二十度ながら明日にかけ摂氏十三度まで下がるといふ。週日、陋宅にて大掃除。寝室のコンセントがぐちゃぐちゃしてゐるので、そも/\寝るためだけ、のはずが読書灯や時計兼ねた音響、iPhone充電器兼ねたコネクター、除湿器等々設備多すぎるのも事実。それを整理した序でにiPhoneの他にAirPortも噛ませて二つの音源をばBoseで聴けるやうにする。寝台下のテーブルタップかなり傷んでゐたので買ひに出た次いでに宅急便の服務中心に寄り昨日に続き荷物の行方尋ねる。「えっ、配達されなかったのですか」と驚きも隠せぬ職員。昨午、配達の運転手に必ず急ぎで届けるやうに伝へてゐたので、まさか届いてをらぬとは思はなかったやう。今日も配達のトラックに積んであるので、たゞもう集荷から五日目で大変申し訳ございません、配達するやうに、と伝へるだけでは心許ない、今から手前供の職員にトラックに電話して何処かでドッキングして荷物受取り直接、配達にいかせますから、と職員平謝り。じつは外注の下請けのトラックでして、と。そりゃさうだ、自前の職員と自動車で運ぶには受注の荷物の数多すぎ。ジャスコから委託の宅配だけでもどれだけあるか。荷物一向に届かぬのも困るが「日本と同じサービスができず本当に申し訳ありません」の一言に思はず「香港で宅急便業務をされてゐるだけでも奇跡ですよ」と口に出さうになる。だが人手不足もあろうし服務中心でも持ち込みの発送品や書類とかなのだらうが、受付の彼方此方に、机の上に、と「置きっぱなし」に見えるのは気になるところ。このへんは日本礼讃ぢゃないが文化の違ひ。一つの小荷物運ぶのにあれだけの労力と手間ひまかけて、の宅急便はありゃ日本文化。コスト的には絶対に見合はないが宅配業務は日本人だけでやってゐたら完ぺき。国が滅んでも世界中で「宅配便は日本人」で生き残っていける加茂しれない。あれば重宝、でもワールドスタンダードからは程遠い、ってものが日本の産業には多すぎ。一時間ほどして無事、荷物は届く。大野晋『古典基礎語辞典』と佐々木中『夜戦と永遠』(以文社)の二冊だけでも13.5千円くらゐなので荷物がなくならず安堵。午後もずっと大掃除。高層マンションではマジに命がけの窓掃除。蘋果日報に「窓掃除中に転落死」の見出しが頭に浮かぶ。iTunesもちょっと工夫して居間、寝室、書室とバスルームのどこでも同じ音源から音楽聴けるやうに。今ではすっかり使ふこともなくなったスイス製のエルメス社のタイプライターも掃除して油を差す。四半世紀も前に神田神保町の古物やで入手。かなり重いがよく香港まで運んだもの。抽斗のなかから昔懐かしいMTRのStored Value Ticketと初代のオクトパスカードも出てくる。二ヶ月分溜まってゐた会計簿も整理。晩にNHKで「どうするニッポン 新政権に問う」眺める。司会が「凡庸の極み」の三宅民夫、どんな討論番組もこのアナウンサー出るだけで面白み欠け、この人を起用するNHKがあまりにリスク回避過ぎ、で詰らない番組となる。自民党の保茂尾田=石破幹事長に加山ユカちゃん必至に噛みつくが憎らしいほど石破の余裕。石破君の傍ら、公明党の山口代表の憲法、原発に関する自民党の主張とは異なる平和主義と早急なる原発再起動反対の言及に溜飲下がる思ひ。まさか自分がこんなに公明党有り難がるとは。天皇陛下も、さう。天皇陛下と創価学会なしには良心維持できぬ日本か。石破君はユカちゃんには余裕あり、だったが日本総研の藻谷浩介の、あのデータ並べて「ほら、常識だと思っていることが実際にはこんなに違うでしょ」の芸風は石破君は苦手さう。たゞ自民党の改憲や毅然とした国力誇示は石破君が強調してゐたのは「絶対に戦争を起こすべきではない」と、そのために国防、安定したエネルギー供給等が必要なのだ、といふ主張にアタシはさう簡単に与みしないが一理あり。意外と平和思考の革新リベラル政権で戦争に至るリスクも少なからず、か。戦争と平和。この日剰載せてゐる「はてな」にはてなブログなるものベータ版であったさうで1月には正式お目見へ。試しにこの日剰と同じものをブログにもしてみるが(こちら)、だうかしら。あたしは個人的にはこの読むことが強制されるやうなレイアウトの日記が好き。どうもブログは軽く見えててしまって。
▼蘋果日報の周末社論「蘋論」に李怡先生「梁振英,請你放過可憐的香港人吧」と題して
一國兩制的死亡,也就是香港價值系統的死亡。香港人是無奈接受嗎?還是要起而抗爭?不要說作為一般市民你沒有責任,儘管特首非民選,但今年三月前的民調是使選情逆轉的關鍵。向民調表達過意見的市民仍是有責任的。際此危急存亡之秋,市民要用腳去表達我們的救亡意願。
儘管筆者記得魯迅所說「我向來不憚以最壞的惡意來推測中國人」,但筆者仍要向梁特說一句:請你放過可憐的香港人,走下台階吧。世上豈有強迫主人接受他服務的公僕?
と(こちら)。
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